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18話 本格的な冒険者

 ソフィアにアップルパイを阻害されたノアは、冒険者ギルドにいた。今までいなかった冒険者たちが、今日は多く集められているようだった。


「これから、皆には"マージゴブリン"の討伐に出てもらいたい。」


 ギルドマスターのガキンが、受付の上に立って話している。


「マージゴブリンは、200〜300体ほどの群れ。魔法を使うため、スピードを重視したい!君たちは全員ランクB〜Aの強者共だ!期待している!」


 話し終わったガキンが受付から降りる時、ノアと目が合った。


ダダダダッ


「おい!なんでここにいるんだ!集めていたのは剣聖ばかりだというのに!」


 ガキンがノアとソフィアに勢いよく向かって来た。ソフィアは冷静に言う。


「後方でゴブリンの足止めをする魔法使いが必要です。それができる、ランクAの冒険者または魔法使いは現在のフルートに、ノアさんしかいません。」

「だから!スピード重視の強者を集めたんだ!」

「スピード重視でも、足止めがあった方がいいです。無くて困るよりマシですよ。」


 ソフィアに言いくるめられて、ガキンは"ソフィアも同行する"という条件の下、仕方なく了承した。


「足引っ張ったら、ギルド追放だ!わかったな?」

「はい…」


 フンッというようにガキンは振り向く。


「では、これから群れの近くに案内する!すまないが、"バクロウ"さん。この新米のランクAをチームに入れてもらえないか?」


 ガキンは、全体に声をかけた後、少し遠い場所にいる"バクロウ"と呼ばれる男に声をかけた。


「なんだ?お守りは嫌だぞ?」

「ランクAだが、実力はまだわからん。手とり足とり教えてやってくれ。ソフィアも行くらしいからな。」

「ソフィアさんも行くのか!頼もしい!うちは、スピードがあっても、足がすくわれたら崩れちまう。ソフィアさんがいれば問題ない!」


 ガキンはノアを睨んで外に出て、冒険者たちを案内し始める。


「お前たち、揃ったな。行くぞ!」


 冒険者たちがぞろぞろと森に向かって歩き始める。


「ノアって言ったか?俺は"バクロウ・バカンク"だ。俺のパーティは前衛が俺と"シャクロ"。支援で"イリア"がいる。支援って言っても、治癒士だ。」

「わ、私はノア・フェレアです。魔法使いで、冒険者になってまだ1ヶ月も経ってません…ご、ご迷惑おかけしないよう、頑張りますっ」

「おう。頼んだぜ?」


 バクロウはノアの参加に対して、あまり否定的ではないようだった。


「ノアさん、私はあくまで一緒に行く程度。戦うのはノアさんだけです。いいですね?」

「ソフィアさん…パーティで依頼を受けるの、とても怖いです。」


「はぁ。ノアさんの良いところ、教えますね。」

「へ?」

「ノアさんは、人に合わせられます。周りが見えているんです。」

「あ…ありがとうございます…」


 ノアは困惑した。


「私は、仕事と思えば何でもできるんです。魔法使いの役割は何だと思いますか。」

「はい…後方での支援ですね。」

(仕事…魔法使いは後方で、全体を知る必要がある…)


 ノアは、少し間を開けて言う。


「マージゴブリンの弱点は知能の低さですよね?」

「合っています。戦いに工夫が感じられないような感覚です。できるのであれば、ノアさん自身が討伐していただいてもいいんですよ。」

(私と同じタイプですね…)


「そ…それは、他の冒険者の方々に喧嘩を売る事なのでは?」

「大丈夫です。圧倒的な力を見せられて、喧嘩を買うバカはいません。」


(喧嘩売る行為なのは、否定しないんだ…)

 ノアは、ソフィアの励ましで少しだけ緊張がほぐれた。


「着いたぞ!あそこにあるのが集落だ。」


 ガキンは、ゴブリンの巣が多くある場所を指さす。


「ここからは、さっき伝えた作戦でいく。調査によると、ここから見て右側が熟練のマージゴブリンの住処だ。A班は右側、B班は左側を頼む。作戦開始!」


 ノアのいるバクロウはB班で、比較的楽だが数が多くて面倒だ。

 バクロウたちの後を追って、体制をとる。


「俺らが突っ込むから、ノアは逃げようとするゴブリンの足止めを頼むぜ。」

「わかりました。お2人が間に合いそうになかったら、討伐しておきます。」

「おう。」


 役割を確認し、ガキンの合図を待つ。

 ガキンが手を上げた。

(合図だ…!)


