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第五話「夜更けの、足音」
答えは、思いがけない形で来た。
うとうとしかけた頃、外で、馬の足音がした。
一頭だった。
静かな乗り方だった。
音を殺そうとしている足音だった。
カイルの父は、体を起こした。
窓の隙間から、外を見た。
一人の男が、馬から降りるところだった。
外套を、深く被っていた。
だが、歩き方に、見覚えがあった。
どこかで、何度も見た歩き方だった。
女が、戸口に出た。
声を潜めて、何か言葉を交わしていた。
聞き取れなかった。
ただ、女の声が、昼間とは違う響きをしていることだけは分かった。
男が、外套の頭巾を、少し上げた。
月明かりが、顔を照らした。
カイルの父は、息を止めた。
見たことのある顔だった。
毎日のように、少し離れた場所から見ている顔だった。
玉座に座る顔だった。
王だった。
つづく




