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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第三章 相対性正対論
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第十一話part2

「運命?」


 何をこの人は言ってるんだろう? 本当にわからない。私たちは今日初めて出会った筈だ。出会ったというか? 出会わされたというか? 向こうから最悪な接触をしてきたというか? それで運命? まあ確かに私が好きな漫画とかアニメとかでも最初は相手に対しての好感度が最悪からスタートする……というのはある。

 でもさ……それって物語だから成り立つものだと思わない? そうつまりは創作で、これから挽回が確約されてるから、私たちは安心して読んでられるし、見てられるのだ。それに漫画の物語ではひどい目に合うのは主人公だ。

 もちろん主人公に自身を投影して読むのは前提だけどさ、それでもやっぱり完全に自分とは……ね。思わないじゃい。でもリアルでは誰かに成り代わるなんて事はできないのだ。

 まあ今はこの超能力とか実際にあるからそういう「力」があるかもしれないけど。でも私にはそんな力はない。だから関係ない。そして今、私の怒りを買ってるこいつは間違いなく悪印象しかない。


「なに……いってるの? こんな……こんな事して!」


 私は思わず大きな声を出してしまった。でも押さえられなかった。だって野々野君を階段に落とそうとしたんだよ? 野々野くんには私たちのような力はない。確証はないが、眼の前のこいつも多分超能力者だ。

 でも野々野君は違う。普通の人だ。それなのにあんな階段から落としたら……下手したら死んじゃうんだよ!? それをなんのためらいもなくやったこいつに私が怒りを向けるのは当然のことだ。


「ひっひいい!?」


 私に近づいてきてた眼の前の彼は怯えたように一気に私から距離をとる。なに? さっきまで興奮してたのに、一気にその興奮がしぼんでまるで怯える子犬みたいになっちゃった。


 私は野々野君を立たせて、視線を交わす。きっと野々野君も「なんなの?」って思ってるはずだ。


「刺激するのはまずい」

「うん……」


 確かになんか精神状態が普通じゃない。乱高下がはげしいというか? それだけならまだしも、彼には力がある。超能力という力が。だから興奮させたら何をするのかわからない。でも……彼は反応した。私の声か、野々野君の声かどっちかはわかんないけど。


「なんで……なんでお前がそこにいるんだ! そこは僕の……俺の場所だぁぁぁぁ!!」


 どうやら彼は野々野くんが隣に……私の側にいるのが許せないらしい。そして彼はこう思ってる。


【自分こそがその場所に相応しい】


 ――て。なにそれ?

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