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この花は咲かないが、薬にはなる。  作者: sirosugi
ストラ14歳 ハッサム観光編

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196/199

191 風雲ハッサム城再び 3

 しれっと再開 ハッサム城、最後はお楽しみ回です。

 さて、ここまでくればアスレチックも終わりが見えてくる。というかここからはボーナス回もといチャレンジ企画だったりする。



第六関門「ハッサムで、ポン。」

 登り切った先に待っているジップライン、そこに掴まって滑り降り、終点直前にある足場に飛びおりる。ふかふかクッションな円の中心、あるいは円のふちギリギリに着地できたら高ポイント。

 捕まるのはハンガー型やロープ、お子様向けに足場付きの者も用意してあります。


「し、しまった、行き過ぎたー。」


 高得点を狙うと直前かギリギリで手を離す必要があるが、初見で高得点を狙うとタイミングを狙いすぎてずれる、また、台の上はいい感じに滑りやすくなっているので、着地点から大分ずれる。

 ドボーン。

 まあ、そんなこともならずにマルクスは沼へと落ちていた。なお安全のために落ちそうな場所はそこそこ深めに掘り下げた水堀なので飛び込み台としても人気があります。


「よし、真ん中、って思ったよりすべる。」


 マルクスの自爆を見ていたソフィアちゃんは慎重に真ん中を狙って落ちたが、着地地点からすべて泡って踏ん張りギリギリふちに留まることに成功して、高得点をたたき出せました。

 なお、この着地地点は移動させることで難易度調整をする構想があったが、狙い過ぎて堀からははみ出るチャレンジャーが現れて、危ないので没にしました。

 その代わり、着地台の表面を滑りやすくすることで、過去一の難易度となっています。



第7関門「ストライクバスター」

 九つに仕切られた正方形のプレート、それぞれが独立して固定された板に向かってボールを投げて的を射抜き、成功した枚数に応じて景品がもらえます。なおボールの数はこれまでの関門での成功率に応じた数が支給されます。

 うん、まああれですス〇ラック〇ウトですよ、ス〇ラック〇ウト。

 ちなみに、的までの距離は18.44メートル、この距離は絶対です。


「こんなのサンドロックを石で仕留めるようなものだろう。うりゃ。」


 任せろとばかりにボールを投げるマルクスだが、一球目は枠に当たって的を揺らすしかできなかった。こちら、上級者向けになっているので、一つ一つの的と球のサイズはギリギリとなっています。


「ぐっ。」

「おしいわね、魔物相手ならそれでもいいけど、ボールはほぼ狙い通りに投げないとだめなのよ。」

「なるほど、奥深いな。だが。」


 最初の2球で狙いのずれを修正したあとで、的確に的を射抜いていく。しかし前半の失敗が目立ち支給されたボールが6球であったために、撃ちぬけたのは4枚だけだった。それでも、初見でここまで射抜けたのは相当レベルが高い。


「はい、4枚なので、夕飯に好きなおかずを一品リクエストできる権利を得ました。」

「ほ、本当か、な、ならばカレーライスを頼みたい。」

「ああ、それは、近いうちに造るから別のでもいいよ。あるいはトッピングを許可しましょう。」

「それはうれしい、ゆっくり考えさせてほしい。」


 まあ、そんなことせずとも客人ならそのくらいのサービスはするけどね。村人の場合は、食堂で一食分か、私が帰ったときの宴会メニューのリクエスト権となります。

 

「この絶妙な距離とボールの大きさ、絶妙な難易度ですわ。」


 13球ほど支給されたソフィアちゃんは、制球がなかなか定まらずに同じく4枚となった。

 やっぱり9個分けは難易度が高いなー。一部の柱を抜いて2枚抜きが出来るようにしても、このファンタジーな世界の人達だとすぐに攻略されかねん。

 ちなみ子供向けはこの距離が半分でかつ的を大きくしてあります。

 なお距離をあけることで難易度を上げることは許しません、この競技は18.44メートル。これは譲れない。


 てな感じでアスレチックを一通り楽しんだ時には、全員が全員泥だらけになっていたが、みんながお互いの様子を見てゲラゲラと笑う微笑ましい光景が広がっていた。


「いやいや、獣人ってのはやっぱりすごいなー、あの勢いで走り抜けるのはよかったぞ、兄ちゃん。」

「ははは、これでも王子だからな。怯むわけにはいかんのだ。」

「そりゃいい、男はやっぱり豪快に突っ込んでいかないとなただ、あの壁はもっとな。」

「なるほど、そういうことか。」


 マルクスはドワーフ達を中心に、村のおっさんたちに囲まれて激励されアドバイスされ、バシバシと背中を叩かれながら誇らしげに笑っていた。


「お姉ちゃん、すごい。お嬢みたい。」

「お嬢よりすごいよー。」

「あらあら、そうかしら。」

「モフモフ―。」

「ねーねー握手して、握手。」

「はい。」

「モフモフ―。」


 ソフィアちゃんはちびっ子たちに囲まれ、和やかにお菓子を食べている。今日限定で、子どもたちと女性には私特製のお菓子を振る舞っているので、みんなでワイワイ楽しく食べている。