 合図した途端、冒険者たちが一斉に集落へと突入していく。

 ほとんどのゴブリンたちは驚いて逃げようと慌てているが、冒険者たちのスピードの方が速い。


(私のお仕事ないな〜よかった)

 ノアは、変に動いて迷惑をかけたりしなくてよかったとほっとする。

 すると、ゴブリンの家から大きなゴブリンが出てきた。右側にいるはずの熟練のマージゴブリンだった。

 ノアは驚いて目を見開く。


「皆さん!頭下げてください!!」


 ノアは大声で伝える。それと同時に、マージゴブリンが火魔法を放つ。放たれた火魔法は、1km離れた川までの木々を全て焼き払った。

 冒険者たちはなんとか避けたが、恐怖で足がすくんでいる者がほとんどだった。


「皆さん!次が来ます!立ち上がって避けてください!」


 ノアは与えられた役割を全うしようと、大声で伝えるがバクロウのパーティ以外の冒険者は、動けない。

(早くどいて!魔法が放てない…!)


どいてもらわないと、ノアの魔法が当たってしまう。威力的には、マージゴブリンよりも大きいため、人間なんか簡単に死んでしまう。


「あ、あんな化け物がいるなんて聞いてねぇ!」

「たかがマージゴブリンが、なんであんな威力を出せんのよ!」

「俺はまだ死にたくない!」


 文句ばかり言う冒険者たちを見ていたソフィアが、静かに口を開く。


「皆さんはノアさんの言葉を聞いた方がいいですよ。死にたくないのなら…ですが。」


 その言葉を聞いて、冒険者たちは走っていく。

 ノアは杖を振る。


ヒュン──ヒュンッービュンッ


冒険者一同(指揮者みたい…)

 冒険者たちは、ノアが杖を振る姿に見惚れている。

 ノアの前にとても大きな水の矢が現れる。それと同時に、それぞれのゴブリンの周りで水蒸気爆発が起きた。この攻撃で、ほとんどのゴブリンが討伐できた。


冒険者一同(輝いている…天使?)

 水蒸気爆発で飛んでいる水滴に反射した太陽光が、ノアを神秘的に輝かせた。

 反対にマージゴブリンは水の塊に飲み込まれて、苦しそうだ。


ぎゃぁぁ!グボボッ!


 熟練のマージゴブリンは魔力量が多いため、核が硬い。多くの攻撃、もしくは大きな攻撃を与えなければ、倒れることはない。


(ゴブリンの弱点は、核のある脳天…!!)

ビュンッ!


 ノアは、矢をマージゴブリンの脳天を狙って放つ。


ぎゃっ!……


 矢は脳天に突き刺さり、マージゴブリンの叫びが消えた。

 ノアは安堵したが、A班の方から叫び声が聞こえた。ノアは、走って向かう。


「た…助けてくれ!」

「やめろ!化け物!」


 A班側には、マージゴブリンが3体。先程のマージゴブリンよりはふたまわりほど小さい。

 ノアは杖を振り、瞬殺した。周りにいたA班の冒険者たちがザワザワと話し出す。


「え…一瞬?俺ら、めちゃくちゃ頑張ったんだぞ?」

「あの子が全部討伐したのか…」

「強すぎ…」


 ノアは、3体のマージゴブリンの核が破壊できていることを確認して、ソフィアのいる場所に戻る。


「あそこにいるゴブリンも、お願いします。あっちに逃げましたよ。」


 戻ると、ソフィアは冒険者たちに残りのゴブリンを討伐する指示を出していた。


「走っていってしまって、すみません…」

「大丈夫ですよ。むしろ、いい判断でした。あのままでは、A班は全滅。被害が最小限に済んだのは、ノアさんが頑張ったからです。」

「役に立てたってことですか…?」

「もちろん。大活躍でした…!」


 ソフィアは、ノアの活躍を自分事のように誇った。


「よかったです…!」


 話していると、残りのゴブリンを全て討伐し終えた冒険者たちが、ノアの方に向かってくる。

 冒険者たちは、目がキマっていた。

(え…何かした?あ!やっぱり全部倒すのはダメだったんだ…!!!)


