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ある日、超能力に目覚めた件  作者: 上松
第三章 相対性正対論
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第九話Part5

『俺は全部知ってる』


 そんな文字を私はみて止まった。背中につつーと嫌な汗が流れたのがわかった。


「なに……これ?」


 思わずに漏れたそんな声。それに近くにいた友達が反応した。


「え? 何? どしたぁ?」


 そういって私の手元に視線が落ちる。私をそれを交わしてサッと紙を手で隠す。


「ううん、なんでもない。ちょっとゴミがね」

「ええー入ってたの? 嫌がらせじゃん。犯人探す?」

「いいよ、ただ一個飴の袋があっただけ。間違えちゃったんじゃない?」

「そっかぁ、まあそれなら確かに間違ったのかも?」


 女子はいつだってお菓子や飴とか、甘いものを持ち歩いてるものだ。だから私のその言葉はそこまでおかしな事じゃないと納得できたらしい。まあいじめなら一個しかゴミを入れないなんてない。むしろゴミで溢れさせるくらいはするだろう。


「そうそう、気にしないで」


 私はそう言って友達をやり過ごしたけど、内心は結構ひやひやとしてた。だって……この文章は全部知ってる−−と言ってるんだ。それがどういうことか。ただのいたずら? そう捉えることだってできる。でも……私には全然そんな風には思えない。だって私には本当に隠し事があるから。そしてそれはもちろん私の体に発現した力……『超能力』だ。

 もしも今、それを広められたら? そうしたらどうなる? 考えると血の気がひくよ。最近はもう暑さも無くなって肌寒さが優ってきた。夏服は冬服へとなってコートを着出す子もちらほら。けどそんなちょっと寒い? くらいの筈なのに、私の体には寒気が走ってた。


 誰もが簡単に信じるような事じゃないだろう。でも……私には疑念をもたれる事がある。いきなりバスケ部のエースになった。突如、運動能力が飛躍的に伸びた。それは紛れない事実だ。部活の仲間達なら、それを肌感覚でしってるし、私の活躍は校内で結構知ってる人がいる。

 だからもしもそれが「超能力のおかげ」とか言われたら……「そんなバカな」もあると思うけど「そうかもしれない」−−と思う人たちだっているだろうって思えるんだ。


(野々野君に−−)


 真っ先に私はこの事を話せる相手として野々野君が浮かんだ。でも……その手は動く事はできなかった。だって……私たちは……私たちはもう……以前の距離じゃないから。こんな面倒な事、言えないって思った。

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