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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第三章 相対性正対論
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第十一話Part7

「そんなわけない! この力が嬉しくないなんて! 俺達は選ばれたんだ! 誇って良いんだよ!!」


 そんな風に片目を隠した彼は言ってくる。彼は自分がこの力を得たことを祝福……とかそんなのだと思ってる。だから私もそうなんだって伝えようとしてるんだろう。私がこの力、超能力が発現してもそこまで嬉しくないって言ったのが信じられないから。

 でもそこは自由でしょ。人それぞれって言葉知らないのかな?


「おかしい……そんなわけ……この力は祝福で、選ばれた力で、これがあれば俺はもう、虐げられずにすむのに……」


 ぶつぶつと……そんなことをいってる。やっぱりかなりその精神が不安定みたいだ。そもそもそんなに精神が強くなさそうだし、そこにこの超能力という力が降って湧いた事で彼の精神構造は完全にいびつな状態になってしまったんじゃないだろうか?

 いや、私は他人の精神のことなんてわからないけど……でも、私も力をもってる側だからわかることもある。私にはこの力は煩わしいものだった。自分の日常……それを壊しかねないものだったからだ。でも……彼は違う。

 そもそも彼は、日常……今を壊したかったんじゃないだろうか? けどこれまではそんなことを願ってもできるわけもなかった。なにせ彼は非力そうだし? それにどんな格闘技のプロだって、現実では無双なんてできないらしい。

 たった数人で取り囲むだけでボコボコにできるらしいのだ。漫画や映画のような事はできないんだ。だから彼はできなかった。だって自分が一方的にボコボコにされるのが彼は誰よりも自分がわかってたからだ。


 けど今は違う。彼は力を……超能力を得てる。しかも人を傷つけてもバレずに済みそうな……都合のいい力だ。そこで私は気づいた。もしかして……


「もしかして……君、もうその力を……」

「くくっ」


 そんな風に彼は怪しく笑う。それだけでわかったかもしれない。彼は……もう報復をしてる。そしてそれを行った対象は、彼が言ってた、自身を虐げてた人物……


「あーはっはっはっ! 滑稽だったよ! 何もわからずにやられてくアイツラといったら! 本当にスッキリした。その時思ったんだよ。ああ、こいつらって俺よりも下、なんだって」

「下って……そんなの……」


 私はないって言おうとした。人の……ましてや学校の中で上下なんて……


「あるよ。学校でも上下はある。コミュ力高いやつ、声がでかい奴が偉いんだ! でもそいつらはそれだけだ。そうやって自分と同じようなやつを集めてるだけ。

 本当はアイツラは大したことなんてなかった。だって……あはははは! 俺の方が強かったんだから!」


 どうやら彼はその行為に一切の後悔ってやつはないらしい。心の底から、今まで自分を虐げて来た奴らにその力で復讐ができたこと……それが嬉しいってことが伝わってくる。

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