 やはり共通のイベントを体験すると距離が縮まるもので、王族ということでやや距離を置いていた村人たちも、気づけば、いや割と最初からフレンドリーだったか。むしろマルクス達が慣れたのかもしれない。


「ストラ、これらのアスレチックは素晴らしいな、ぜひともラジーバに、いや王都でも流行ると思うぞ。」

「うーん、それねー、難しんだよねー。」


 一通りもみくちゃにされて戻ってきたマルクスが賞賛してそんな提案をするが、私は首を横に振った。じつはこの提案、メイナ様やガルーダ王子からも提案があった、なんなら後者はお願いだったりもした。

 しかし。


「兄ちゃんよ、悪いはそれは難しいんだわ。」

「が、ガンテツ殿、それは。」

「安全のね確保が難しいんだよー。」

「そうじゃ、作って放置というわけにはいかんからな、この村でも期間限定にしておる。」


 このアスレチック、難易度こそ高いが安全にはかなり気を使っている。土台は掘り返してふかふかにしたり、水を流し込んで沼にしたりして落ちても大丈夫なようにしているし、アスレチック本体はドワーフ達の絶妙なセンスで乱暴に扱っても壊われないようにしてあるし、角やささくれもないようにメンテナンスも行っている。それだけやっても無茶をしてケガをする馬鹿がいるが幸いなところ軽傷ですんでいる。

 それでも一つ一つのアスレチックを再現することは可能かもしれない。しかしその設置と維持にはとんでもないコストがかかるだろう。

 うちの村の場合はあれだ。基礎工事とか物資の運搬とかを精霊さんたちが手伝ってくれるからこそ、仕事の合間に準備して、開催できていたりする。 


「なるほど、ストラの英知とドワーフ達の技術、そして精霊様達の助けがあってこそだからなのか。それは難しいなー。」

「まあ、最後のやつとか、ターザンロープとかは再現できそうだけどねー。」

「たしかに、あれならば、だがボールの再現は難しい。となると的とセットで販売したら売れるのではないか。」

「そりゃいいな。基本的な構造だけ教えて委託してもいい。ボールは型と丸める道具さえ作ってしまえば余所でも作れるからな。権利を売ればもうかるぞ。」

「まーたすぐ商売につなげるんだから。」


 盛り上がるドワーフ達とマルクスに呆れるが、確かに商売にはなりそうと思う。ただこれ以上仕事を増やすのはなー、適当に売りに出すか。


「なら、ラジーバで買う?」

「ぜひ頼む。」


 うん、ちょうどいいのが目の前にいたわ。


「ちなみにボールの大きさは22.6センチメートルか72ミリメートル、距離は18.44メートル。これは絶対ヨ。」

「う、うむ。わかった。しかしなぜ?」

「それが理想的な数値だからよ。子どもから大人まで分け隔てなく楽しめる。これは絶対に譲れないからねー。」

「わ、わかった。」


 怪訝な顔をされるが、ここは譲れない。この世界には長さなどの尺度はあるどボールの大きさには明確な基準はなく職人の匙加減となっている。なればこのタイミングでこの数値を正規のものとするチャンスである。

 それに、これらの数字は長い歴史の中で選手がもっともポテンシャルを発揮できるサイズとしての実績がある。


「ともかく、好きに広めていいけど、この数値は絶対守ってね。」

「わ、わかった。ストラが言うのならそうしよう。」


 細かい説明は面倒なのでしない。だが、いずれは、バットも作ってこの世界で野球を広めたい。そのためにも、この数値は絶対に譲れない。

 


ドワーフ「掘り返した穴は後日、責任をもって埋めて畑に再利用します。」

リットン「休耕地とは一体・・・。」

 なんだかんだ、おふざけ回でした。

新作の準備とプロトの調整のために数日投稿をお休みします。 再開は4月27日頃を予定しています。


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