表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
家庭教師と悪ガキ♂ツインズ~荒んだオスガキ共を甘やか指導でメロつかせる~  作者: 巣暮イマ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/63

30話 もしかしてハジメ先輩だけでは飽き足らず……!?



「いや~、川沿いは気持ちいいねえ」



「……そうですね」



「このまま海まで行っちゃうか? なんてな」



「……それもいいですね」



 …………。



「(くそ、なんでこんなことになったんだ……)」



 泊りがけの家庭教師バイトを終えた俺は、偶然出会った中学生男子を車の助手席に連れ込んでのんびりとドライブを楽しんでいた。



 いやまあ、向こうが駐車場で張ってたからそんなに偶然でもないし、ドライブを楽しめる雰囲気でもないのだけれど。



「あー……俺はたしかに、昨日から今日にかけてハジメとハルトの家に泊まっていたよ。2人にお願いされてゴールデンウィーク限定・勉強合宿の家庭教師をやっていたんだ。勿論、ハジメたちの親から許可を貰っている」



「そう、でしたか……それじゃあ、自分が変な早とちりをしていたのですね」



「まあでも、知らない大人を疑うというのは悪い事じゃないさ」



 実際、ハジメもハルトも悪い大人たちから肉体的、精神的に害を受けたせいで、俺と出会った頃はだいぶ荒んでいたのだから。



「鮎川くんは、ハジメにバスケ部に復帰して欲しいと思っているんだろ?」



「そうです……ハジメ先輩は後輩想いで面倒見が良くて、チームのムードメーカーで……自分の憧れの人だから」



「アイツ、バスケはそんなに上手くないって言ってたけど」



「そんなことありません! ハジメ先輩のドリブルムーブはキレがあってすごいんです! パス回しだって上手いし、スリーポイントも安定してて……!」



「わ、分かった分かった」



 後輩からそこまで言われるっていうことはハジメ自身、自分で思っている以上に実はやれていたのかもしれない。

ただ、強豪で活躍するハルトの『サッカーが上手い』と比べると……って感じだろうか。



「……北条八雲は、ハジメ先輩の事情を知っていますか」



「なんでさっきからフルネーム……まあいいけど。ハジメの事情って、コーチにセクハラされたってやつか?」



「はい……自分たち部員は何度か目撃していたのですが、最初はバスケ部の顧問に言っても信じて貰えなくて、最終的に自分のスマホを使って証拠映像を盗撮して、それで発覚しました」



「それはまた、なんというか。とりあえず鮎川くんはお手柄だな」



「ハジメ先輩を守るためならこれくらい、なんでもありません」



 鮎川くんの話によると、セクハラ疑惑が出たバスケ部のコーチは新年度を迎える前に既に中学から追放されていて、今は新しいコーチが来て問題なくやれているらしい。



「だから、今はもう安全に部活ができるので。またハジメ先輩にも来てほしくて何度かお誘いしているのですが、逃げられてしまって……」



「一度植え付けられたトラウマはそう簡単に消えるものじゃないからな」



「それは……そうですね」



 こればっかりは、ハジメ本人が大丈夫だと自分で思えるようにならないとどうすることもできないだろう。

彼の中の傷が癒えるまで、俺たちは生温かく見守るしかない。



「今、夏の地方予選に出るメンバー決めをしているんです。それで、今度の練習試合で最終調整をすることになってて……だから、ハジメ先輩にも来てほしくて」



「そっか……アイツ、今年の夏が最後の大会だもんな」



 本人が納得してるならいいけど、大人になって『あー、やっぱ出とけば良かったな』と後悔するのも辛いものがある。

もちろん、俺たちがハジメに強制することはできないけど。



「鮎川くん、スマホ持ってたよな。チャットアプリのコード教えてくれないか?」



「えぇっ!? ももも、もしかしてハジメ先輩だけでは飽き足らず……!?」



「なんだよ飽き足らずって。俺も家庭教師で定期的にハジメとは会うから、部活の様子とか君から教えてもらって情報交換できればって思っただけだよ」



「そ、そういうことでしたら……」



 というわけで、俺は鮎川くんと連絡先を交換した。

何ができるわけでもないけど、これだけ後輩に好かれているハジメをこのままの状態で終わらせてしまうのはやっぱり少し、モヤモヤするから。



「それじゃあ鮎川くん、何かあったら気軽に連絡してくれよ」



「……じ、自分の自撮りとか送りませんからねっ」



 いや俺もいらねえよ。



 

————  ――――


面白かったら★とリアクションをいただけると執筆の励みになります!


————  ――――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