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アルミ缶とスチール缶の見分け方

20世紀の終わりか、21世紀の初めか。

まだ「リデュース・リユース・リサイクル」なんて言葉が今ほど定着していなかった頃の話だ。

友人と缶ジュースを飲みながら、空き缶の分別の話になった。


「最近、空き缶もアルミとスチールで分けるんだってな?」


「そうらしいな。でも、どうやって見分けるんだろう?」


「磁石を使えば簡単じゃん」


「お前、磁石を持ち歩くのか?」


「……いや、持ち歩かないな」


しばらく考えて、友人が言った。


「そうだ。手で潰せるのがアルミ缶で、潰せないのがスチール缶!」


「ん?潰れない缶なんてあるのか?」


「あるだろ。コーヒーの缶とか」


「潰れるよ?簡単じゃん!」


「えっ?」


友人が固まる。

俺はほとんど飲み終わったコーヒーの缶を逆さにして、最後の一口まで飲み干す。

そして空になった缶を軽く握った。


グチャッ。


あっさり潰れた。

続けて、近くにあった別の缶も握る。


グチャッ。


どれも簡単に潰れる。


友人は果敢に挑戦するが潰れない。

潰れる気配もしない。


「……化物め」


潰すのを諦めた友人に怨嗟の目を向けられながら

潰した缶を片付けていると、ふと気づいた。


「あっ、そうだ!」


「どうした?」


「縦は潰せないんじゃないか?」


友人が潰そうとしていたスチール缶を受け取って縦に潰そうとするが、まったく潰れない。


「ほら!やっぱり潰れない!これがスチール缶だな!」


そう言いながら、隣にあった炭酸の空き缶を縦に潰すと


グチャッ。


「潰すのがちょっと大変だ!これがアルミ缶だ!」


と縦に潰したアルミ缶を友人に見せつける。


「まて!まて!まて!まて!まて~~~!」


と言いながら友人もアルミ缶を掴んで縦に潰そうとするが潰れない…


「やっぱり普通はアルミ缶だって縦には潰れないって!」


「そうか?でも潰れたが……」


「やっぱり化物め……」


最後に友人が、半ば諦めた声でつぶやいた。


「……さすが、天然危険物」


俺は苦笑いするしかなかった。


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