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お花畑女子のゆるふわダンジョン最強説  作者: 豆の木豆太郎
どうなっちゃうの!?最強無敵の花畑ダンジョン
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12.ダンジョン捜索in魔王城〜!

 

 みんなで手分けしてダンジョンの入り口探しをすることになったから、あたし達はひとまず中庭にやってきた。

 中庭は最早地面を埋め尽くす勢いでわっさわっさと植物が生えている。


「これがハル様のお話にあった植物なのですね」

「そうなの!最初は本当にちっちゃくてね、栄養と環境が良くなったらこんなに立派になったのよ」

「魔力への適応力も高く、栄養も豊富な種類のようですね。逆に言えば、それだけ強い種類だから過酷な状況でも生き残ってこられたということでしょう。土の様子がこれでは…」


 あたしには詳しく分からなかった土の状態を植物型モンスターは知ることができるみたいで、マイスもコウくん達もみんな渋い顔をしてる。


「もうずっと昔からこんな感じみたいだけど、何が良くないの?」

「簡潔に申し上げると、この土には生物が棲んでいないんです。本来は虫などの小さな生き物や更に小さな微生物がいることによって生命が循環して豊かな土壌が形成されるのですが、その小さな生物がいないのです」


 それってみみずとかのことよね?うーん、なんか習った気がするんだけど何だったっけなぁ。


「その小さな生き物って確か大事な役割があるんだよね?」

「素晴らしい!その通りです。例えば、蚯蚓みみずが枯葉を食べ、その排泄物が微生物によって更に細かく分解されていきます。その分解されたものが植物にとっては栄養となるのです。ここでは、ハル様が与えた灰肥料を替わりに栄養素としているようですね」

「でもさ、その小さな生き物がいなくて分解されないんだったら、こう…使えない栄養?が残ったままなんじゃないの?」

「そう…ですね。それは確かに不思議でございますね。ここの土は生物もいなければ栄養もないスカスカの土です」


 うーん、考えても考えてもよく分かんないや。

 あたしは頑張った成果をみんなに自慢したかっただけだし、難しい話はここまでにしよっか!


「あ、そうだ!ダンジョンバトルで流されちゃったけど、みんなが進化したの見てもいいかな?」

「えぇ、構いませんよ」

「もちろんですハル様!」

「わたし達も知りたいです」

「キュアキュアァウ!」


 コウくんライくんジンくんもサリーちゃんもランちゃんも賛成してくれたので、早速モニターでチェックしてみる。


 アルプルピナ:アルラウネから進化した魔人型モンスター。醒めることのない悪夢を見せると人々に恐れられているが、魔花仙女アルプルピナは死の淵にいる者の元に現れ、黒茨の揺り籠で包み込み死が訪れるその時まで幸福な微睡まどろみを与える。長い黒髪に艶やかな赤い果実を実らせ、暖かな光を放つ松明を持つその姿に救いを見出す者もいるという。


 トラジディナイト:オニオンユースから進化した人型モンスター。深い悲しみに喘いでも尚不屈の精神を持ち続けた騎士。その目元には涙痕が傷痕のように刻みつけられており、いつも憂いを帯びた表情をしている。涙騎士トラジディナイトは苦境にある時程力を発揮し、主人を守るために死力を尽くす。意外と涙もろい。


 ヴァイオレットフロージア:グラスウィッチから進化した人型モンスター。すみれの花の精かと見紛う程の美女。身に纏う深い紫紺のローブや帽子には色とりどりの花が咲き乱れ、白く透き通った肌と純白の髪につい触れてしまいたくなるが、花賢者ヴァイオレットフロージアあなどると甘美なる毒の餌食となるだろう。様々な種類の毒魔法を極め、扱いに熟達したことで癒しを与えられるようになった。


 モノトロップスドラゴン:ハービボロスドラゴンから進化した成体ドラゴン型モンスター。植物を食べることで体表に葉緑素を持っていたこれまでとは異なり、吸収することに特化したことで軽くて硬い鱗を手に入れた。腐蝕ブレスを吐くことができ、生命力防御力も高いため危険度は非常に高いが、日陰のしっとりした場所を好む大人しい種族である。艶のある白い鱗は日の光の元ではキラキラと輝くために付けられた名は銀蝕竜。



「あらやだまぁまぁ!みんな格好良い説明文でちょっとテンション上がっちゃうじゃん!」

「お褒めに預かり光栄です!」

「俺達もちょっとは頼もしくなったかな?」

「名前がかっこいいから何だか恥ずかしいよぉ」

「ジンくんもライくんくらい自信持っていいのよ?」


 大きくなったって言ってもあたしにとっては可愛い可愛い仲間達なんだよねぇ。一人一人褒めちぎっていくとみんな照れるのがまた可愛いわ。


 それから中庭を重点的に探してみたけど入り口っぽいものは見つからないし、気付いたら周りは真っ暗になっていてもう夕食の時間だ。てことで、今日のダンジョン捜索はここまで!


 あたしは炊事場で大きな鉄鍋とお玉を借りてきて、中庭に面した二階の渡廊下に行く。マイスにしっかり耳を塞いでもらったら、思いっ切りお鍋を打ち鳴らす!


 ガンガンガンガン!


「ご飯の時間ですよー!探すの一旦やめて食堂に集合!繰り返しまーす!ご飯の時間ですよー!」


 ガンガンガンガン!


 この渡廊下が一番声がよく通るのよね。これでみんな集まること間違いなしね!

