表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第三章 相対性正対論
953/969

第十二話part2

「一緒にいよう。僕たちは一緒になるべきなんだよ」

「それで……何する気だ?」


 この人のあまりに不気味さというか? 私に向ける執着が恐ろしくなってて声が出なかった。それを察したのか、野々野君が前に出てくれた。本当ならそんなのはダメだ。だって彼には力がない。

 目の前の片目を隠した彼の力……不可視の力? とでもいおうか、それを防ぐ手段か野々野君にはないんだ。そしてここは歩道橋だ。

 さっきは階段から落としそうになったけど、もしもその力をもっと自由に使えるのなら、この歩道橋から落とすとかさ……車道の方にね。この下の道路は車線が多いからそれなりに皆スピードを出して車を走らせてる。住宅街の細い道ではない。

 それに車の行き来も途切れるときはあんまりない。適当に落としたとしても、そのまま引かれる可能性はかなり高いだろう。そもそもがだけど、歩道橋は結構高いわけで、そこからアスファルトにたたきつけられるだけでも脚とかどこかしらかは骨折するだろう。車に引かれるか骨折するか……いやその後にきっと引かれるから、ここから落とされたらきっと助からない。

 そんな力に対して野々野君は無防備なのだ。力を持ってる私が……そして確実に目の前の彼を倒せる私が前に立たないでどうするの? けど初めて受けた粘っこい、不気味な感情……それが私を震わせる。


 なにせ私はこれまで暴力沙汰なんてこととは無関係だったんだよ? 最近は確かに危ないこともしてたけど、でもそれで向けられる感情ってもっとはっきりしてて、そしてただ暴力的だった。

 この力に目覚める前は、その暴力的な感情だけで震えあがってたと思う。でもね。今はそうじゃない。ただ暴力的だったとしたら、怖くないのだ。だって私の方が強いから。

 でも、このねばりつくような執念は初めてで……それにそれが純度100%で私に向いてる。それが気持ち悪くてたまらない。いやらしい……とかじゃないけど、私を得て何をしようとしてるのか? それがわからなくて怖いよ。


「なに……か。俺たちが一緒になって……そうだな。うん、この世界をぶっ壊す」

 

 はあ? だった。何言ってるのこいつ? それでどうなるのよ。この世界をぶっ壊す? 私はいやなんですけど……それを言ってあげたいが、どうやらそいつの言葉はまだ続いてた。


「そして俺たちが新世界のアダムとイブになるんだ」


 硬骨な表情でそんなことを彼はいった。すべてを壊して、新たな世界で私と二人で新たな世界を始める。そんなことをいってる。そんな夢物語みたいなことを……本当なら、今までならそれは一笑される言葉だ。

 当然だよね。そんなこといったら中二病でも発症したのか? となる。でも……彼は超能力に目覚めてる。そして力があるのだ。実際問題、この程度でへばってる彼に世界を破壊する……なんてことは無理だろう。

 確かに彼の力は面倒だけど、そんな広範囲に使えるものでもなさそうだし……世界も、まして日本という国だってどうにかできるなんて思えない。

 

 でもね……彼の狂気に満ちた表情はそれをマジだって言ってる。力を得た自分にはそれができるって本気で思ってるみたいだ。しかもそれを私と一緒に……


「うげええええええ」


 吐き気がせりあがってきて我慢できなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