※目的地に、移動します。
第31話です。
※物語を更新します。
「そんじゃあね、あーくん、鳥羽くん。」
「うん。じゃあね。」
「迷子になるなよ。」
「....それは、あーくんでしょ?」
「ガキ扱いすんな!」
来夢の背が遠のいて行く。
「....ったく。」
蒼にチラッと視線を向けた、康太の頬が緩む。
「....何ニヤついてるんだよ。」
視線が重なる。
「え!?ニヤついてないよ!」
「いや......もう良い。」
蒼が教室の扉に静かに手を付ける。
「ふっ、まぁ、いつも間抜けな顔してるもんな。」
耳たぶに熱が帯びる。
「ひ、ひどい!」
「事実だろう?」
「そ、そんな事無いもん…...」
最後の声が、周囲の喧騒と混ざる。
「入ろうぜ?」
「う、うん。」
前を向く。
――――
「...来ないね。」
廊下側から聞こえる喧騒とは逆に、静寂としている。
「...梓先生、まだかな?」
「....ん。んぅぅ....寝てるな。」
「えぇ!?」
周囲の視線の熱が康太に刺さる。
「....あっ、なんでも無いです。」
康太の強張った肩の力が抜ける。
「....リアクションデカすぎ。」
「ご、ごめん。」
「まぁ、そこも康太の良いところだけどな。」
「えへへ。そう?」
「....やっぱり違ったかも。」
「え?」
ジロっと康太を見る。
「ちょっと、ムカつくわ。」
「え、えぇ?ご、ごめん。」
―――口角が上がる。
「てか、まじで遅刻かもなー。」
「え、流石に梓先生だからと言って、」
「いや、むしろ、梓ねぇだからこそ、だな。」
「そ、そんなに?」
黒板を遠い目で見つめる蒼。
「むしろ普通に約束守れるのが、奇跡。」
事実を述べるだけかのような蒼の声。
「よく生きてこれたね。」
「まぁ、周りに世話焼きが二人いたからな。」
「あぁぁ.... 」
康太は視線を逸らす。
「すまない。遅くなった。すぐにバス移動の方をしてくれ。」
「あ、玲ねぇだ!」
「......あお、如月。学校では伊山先生と言いなさい。」
「えぇぇ…。」
「伊山、先生。わかったな?如月?」
―――目だけが笑ってない。
「....はい。わかりました。」
康太の目線が飛ぶように蒼に向いた。
「うむ。それでは、バス移動の方を初めて行ってくれ。」
クラスの雰囲気が少し騒がしくなる。
「静かに!騒がず速やか移動するように!」
玲の口から息が漏れる。
「....行くか、康太。」
「あ、うん。」
チラッと玲を見る康太。
「鳥羽、おはよう。」
康太の肩がビクッと震える。
「....挨拶をされたら、しっかりと挨拶をしなさい。」
「お、おはようございます。」
「よろしい。」
蒼と康太を交互を見る。
「本当に、如月と仲が良いんだな。」
「あ、はい。」
「まぁな!」
玲の口からまた、息が漏れる。
「何かされたら、私の所に来なさい。」
「おい!何だよその言い方!」
「先生としてではなく、こいつの素行をよく知っている伊山玲として接しよう。」
「問題児みたいな扱いすんな!」
「お前と梓とお前の姉達は十分私から見たら問題児だ。」
「どこがだよ!」
「あははは.......」
康太の笑い声が、廊下の喧騒に溶けていく。
――――
※目的地の移動を、開始します。
読んでいただきありがとうございます。
次回もお楽しみに。
おまたせしました。
※物語が生成されました。




