大通り
「ただいまー」
といっても、まだ太陽はてっぺんを過ぎたあたりだ。
まだまだ街は明るい。
「おう、お帰り!どんなギフトをもらったんだい?」
「あ、ジュリアさん。それが…不適正だったんです。」
「そうか、それは残念だったね。」
ジュリアさんの残念そうな顔に悲しくなってしまった。
「そういえば、ジュリアさんのギフトは何なんですか?」
「私は大剣だったよ。もう売ってしまったけどね。」
「売った!?売っていいものなんですか?」
「ああ。ギフトの一番の特徴は召喚者とともに成長することだが、その次に圧倒的な性能があるんだ。なんでも、この世界には存在しない物質で作られているらしく、召喚者以外が使ったとしても普通に使える道具なんだ。もちろん、召喚者以外が使っても、成長はしないがね。」
「な、なるほど。でも、もったいない気がするけどなぁ。」
「私は実家が代々宿屋で跡を継ぐことは決まっていたし、なかなかいい金額で売れるからね。そうやってギフトを売る人は少なくないよ。」
「たしかに、使わないのなら大剣は置物には不向きですしね。」
「そういうことさ。ところで、健はこれからどうするんだい?ギフト次第では就職の斡旋でもできたんだけどね…」
「今は、とりあえずお金を稼がないとって感じです。もしよければ、ここで雇ってもらうこととかってできませんか?」
「あいにく人は足りてるからここでは雇えないね。そんなにすぐお金を稼ぎたいなら『冒険者』になるのはどうだい?」
「冒険者ですか?でも、俺ギフトないし…」
「ギフトがなくても自分の体次第で戦えるようになるさ。命と隣り合わせの代わりに、ある程度儲かるみたいだよ。」
「そうですね、たしかにわがまま言ってられるような状態じゃありませんし、とりあえず冒険者を目指してみます。」
「それなら、冒険者教会に行きな。そこで冒険者登録や魔力測定ができるはずさ。」
そうだ!ニールさんが言ってた魔力測定のことをすっかり忘れていた。
「わかりました。今から行ってきます!」
「場所はわかるかい?」
「わかりませんが、せっかくなので街を散策しながら探します。」
「いい心がけだ。これを持って行きな。」
ジュリアさんは突然四角いものを投げ渡してきた。
「っと、これはサンドイッチですか?」
「お昼食べてないんだろ?これを食べていくといいさ。」
「ありがとうございます!」
そうして俺はリアンの扉を開けた。
----------------------------------------
「改めて見るとずいぶん人が多いな。」
リアンはおそらく街の一番の通りの突き当りにあり、正面の道は活気であふれている。
両側に所せましに並ぶ店、客を呼び込む人の声、地面が見えないほど行き交う人々。
そのどれもが、ここがこの街で一番であることを物語っていた。
「さて、とりあえず歩いてみるか。」
正面の道を進んでいく。
リンゴ、オレンジ、ぶどうなど食料品店が多く、ところどころにフリーマーケットのようなスペースや、武器・防具が売っている店もある。
しばらく店を見たり、食べ歩きをしていると、正面にとりわけさわがしい場所があった。
人の合間を縫って見に行こうとしても、すぐに押し戻されてしまう。
のぞくのをあきらめて道の端に座っているお年寄りに尋ねてみる。
「どうしてここはこんなに人が集まっているんですか?」
「ここは魔石の換金所での、冒険者なんかが集まっているんじゃ。特に、今日は月に一回のくじの日。魔石を10個換金するごとに一回くじが引けて、大当たりにはギフトもあるもんだからみんなこぞって集まっておるんじゃ。」
「なるほど。ありがとおじいちゃん。」
どうやらギフトが売られたりして市場に出回っているのは間違いないようだ。
俺は人の集まりをよけながら先へ進むことにした。
現在の所持金:銀貨89枚・銅貨70枚




