第十話Part5
「この地図の場所、分かったかもしれない」
「え? ほんと? すごい! どうやって?」
野々野君はどうやらこの地図を解読したらしい。すごい、やっぱり男の子はこういう地図とかに強いんだね。私はただのグチャグチャした線にしか見えないよ。というか、普通のちゃんとした地図だって私はよくわかんない。
最近は地図を3D表示にできるから、助かってるけどね。こんな線で表現されてもわかんないのよ! だから3Dで表示されたら、今自分のいる場所と比べることができるから、とても助かるんだよね。あれなら私でもわかる。
だからこれを送ってたきたやつは根本的に間違ってたよね。野々野君が協力してくれなかったら、絶対にたどり着けなかったし。自分のいるところだけでも写真でその建物を示してくれるとかさ……そういうことをしてくれてたら、私だってわかったかもしれない。でもあるのはノートの切れ端のような紙一枚。そんなの私がたどり着けるわけないじゃん。
「まあ、ちょっとAIにね」
「おおー知ってるよそれ。今話題だもんね。AI」
実際それが何なのかはしらない。けど最近よく聞いたりはしてる。あれでしょ? なんか質問したら返してくれるんだよね。そんなAIに聞いたんだ。それでどこか特定したと……こんなテキトーな地図の場所を特定できるとか、AIって私が思ってるよりもすごいらしい。
「とりあえず行こう!」
「うん!」
私たちはAIが示したというこの地図の目的地を目指して歩き出した。実際、この地図、時間とかなんとか……まったくもって書いてないんだよね。いつ私が来るとかさ……わかんないよね? これじゃあ。ずっと今日、この手紙を送った人はこの場所にいるんだろうか?
「まだかなーまだかなー」
とか思ってたり? それを考えるとちょっと間抜けというか? まあ昼間は私は学校があるし、そうそう学校を抜け出してまで……なんてないと考えると放課後から待ってる可能性のほうが高い気がするけどね。
私たちは野々野君を先頭にして歩いてる。時折私たちの隣を車が通りすぎていく。私は野々野君の背中をじっと見つめてた。もうないだろうなって思ってた二人だけの時間。それが訪れてる。何か話したいんだけど、野々野君は結構真剣に目的地に向かってる。周囲をみながら、何かを見落とさないようにしてるっていうか? 私は実際、目的の場所も建物聞いてないから、ただ野々野君についてってるだけだ。
どのくらい歩くのかわかんないが、この時間はそんなに長くは続かないだろうってことはわかる。十分か、それよりもちょっと長いか、それかもっと短いか……だろう。いやもうすでに校門をでて3分は経過してる。あともうそんなにないかもしれない。
だから早く……何か言わないとこの貴重な時間が終わってしまう。もう私にはこの先の目的とか、頭から抜け落ちてた。




