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夢
眠っていると、足音が聞こえた。
此処は何処だろう。
手を動かすと、ざらざらした冷たい触感。石か、それに近いものだろう。
同時に、手のひらに違和感を感じた。
僕が横たわっていることが分かった。
右手に何かを握っている。
目を開ける。暗くて、割と乾いている。
左手をついて起き上がる。右手に持っているものを見た。
それは、ナイフだった。
此処は何処だろう。
小さいナイフ。
石作りの小部屋。
息を吐く。
立ち上がった。僅かに立ち眩んだ。
暗い。
そのナイフには、見覚えがあった。
その小部屋には、見覚えがあった。
「見たことがあるでしょう?」
振り返った。そこにいたのは、黒髪の少女だった。
こちらを見つめている。
彼女も立ち上がった。
瞳がこちらを捉えた。
また、ナイフを見た。
「見たのは、夢?それとも━━」
それとも、現実?
それは、現実?
どちらが、現実?
僕か、
氷川 優緋か。
僕の名前は?
目の前の、彼女の名前は?
どちらかが、夢。
どちらかが、現。
「生きていたいと、思える?」
耳に届く音響
それは、夢だった。
現実だったのかもしれない。