 ノアは、命の危険を感じて頭を下げる。


「ごめんなさい!!皆さんを救いたい一心で、全部倒しちゃったんです!そ、素材は全て、皆さんで分けてもらって大丈夫ですので!命だけは!!」

冒険者一同「……」


 ノアは、恐る恐る頭を上げる。


「み、皆さん…?」

「何言ってんだよ?俺らの命の恩人様だぜ?逆に感謝だわ!ありがとよ。」

「そうよ!あたしたち、あんな熟練マージゴブリンとなんて、戦闘経験がないわ。あたしたちだけなら、死んでたもの。ありがとう!」

「ていうか、無詠唱だったよね?」


 冒険者たちが、次々とノアに感謝を伝えていく。全員が言い終わった後、冒険者たちはガキンを睨む。


「な、なんだ??」

「"なんだ?"じゃねぇよ!あんたが"簡単な討伐だから大丈夫〜"って言ったんだろ?俺らの実力に合わない依頼を寄越しやがって!」

「そうだ!実力に合わない依頼は、リスクが大きいってギルドマスターなら、知ってんだろ!俺らを殺す気か!」


 ギルドマスターであり、この依頼の依頼主であるガキンは、冒険者たちからの批判で潰されそうだった。

 そんなガキンの肩を、ソフィアがポンと手を添えた。


「まぁまぁ、皆さん。ガキンさんも忙しいので、間違えてしまうこともありますよ。ねぇ?」

「そ、ソフィアさん…!」


 ガキンは、ソフィアを救世主だと思う。


「皆さんの怒りは、治まりませんよね?」

「当たり前だ!」

「では、皆さんはどうすれば気が済みますか?」

「……」


 ソフィアが即答した。


「あー!でも、先にやることがありますよねー。ノアさんに感謝とか。」

「なっ?!」


 ソフィアのあからさまな棒読みを聞いた冒険者たちは、意図を察したように続ける。


「そーだー!俺たちの命の恩人だもんなー?みんなー!」

一同「そーだー!そーだー!」


 実は、今朝のガキンとノアのやり取りを、冒険者たちはよく思っていなかった。その地域のギルドマスターに従わないと、活動しにくくなるため、合わせるしかなかったからだ。


「くっ…ノアさん、この度のマージゴブリン討伐に尽力してくださり、ありがとうございます…」


 ガキンは渋々、ノアに感謝を伝える。


「こ、こちらこそ、いい経験をさせていただきました。や、役に立てたようで良かったです。あ、できれば、本屋とかあったりしませんか?魔法書を見たいんです。」


冒険者一同(この子、魔法の方が大事なんだ…)


 その後、素材を回収したノアたちはフルートに戻った。"死者0名だったマージゴブリン討伐"は、他の街のギルドでも話題となった。

 ノアは、ギルド内の評判がとても良くなり、次々に依頼が舞い込んだ。


「な、なんで冒険者の皆さんが、良い評価をつけるんですか!」

「どこかの命の恩人が、マージゴブリンの素材を謝礼として、受け取ってくれないからな〜!仕方ねぇ!はは!」


 ノアはバクロウを問い詰めるが、ヘラヘラしていた。


「そ、それはすみません……」

(これじゃ、のんびり魔法書を探しに行けないぃぃ!)



 1ヶ月後、ノアは久しぶりにマリアの家に行くと、ソフィアがいた。


「ソフィアさんだ!お疲れ様です。アップルパイを食べに来たんですか?」

「はい。ですが、それだけではないんです。」

「?」


 ソフィアは、カバンの中から一通の手紙を出し、ノアに手渡した。


「これは、何ですか?」

「冒険者ギルド総括マスターである、レイ様からノアさん宛の手紙です。中を確認して、見せない方がいいとも思いましたが、どうしても自分の言葉で伝えると言っていまして…」

「な、なるほど…」


 ノアは、以前見せてもらった手紙の内容を思い出す。


"早くノアちゃんに会いたいよー!"


