表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/13

線香


主人(あるじ)なく

香炉を満たす

青雲の

灰から煙る

夏の残り香



父方の祖母の三回忌が過ぎ、七回忌の方が近くなってしばらく経った。

祖父の方はしばらく前に亡くなっているので、父の実家にはいま、誰も住んでいない。

それでも父と叔父が交代で掃除しに行ったり、盆や命日には親戚が集まったりもするので、しっかり管理はされている。


久しぶりに父の実家を訪れた。

庭の木が色づき始めており、遠くからも綺麗に見えた。

玄関の引き戸を開けると、小さい頃はあれだけ強く香った仏壇の線香の匂いが、全くと言っていいほど感じられなかった。

これはきっと匂いに慣れたからとか歳をとったからとか、鼻を悪くしたからとか、そういうことではないだろう。


仏壇に手を合わせ目を瞑る私を、香炉の灰の、煙たいような残り香が包み込んだ。

歳を食ってシワが取れることもあるのだな、と、手を合わせながらクスリと笑ってしまった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