変化
「これから、如何どうする?」
篠滝は僕に言った。僕は彼女を見つめる。
「如何、というのは?」
「このままで良いのかって」
その質問、または疑問文があまりにも馬鹿馬鹿しかったので、僕は一瞬押し黙った。
「このままじゃいけない?」
「このままだとずっとこのままだよ?変われないよ?」
このままとは、なんだろう。
このまま?
ずっと?
このまま?
変われない?
彼女は僕を見る。
変わる?
変わる、
変わる。
何から、何へ?
彼女は僕を見る。
飛んで、
殺して、
歯を磨き、
顔を洗い、
物を食べ、
寝て、
変わる?
生きる
変われない?
変わらない?
このままじゃいけない?
何が、このまま?
彼女は僕を見る。
僕は彼女を見る。
今日の彼女は感情の起伏が激しい。
「それが?」
僕は冷たくそう言い放つ。
このまま?
国が滅びても?
星が壊れても?
それは、このまま?
それまで、このまま?
彼女はこちらを睨む。
最終的に落ち着くところは、既に決まっている。
「これから?」
僕は彼女に続けて言い放つ。
「最後にどうなるかは、もうわかってる」
「どうなる?」
「死ぬ」
沈黙が僕らを包む。
当たり前だろう。
どっちが?
沈黙か、死ぬことか。
「もっと言おうか?機関銃弾を撃ち込まれて被撃墜」
それは、僕らしくない言葉だった。
僕らしいってなんだ?
僕らしくなければ、僕は変わったことになるのか?
まったく、馬鹿馬鹿しい。
アヒルのプラスティック人形みたいに、滑稽だ。
僕は黙った。
彼女も黙った。
これは、夢だろうか。
「夢かもしれない」
彼女が呟いた。
その言葉は、
果たして、
本当に、
現うつつ?
暗い部屋。
暗い空気。
彼女の肌だけが、白い。