 会ったことはないが、ノアの中でレイという人物は危険だという認識だった。


「拝見します…」

「…どうぞ。」


―愛しのノアちゃんへ

初めましてだよね?僕は初めましてって感じがしないけど♡まだ君に会えていないのが悔しくてたまらない!!

ま、もうそろそろ暇になる予定だから、その時はたくさん話そうね♡―


「うっ…」


 読み始めてすぐに、ノアは恐怖を感じた。


「わかります…こんな感じですが、本当にいい人なんですよ…多分…」


 ソフィアは、フォローにならないフォローをする。

 ノアは嫌々、読み進める。


僕が忙しかったのは、特別依頼の準備だったからなんだ。

これが本題。

ランクAの冒険者である君に、信教国の"セラシア国"で行われる魔王討伐に参加してもらいたい。

信教国は、行ったことないでしょ?礼儀とか色々めんどくさいから、僕も嫌いなんだけど仕方ないよね〜。ー


「特別依頼がセラシア国で、あるんですね。」

「はい。セラシア国の戦況は、常に酷いです。重点的に狙われていますので。」

「なるほど…」


 ノアは、終わったと思った手紙がもう1枚あることに気づく。


あ!!僕も行くから、安心してよね!

やっとノアちゃんに会える〜♡嬉しいよ!

僕はランクSS!君をしっかり守ってあげる!

なんの報告もないけど、ノアちゃんは怪我とか病気とかしてないよね?大丈夫だよね?

会った時、傷がついているようなら、僕は怒っちゃうぞ?

ソフィアと仲良くなれてたらいいけど、僕以上に仲良くなったらダメだよ?

ノアちゃんが魅力的なのはわかるけど、僕のなんだから!!


話し続けてたら止まらなくなっちゃう!

討伐は、この手紙が届いてから2週間後。すぐにでもセラシア国に来て、部隊に加わってほしい。

じゃ、セラシア国で!


P.S.ルカによろしく!

 君のファンレイよりー


「…」


 ノアは、なんともいえない表情をした。


「わかります…こんな感じですが、冒険者ギルド総括マスターです…ちなみに、これはすぐに来いという命令文です。明日にでもここを出ましょう…」


 ソフィアは、"すぐにでもセラシア国に来て、部隊に加わってほしい。"の部分を指しながら言う。


「わかりました…」


 マリアが、ノアとソフィアにアップルパイを出す。


「「ありがとうございます…」」


 パクリと1口。


「おいしいですぅ」


 ノアは涙を流しながら食べる。


「どうしたんだい?何か嫌な目にでもあったのかい?」

「いえ…このフルートの街を離れることになりそうです。」

「本当かい?あたしは、まだ2人に恩を返しきれてないよ!」

「いえ。このアップルパイが食べれるだけで幸せですぅ」


 ノアとソフィアが食べ終わり、マリアに手紙を見せる。


「…き、きっと、ノアちゃんが大好きすぎるだけなんだよ…」


 苦し紛れに、とてもオブラートに包まれたマリアの言葉は、逆に不安感が増した。


「こういう経緯なので、セラシア国に行きます。一応ランクAなので、嫌でも強制参加です。」

「……寂しくなる。だけど、しっかりやっておいで!あたしは、応援するよ!あんたの復讐を!」

「はい!…あれ?」

「どうしたんだい?」


 ノアは引っかかった。なぜ、何も話していないマリアがノアの復讐を知っているのか…?


