ログを探しに ~運命の出会い~ <萌乃>
(「あの組織……ログ、彼……どう繋がるんや?」)
リィナの持っていた日記。
そこに書かれていた言葉が、気にかかる。
萌乃は、気が付けば、部屋の外に出ていた。
「探してみっか……」
あの日記にあった、ログを求めて……。
まず先に思い立ったのは、談話室だった。
人が集まり、語り合う場所。
ならば、あの日記にあったログを隠す場所としても良いのではないか。
萌乃は、さっそく談話室に向かうと……。
眼鏡を掛けた青年がソファーに座っていた。
歳はそう、ここのオーナーと同じくらいだろうか。
彼は談話室に置かれた雑誌を読んでいたのだが、萌乃に気づき、読み進む手を止めて、ぺこりと会釈を返した。
「……なんか、翔さん……だっけ? ……になんか似とるけど……気のせいか」
「残念ながら、私は翔ではありませんよ」
その言葉に驚きながら、萌乃は思わず。
「……あ、失礼しましたぁ!」
ぺこぺこと頭を下げる。
「いえいえ。お気になさらずに。よく翔とは、一緒に行動することが多いので、良く間違えられるんです。もっとも、ここの運営とかにはノータッチで、今日は客として来てます」
青年は続ける。
「すみません、名乗りが遅れましたね。私の名は剣条流斗と申します。以後、お見知りおきを」
改めて青年、いや、流斗はぺこりと頭を下げた。
「あ、宜しくです……うちは飯尾萌乃といいます」
萌乃もぺこりと頭を下げる。
「飯尾、萌乃さん……ですね。飯尾さんとお呼びすれば良いでしょうか? どうぞ、よろしくお願いしますね」
そう言って、流斗はにこりと微笑んだ。なかなか素敵な笑顔だ。
「あ、飯尾でいいですっ! 失礼しましたっ」
照れたように頬を火照らせながらも、萌乃は、ばたばたとその場を走り去った。
「……可愛い子、でしたね……」
そんな萌乃を驚きながらも、見送る流斗であった。




