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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第三章 相対性正対論
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第十一話Part5

「うっううう……ううううう」

「えっと……」


 なんか組み伏せてる彼が泣き出した。うわぁぁぁぁん! という泣き方じゃないが、悔しくてたまらないみたいなさ……そんなまさに男泣きって感じだ。でも……女性の涙もそうだけど、男でも泣かれるとなんかこっちが悪い……みたいな気がしてくるよね。実際アスファルトに顔を押し当ててるからね。い、痛いのかな? 痛いよね。そう思うとちょっと力が……その時だった。なんと、押さえつけてた彼が腕からにゅるっと消えた。


「え!?」


 驚いた。こんなこともできるんだ。私がちょっとでも力を緩めたせいで……


「ごめんなさい」

「いや、これはしょうがないよ。それにそんなに遠くには行ってないと思う」


 確かにそれは野々野君のいう通りかもしれない。だって最後ら辺は彼はとても辛そうだった。力を使うのも限界が近かったはずだ。そうなると、あれは最後の切りふだってことになる。使えるのも一回切りの可能性がある。そうなるとそんな遠くにはきっといってないよね。


「おいかけ――」


 ――る? と言おうとしたところで言葉がつまる。だって、そこには件の彼がいたからだ。逃げてなかったんだ。そんなに遠くに言ってないだろうとは思ってたけど、歩道橋にまた現れるなんて……逃げる気ないってこと?


「おかしいよ……こんなの……」


 フラフラと、そんな事をつぶやいてる彼。私たちは警戒する。もう力を使えるとは思えないけど……でも警戒は必要だろう。何かまだ出来る事があるかもしれないし。なにせ超能力というのは不透明だからね。私も五感に力を集中させるってことやってみる。今までは体の俊敏さとか筋力の増強とかに振ってたけど、五感も力によってパワーアップしてるようだと気づいたからだ。実際、試合中に全ての人の動きが見えたり、対象がゆっくりに見えてたのも……きっと視覚が強化されてたからなんだろう。

 今更にそれに気づくとは……でも気づいたのなら、これからだ。私にはまだ伸びしろがある。実際、身体強化だからって体ばっかり鍛えてムキムキになる……なんてしたくないのだ。実際身体強化ならそれが一番ベストなのかもしれないが、私は女を捨てる気はないからね。


「おかしいって言われても……」

「だって……そうじゃないか。そいつには何もない……でも俺は選ばれたんだ! この力に! そしてそれは……君も同じだ。俺たちはそこらのゴミとは違う。俺を虐げてきた奴らとはもう違うんだ!! だから選ばれた俺たちは特別なんだよ」


 こいつやばいな……私は素直にそう思った。


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