「マリアさん…復讐の話、なぜ知っているんですか?」

「あ…えっと…追加依頼の時、2人が話しているのを聞いてしまったんだよ…ごめんね…」

「びっくりしましたよ!偽物なのかと…」

「あはは!そんな訳ないだろう?あたしは、ノアちゃんにしっかり帰ってきてもらいたいのさ。気をつけるんだよ。」

「…はい!」


 マリアに別れを言い、街で出発の準備をする。

 フルートからセラシア国までは、最低1週間かかる。食料の準備や馬車の準備、冒険者ギルドとお世話になった人たちへの感謝を伝えに行くなど。


「馬車があって良かったですね。」

「はい。食料も用意できましたし、挨拶に行きましょうか。」


 冒険者ギルドに行くと、ガキンが偉そうな立ち振る舞いをしていた。


「お久しぶりです。チョキライさん。」


 ノアは、嫌いな人を親しくは呼ばない。

 それに気づかないガキンは、ギルド内で裸の王様だった。


「来たか。お前はフルートを離れるんだろう?早く行ってしまえ。」

「皆さん、お世話になりました。」


 ノアは、ガキンに背を向けて冒険者たちに礼を言う。


「そうだろう?私たちに感謝しなきゃいけないのは、君…って!なぜ私以外にしか感謝しない!!」


ワイワイ♪

「こっちこそありがとな!」

「命の恩人だもの!頑張ってね!」

ワイワイ♪


 無視されたガキンは、怒って詠唱をした。


「クソッ!"ファイアースラッシュ"!」


 火の斬撃がノアの方向へ飛んでいく。周りにいる冒険者たちも巻き込んで、ノアに傷を与えようとする。


「あれ、火?!」

「何してんだよ!」

「当たったら死ぬ!!」

「逃げろー!!」


 ノアは杖を一振りする。


シュン…


 火が消えた。


一同「……は?」

「やっと使えるようになりました!」


 ノアは、何事も無かったように、むしろ喜んでいる。


「よくできましたね。流石です…!」


 ソフィアがノアを褒める。それを見た冒険者たちは驚いた。


一同「は?」

(今、殺されかけてたよね…?)


「いやいや、ソフィアさん。今、ノアは殺されかけたんだぞ?もっと心配を…」


 バクロウは心配するが、ノアは目を輝かせて遮った。


「ガキンさんは、殺すなんてことしませんよぉ!そぉんなことよりぃ、魔法を強制で止める魔法"クリア"が成功しました!この1ヶ月、すごい頑張ったんです!!」

「お、おぉ…すげぇな…おい、どのぐらいすごいんだ?」


 ガキンは魔法の知識がないため、他の魔法使いの冒険者に聞く。


「クリアは、現在の魔法使いで使える人は2人ほど!それを使えるなんて、私たち魔法使いの頂点に君臨できる可能性があるんですよ!」


 魔法使いの冒険者たちは、興奮気味だった。


「なんか、俺らよりすげぇな。って…ガキンの行為を見逃すことはできんぞ?」

「ガキンさんは、出発前の私が"クリア"を成功できるように、試練を与えてくれたんですよねー?」


 ノアは、わざと助けるような言葉をガキンに投げかけた。フルートで培った、生きる術の1つだ。


「うん…?そ、そうだ!俺はお前の成長をだな…」


バンッ!!

 ギルドのドアが、勢いよく開かれた。


「ノアちゃーん!成功したって?おめでとう!」

「おめでとう!」

「良かったね〜!」


 ぞろぞろと街の人々が入ってきて、ノアに言葉をかける。

 街の人々は、ノアに依頼をして助けてもらう代わりに、魔法のことや冒険者のマナー、めんどくさい人の対応の仕方などを教えていた。


「皆さんのおかげです!私、これでティーチャー・クローネに礼を言えます。本当に、ありがとうございました…!」


 ガキンは、街の人たちに踏まれて床に倒れたままだった。


「この馬鹿は、私たちでお片付けしておくからね〜。」

「ありがとうございます!」



 フルートの術1

 "めんどくさいやつは、お片付け(締める)ておけ"



 ノアは、街の人々にセラシア国に行くことを伝えて、ギルドを出た。


「皆さん、優しく送り出してくれて良かったですね。」

「はい!私のこと、応援してくれるって言ってくれました。とても心強いです!」

「そうですね。最後に、ルカさんに会いに行きましょう。」

「…はい。」

(綺麗にした家が、汚くなってたらどうしよう…)

最後まで読んでいただきありがとうございます

22時に出すのは、やめますね

19話、お楽しみに

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