P.4-5 やっと任務、そして成功
頑張ってます。
評価してくれるとありがたいです。
10月26日
まだまだ続く
暗がりを手探りで進む。
暗がりに鬼を繋ぐがごとく、かなり気味が悪いという意味のことわざ。
今まさに、その状況。かなりビビってる。
しかし、俺よりビビってる奴が、隣にいる。
エレナだ。
先ほど倒した相手もとい、王国軍の人間がなぜいるのか、それは、少し前に遡る。
*
俺は、王国軍の副団長だか何だかを倒して、見事ツインヘッドドラゴンへの挑戦権を手にいれたのだが……
「いえ、ダメですね」
さっきからこの状況なのが、エレナ=リアドレンだ。
俺が倒してやった、エルドラド王国軍副団長の女性。
歳は知らんが、多分同い年ぐらいだろう。
「は? なんで? 1人でいいだろ?」
何を揉めているかというと、ツインヘッドドラゴンの巣に俺が1人で入るか入らないかということで揉めている。
「いいえ、ダメです」
ダメの一点張りで、スキがない。
「なんで? 理由言ってみろよ」
すると、エレナは顔を紅くし、モジモジし始めた。
俺がラブコメの鈍感主人公なら、こんなことは言わないだろうが、生憎、俺は、そうじゃない。
「俺に惚れて着いてきたいの?」
ラブコメ主人公は、察しが悪すぎる。
まぁ、物語を面白くするには、仕方ないんだろうがな。
俺はラブコメラノベ作家じゃない。普通のラノベ作家だ。
察しがよくてなんぼ。
「え、えぇー! そんなことないんだけど……」
うーん、満更でもなさそうなんだけど……。
「じゃあ、何なんだよ?」
理由はない、とか言ったら、ぶん殴ります。
「討伐をこの目で確認しなければ、ならないからです」
「は? なんで?」
「討伐は元々、我々が受けた任務ですので、それを確認しない限り、討伐とは言えないからです」
ん~まぁ、理にかなっているっちゃあ、かなってるな。
しかしまぁ、頭が固いこと。
「あ~わかった。わかったから」
「でも、俺のスキル、たくさんの人に見られたくないから……あんた1人な」
俺は、ツインヘッドドラゴンの討伐に、絶対神の神髄を使うつもりだ。
あれを、大勢の人に見られるのは……ヤバい気がする。
まだ一回も発動させてないけど、説明には、最大威力って、書いてあったかんな~。
*
そして、今に至る。
俺とエレナは、暗がりを進む。
しかし、進むにつれ、暗闇が深くなっていく。
正直、めっちゃ怖ぇ。
俺、ホラーは苦手なんだよ~。
そんなとき、俺の服の袖を誰かが引っ張った……
「わァァァァー!」
遂に声を出してしまう。
って、袖を引っ張ったの、エレナじゃねぇか。
驚き損したわ。
驚き損って、なんだよ……。
「な、なんだ!? いきなり大声出して。……もしかして、怖いの?」
ギクッ!
「そういうお前こそ、足、ガクガクしてるぞ?」
今度は、相手が“ギクッ!”の番だ。
「ここ、これは、武者震い、と言う奴だ。気にするな」
強がりやがって……。
「何が武者震いだよ……」
「おい、自分がビビっていることを棚に上げるつもりだな!?」
ギャーギャー、俺らは、騒ぎながら奥へと進む。
そして……
「スゲェ……」
「凄いな……」
洞窟の奥深くに広がっていたのが、鍾乳洞だ。
いや、これは鍾乳洞とは言わないのかもしれない。
青、紫、緑、乳白色、さまざまな色の鍾乳石、いや、水晶が壁一面を埋め尽くしていた。
そんな絶景に感動している俺たちに、水を差す者がいた。
「グルル……」
「「!」」
よく見れば、洞窟はまだ続いていた。
そこからなにやら唸り声が……。
「や、やっと現れたみたいだな……ツインヘッド……」
「あ、あぁ、そうみたいだ……」
洞窟の奥から、重く深い足音が近づいてくる。
「手、出すなよ?」
「わかっている」
そして、洞窟から、二つの頭が現れた。
「うおっ、マジでツインヘッドだ」
「名前になるくらいだから当たり前だ!」
ちょっと感動。
異世界初のモンスター。
しかもデケェ。
かっこよさは……ビミョーだな。
「ガアァァァァァー!」
咆哮。
耳がギンギン痛む。
一瞬、動きが停止。
モン○ンですね。
「いきなり咆哮とか! 礼儀ってもんがなってねぇなぁ、オイ!」
「ドラゴンに説教してどうする!!」
たくっ、鼓膜破く気かよ。
しかしまぁ、エレナ、うるせぇ。
「さて、ツインヘッドドラゴン、倒してくれ。1人でいけるんだろ? もし無理なら、手伝ってやらんこともないぞ?」
「別にいいよ。あんたが参戦しても、俺の邪魔になるだけだし」
「ウザッ」
事実言ったまでなんですけど~。
「それより、コイツの弱点属性とかある?」
弱点属性さえ分かれば、俺の敵じゃない。
「確か……報告書には、火属性が苦手、と書いてあったと思う」
「りょーかい」
さて、スキルの出番だ。
「絶対神の神髄! 火!」
その瞬間、俺の身体は、蒼く光り始めた。
そして、紅く光ると、俺の頭にスペリングの文と発動合図が浮かぶ。
しかし、絶対神の神髄には、スペリング文は必要ない。
必要なのは、合図だけだ。
『インフェルノ・フレア!』
厨二くせぇェェェ。
しかし、唱えたことは唱えた。
ツインヘッドドラゴンの真下に、大きな魔法陣が浮かぶ。
そこから、黒く染まった炎が噴き出した。
厨二病っぽく言うなら、『漆黒に身を染めた獄炎が召喚された』とかかな?
もと良いのがあれば、教えて。
黒き炎は、ツインヘッドドラゴンに接触、引火。
「グオォォォ」
黒き炎は、ドラゴンの体表を焼き焦がし、侵食。
この炎は、消えることのない炎。
NA○UTOの天照みたいな能力。つーかまんま。
パクったわけじゃない。
そのまま、ツインヘッドドラゴンは灰とかし、ドロップ品を残して消えていった。
「ほら、すぐに片付いただろ?」
目の前の光景が信じられないのか、口を開けて、突っ立ってる。
擬音を付けるなら、『ポカーン……』って感じ。
悲しいほどのアホ面www
「口開けてっと、ハエが入るぞ~」
その言葉にエレナの意識は、現実に戻ってきたようだ。
擬音を付けるなら、『ハッ!』
そして俺は、ツインヘッドドラゴンのドロップ品、«双竜剣 エルヒュドラ»を手に取る。
柄は黒く、竜の鱗のようなものが描かれている。
刀身は現在借りているものと同等の大きさ。
しかし、その刀身は、大きく湾曲している。
いわゆる片刃というやつだ。
刀身の色は、メインが黒、刃の部分(斬れる部分)は紅く染まっている。
カラーはいいな。紅と黒。カッコいい。
服の裾をエレナが引っ張ってきた。
剣に夢中で忘れてた。
「ねぇ、今の魔法、何なの? あの黒い炎」
「さあね」
「ちょ、ちょっと待ってよ~」
エレナの質問には答えるつもりがない。
もぉ~とか言いながら、追いついてきたエレナは相変わらずギャーギャーうるさい。
だけど、少しだけ、こんな雰囲気もいいな、そう思う俺だった。
よし、任務終了。
……早く帰って寝たい。
明日も更新します。
いや、わからない。




