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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第三章 相対性正対論
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第十一話Part4

「もう終わり? わかったでしょ? 貴方じゃ、私には勝てない」

(ひゃー何言ってるんだろう私)


 まさか自分がそんなセリフを吐くことになるとは……内心では真っ赤になってるけど、外面はあくまで冷静……そして怒りを滲ませてる。いや、できてるかわかんないけどね。

 だって私、演技とかからっきしだし? 授業で立って読むときでさえ、私の朗読は不評の嵐だ。だからちゃんとやれてるのか……脅せてるのか不安はある。でもここで下手にそんな事確認もできないからね。

 やり遂げるしかない。それに私の怒りは本物なのだ。いきなり力をつかって他者を傷つける……そんなことを許して良いはずがない。私たちには力がある。超能力という力だ。

 どっかの蜘蛛人間のおじいさんが言ってようなさ――


『大いなる力には大いなる責任がある』


 ――とかはいうつもりはない。だって私だってそんなの背負う気はないし? でもね……好き勝手この力をつかうのなら、こっちだって迷惑なんだよ。いやバレてない状況なら良いけどさ……世間で超能力者たちが暴れ出したらどうなるか? それはきっと超能力者とそうじゃない人たちで溝が生まれるだろう。

 もしも超能力者が大多数になる日がくれば、そういう溝は解消されるかもしれないけど、今はまだ圧倒的に超能力を持ってない人たちが多い。


『超能力者は危険で危ない奴ら』


 ――なんてことが世間一般に広まったら困る。せめて力を良いことに使わないと……超能力で誰かを傷つけるなんて言語道断だよ。それを伝えるためにも、この人が調子にのって力を使いまくらないように、ここで脅しをかけておくのは必要だよね。


 さっきから攻撃は来なくなった。彼は膝を落として、俯いてる。私にその力が全く通じなくて愕然としたのかな? この力さえあれば……そう思ってたのかもしれない。誰も自分に勝てるやつなんていない……そう考えてたのかも。

 でもそれを木っ端微塵に私が砕いてしまった。もうこんな馬鹿な事はやめて……これでわかってくれたかな? と思った。

 私と彼では体力が違いすぎた。部活やらなんやらで鍛えてる私と、見た目完全にインドアな彼……確かに力を使うだけなら体力なんて関係ないかもしれない。特に彼のように別に体を激しく動かすわけでもないのならなおさらだ。

 でも……体力は土台みたいな? 基礎なんだ。やっぱり基礎って大事……と思ってた時、僅かに彼の変化を感じ取った。


(まだやるき?)


 とか思ったけど、次の動きはさっきまでとは違った。だって……だって彼の不可視の手がやったことは……なんと私のスカートを捲りあげるような動きだったのだ。ファサーと私のスカートが捲れて、きっと目の前の彼には私の飾り気のないパンツがモロ見えだっただろう。


「はっ?」


 私は一瞬で手でスカートを抑える。でもそれがどうやら狙いだったようだ。その隙をついて、片目の彼は最期の力を振り絞って野々野くんへと攻撃を向ける。でも……その時、なんか彼の反応が……


「あっ……ひえ……」


 そんな風に怯えたような……そんな感じになった。よくわかんないけど、私は彼の腕を捻り上げて地面に叩きつける事で無力化した。


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