 早速食事の用意がしてある食堂に向かうと、ゾロゾロとみんな集まってきた。最後に魔王が入ってきたら全員ね。


「それじゃあ、みんな揃ったことだし、ご飯にしよっか!」

「…魔王じゃなくてお前が仕切るのか?」

「余はそういうのは苦手だから良いのだ」

「そういうこと!はい、手を合わせて!いただきまーす!」


 今日の晩御飯は、マイスが持ってきてくれた花咲米とマイルズ達が持ってたチーズと魔国の葉っぱで作ったリゾットと、水で戻した塩漬け肉をミンチにしてお芋に混ぜて揚げ焼きにしたコロッケにシンプルなトマトソースをかけたもの!

 マイスが結構色んな食材を持ってきてくれたし、マイルズ達も保存のきくパンやチーズを提供してくれたから、グンと料理の幅が広がったの。


 小判型のコロッケにナイフを入れると、サクリといい音を立てる。まずは何もつけずにそのままパクリ。

 細かい塩漬け肉の塩味がちょうどいい感じで、ジークくんの乾燥ハーブのお陰でこれだけでもどんどん食べれちゃいそう!トマトソースをつけて食べると、爽やかな酸味が加わってますます食欲掻き立てられちゃう!


 リゾットはとろみのある葉っぱとチーズとが入ってるから水の量が多い緩めな感じに作られていて、滑らかな舌触りがすごくイイ。それでいて満足感もあって、胡椒の香りとピリッとした辛味が味を引き締めてくれる。


「いやぁ〜使える食材が増えるとますます美味しくなるね!」

「これも皆様のお陰です。ありがとうございます」

「余はあの日以来食事の度に感動しておるぞ。ワン、ハン、美味い食事をありがとう」


 ワンさんがうるっとしてるのを微笑ましく眺めながら、食事が一段落ついたところで今日のダンジョン捜索の報告をすることになった。

 まず魔王軍からは、空間魔法を使うことができるリションを地下へと向かわせたという報告がティションからされた。


「地下に広がるダンジョンはキワメテ広大で、地上へと伸びる道も複数あったようデス。リションが入り口を特定することは難しいデショウ」

「余も改めて地下へと魔力感知を行ってみたが、巧妙に隠され妨害され詳しいことは分からなかった。しかし、この城の直下が最も深いため基点となる入り口は城内のどこかにあると見てよいだろう」

「資料を洗い出してみた結果ですが、我々が把握している以上の特別変わったことは見つかりませんでした」


 あたし達はその内容を知らないから、説明してもらったら1000年以上前には豊かな自然があったんだそう。

 約1000年前、歴史に残る程大規模に魔素の流れが乱れ農作物が不作となるが、当時は他国とも交流がありどの国でも不作であったと記されていた。魔力の乱れが収まってからは作物の出来も通常通りに戻ったらしくって、約900年前から曇り空が多くなったとあり、約800年前からは晴れることがなくなった。


 それを聞いてみんな考え込んだけど、ふとジークくんが呟いた。


「……この曇り空って明らかにおかしいですよね。風が吹いてもこの一帯だけ晴れることがないなんて」

「考えたくはねぇが、これがダンジョンのせいだとしたら少なくとも900年は生き続ける超大物ってことだろ?」


 ホルストが続けた言葉で室内に沈黙が落ちる。

 そうよね。ヤバい奴があたし達の下にひっそりと潜んでるってことには薄々気付いてたのかもしれない。

 まっ、バトル挑んじゃったんだし悩んでてもしょうがないよね!何とかなるなる!


「さぁ、沈んでる暇ないよ!次の報告行ってみよー!」


 マイルズに次の報告を振ると、急に振られたことにビックリしながらも報告を始めてくれた。


「俺達は城の外縁部を探したんだ。北側には尖塔がある他物置とか裏側っていう印象だった。そこから時計回りに進んでみたが、北東には枯れた井戸、東には元々は庭だったんだろう畑と東屋が、南東からは住居と畑が広がっていて、南西には訓練場が、西には厩舎があり、北西には森が広がっていた」

「ザッとではありますが一通り探しましたけれど、怪しい場所は見つかりませんでしたわ。クゥちゃんの嗅覚でもお手上げみたいですの」

「僕とザグは隠し扉なんかがないか城内を見て回ったけど、ダンジョンの入り口に繋がるような隠し扉はなかったよ。隠し扉自体は幾つか見つけたんだけどね」


 マイルズ達もこれっていう手掛かりは見つけられなかったみたい。続けてあたし達は中庭を捜索した結果を報告したけど、それもイマイチって感じだった。

 どれも手詰まりって感じで眉間に皺が寄っちゃう。う〜〜〜〜〜〜ん……よしッ!


「今日はここまで!!これ以上考えても何も出てこないから寝よう!」

「ハァ?お前の大事なモンが懸かってんだろ!?それでいいのかよ!」

「まぁ、あと二日あるし、大丈夫じゃない?」


 ホルストがツッコんできたけど、そんなことよりも夜更かしは美容の大敵だもんね!

 てことで、納得いかない顔した人達もさっさか押し出して今日は解散!


 久しぶりにマイスにマッサージしてもらってから寝よーっと!



ハルちゃんは周りにマイスもいるしマイルズもホルストも魔王もいるしで、味方が心強くてメンタル最強となっております。マイペースは強み!


皆さんも良かったらどこに入り口があるか考えてみて下さい。


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