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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第三章 相対性正対論
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第十一話Part1

 野々野君の姿がゆっくりに見えた。走馬灯? 違う。これは私の頭が、脳が限界を超えて活性化してるからだ。全身に一気に駆け抜けるパワーを感じた。足裏が靴の感触を超えて地面の……いえここは歩道橋だったからアスファルトなのかなんなのか歩道橋の材質は知らないけど、それ自体を揺らすほどに私は強く蹴って動いた。


 見えないなにかで階段の方へ押し出された野々野君は私の視界から一瞬で消えたけど、でも私は一足で追いついた。そしてそのまま私は野々野君を抱きかかえて、歩道橋の通りに立ってた建物の壁に着地した。側面に着地してるわけだからね。しかもなにか出っ張りがある場所とかじゃない。完全なる壁である。

 こんなの見られたら……私が超能力者だと、そうじゃなくても普通じゃないってバレる。それに私は制服だからね。つまりはスカートなわけで……今やオールジェンダーとかなんか囁かれてるわけだけど、男子はズボン、女子はスカートというのは変わってない。

 希望すれば女子でもズボンでも良いんだけど、いやほら……だってね。スカートの方が可愛いし? 希望する人はそんなにいない。でもオールジェンダーを歌うなら、男子でも希望したらスカートで登校していいんだろうか? 女子が制服のズボンを履いてるのは実際は家の学校でもちょこちょことみる。

 いや本当に稀にだけど……でも……だ。男子がスカートを履いてる姿はみない。それは……全くだ。それってやっぱり女子がズボンをはくのと男子がスカートを履くことへの忌避感の違いだとおもう。いや、そんなジェンダーの事は今はどうでも良いんだけどね。


「野々野君、大丈夫?」

「ああ、助かったよ」


 逆になっちゃった。本当は私が野々野君にお姫様抱っこされたかった。だって女の子の夢じゃん。それを私が……女の私がやるとは……ちょっと違うけど、野々野くんを助けられのはよかった。けどいつまでもこんな態勢でいられるわけはない。重力の法則とかが私を落とそうとしてくる。

 だからそうそうと壁から離れて再び歩道橋に戻った。周囲に人はいなかったけど……車の通りは多かった。もしかしたら運転手の人とかは見てたかもしれない。

 でも大丈夫だよね? 運転中はスマホなんて触らないはずだし。そんなことを思ってると――「素晴らしい」――と片目を隠してる彼がいってくる。そして興奮しながら迫ってきた。


「やややや、やっぱり俺っ俺っ――達は! 俺達はうううう、運命なんだ! わかるだ――よね!? 俺達は運命なんだ!」


 その勢いに私は引いてしまったよ。

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