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十六話「 夜間校内散策その② 」

夕焼け空が広がり、町はオレンジ色に包まれた。

部活終了の最終チャイムが鳴り、生徒達は帰宅を始める。

夕日は地平線の向こうへとゆっくり沈み、空は徐々に薄暗くなっていく。本来なら俺は今家にいるんだろうが。

現在俺達は学校の校門の外にいる。放課後の部室棟で重松の話を聞いた後、適当に時間を潰し、最終チャイムと同時に他の部活生徒に紛れて校門まで下校しているフリをした。

辺りは暗くなり、職員室の窓から見える明かりも無くなった。それを合図にするように重松は口を開けたのだ。


「さぁ、そろそろ始めるわよ!。第一回、夜間校内散策ー!。」


後ろにいるコイツのせいでとんでもない事に巻き込まれた。なんでこんな肝試しに参加せにゃならんのだ。


「つべこべ言わずに付いてきなさい。これはアンタのためでもあるのよ?。」


俺に起きた現象が幽霊の仕業だって言うのはお前の推論だろ。俺のためって言うのはただの口実にしか思えんがな。


「ってかこんな状態じゃどこの教室もシャッターも開かないだろ。」


俺が言ってる事は正しいと思う。見張り当番の教師が廊下のシャッターや教室の戸締りを確認するんだ。どこにも入れる隙間はない。


「甘いわね。あたしがそんな事も考えてなかったと思う?。」


そうすると重松の視線が俺から成瀬先輩へと向けられた。まさか…。


「こちらにも多少の細工はさせてもらったで御座る。すべての教室、廊下口は現在開口していると思われるで御座る。」


腕を組みながら校舎を眺める成瀬先輩には夜空がよく似合う。って違う違う、どんな事したらそんな裏技できるんだよ。学校の校門は普通に開けられ、俺達六人は中に入る。いつも通っている学校なのに、夜になるとその静けさのせいか雰囲気がまるで別物だ。


「あの、小佐鬼先輩はこういうの平気な人ですか?。」


「どうだろうね、竹刀で倒せれるものなら幽霊だって倒してみせるよ。」


この人も中々凄い発言をする。このままいったら神でも倒せるとか言い出しそうだ。


「朝比奈はどうだ?。こういうの。」


「別に俺は平気だと思う。ガキの頃よくこんな事して遊んでたし。」


特に顔色も変えることもなく平然と答える。俺がそんな質問をしていたせいか、二人が俺の方をジっと見てくる。そして口を揃えて言うのだ。


「「もしかして怖いのか?。」」


「そ、そそんなわけないでしょう!。肝試しくらい怖がりませんよ。」


本心、俺は怖かった。昔からホラー系は苦手で、学校作品にはトラウマしか残ってない。それもこれもすべてあの姉が原因だ。


「ちょっとそこの男子三人、勝手にしゃべらない!。今からルールを説明するからちゃんと聞きなさいよ?。」


重松…お前は全然怖くなさそうだな。まぁ怖かったらこんな企画言いだすわけないか。でももう少し怖がってくれた方が女の子っぽくていいんだがな。


ほら見ろ、咲野さんなんて青ざめた顔で今にでも失神しそうじゃないか。


成瀬先輩は…なんかもうそう言う(たぐい)に含まれてないような気もする。さっきから遠く見てますけど何か見えてるんですか?。

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