28話 ……先生のソレ、すごいから
「……んぅ」
「くぁ~……お、ハルトも起きた」
「……先生は?」
「まだ寝てるぜ」
「くー……くかー……Zzz」
「へへっ、顔に落書きしてやるか」
「……バレたら母ちゃんに怒られる」
「ちぇっ、ハルトはマジメちゃんなんだから……ん?」
「どうしたの、ハジメ……あっ」
「えっ、これ……すご」
「昨日見た時より、全然……」
「「……~っ!」」
―― ――
「ん~っ、くぁぁ……ん?」
目が覚めると、知らない天井だった。
視界の端にハルトとハジメの頭が見える。
そうか……俺、昨日こいつらの家に泊まって……
「や、八雲おはよう……」
「……お、おはよう先生」
「お前らもう起きてたのか……おはよう」
「お、おう……」
「……っ」
「ん、どうした?」
起き上がって双子たちに挨拶をすると、何故か顔を逸らされてしまう。
耳まで赤くして……照れてるか、笑いをこらえて息苦しくなってるかって感じだな。
「あ、お前らもしかして顔に落書きとか……!」
「そ、そういうのはやってねえよ……」
「じゃあどうしたってんだよ」
「……先生のソレ、すごいから」
「ソレって……あ」
ハルトが顔を逸らしつつ、俺の下半身に指を向ける。
そこにはまあ、なんというか……非常に立派なテントが建っていた。
「こ、これは生理現象だから仕方ねえだろ……お前らだってなるだろ?」
「う……」
「……それは」
俺に言われた途端、中腰になるエロガキ共。
ったく、普段そういう話にならないから忘れてたけど、こいつら思春期真っ盛りの男子中学生だったな。
「八雲、それどうなってんの……?」
「ちょ、ちょっとつっついてもいい?」
「良いわけあるか。ほら、トイレ行くからどいてくれ」
「トイレって、何する気だよ……っ」
「ションベンだよ!」
……。
…………。
「あら、八雲くんおはよう」
「おはようございます」
支度を整えてリビングに行くと、メリッサさんが朝食を作っていたので食器を並べる手伝いをする。
少し待つとハルトとハジメもやってきたので、4人で雑談しながら食卓を囲んだ。
「昨日はグッスリ眠れた?」
「ええ、まあ。腕が少し痺れてますが」
「腕? 寝がえりして身体の下敷きにしちゃったとか?」
「そういうわけじゃないんですけどね」
「「…………」」
昨夜、俺と一緒に寝たことを母親に知られたくないのか、しらを切って食事を続ける双子たち。
「……ウィンナー、ちっさ」
「っ! ゴホゴホッ!」
「何やってんだお前ら」
朝食のおかずで出てきたウィンナーソーセージをつまんでハジメに見せるハルトと、それを見て盛大にむせるハジメ。
こいつら、母親の前でそんなくだらないことを……
「なによ、別に小さくないでしょ。ポークビッツじゃなくてアルトバイエルンよ」
「い、いやっ……そうなんだけど……っ」
「なに笑ってんのよハジメ」
「……ぷふっ」
「ハルトまで……たまにこういうことあるのよね。2人だけで通じ合ってるっていうか。やっぱり双子だからかしら」
「あはは……」
いやあ、お母さん。これは多分そういうのじゃないと思いますよ。
あと母親がいるところでしょうもない下ネタはやめろ。
「八雲くん。今日はこの後お昼まで家庭教師してくれて、お昼ご飯食べてから帰るで良いのよね?」
「お昼までいただいちゃっていいんですか?」
「もちろんよ。なんならもう1泊していってほしいくらい」
まあ、なんだかんだでコイツらも普段より長い時間なのに真面目に勉強しているし、親としては嬉しいのかもな。
「流石に2日連続で勉強漬けは2人の頭がパンクしちゃうと思うんで帰りますよ」
「え~?」
「……もうちょっと、見てほしかった」
「これから昼メシまでしっかり見てやるから。覚悟しておけよ」
「か、覚悟って……」
「もしかして、成績悪かったらお仕置きか?」
「あの、デカいヤツで……っ」
「や、八雲の鬼畜教師~!」
「何言ってんだお前ら」




