アラート
「アラートだ。とっとと行け」
「・・・・・・了解」
司令の言葉でアラート待機につく事になった。ドアを出て付き当たりの台に構内電話がある。受話器を取って番号を押す。
「・・・・・・シノタキか?」
「はい」
「アラートだ。三十分後」
「了解」
受話器を戻す。受話器というものは必ず一定の音が出るようになっている気がする。
自分の部屋に戻る。靴がそろそろ限界かもしれない。数十キロ先のショッピングセンターまで行かなければ買えない。
ドアを引いて、外へ出る。寮はここの左隣だ。エプロンを歩きながら吹き流しを見る。進路に対して四十五度。ラダーを当ててやる必要があるだろう。
ドアを開ける。小さい窓。破片が飛んできても極力耐えられるようになっている。
女子寮は三階だが、別の出入口からしか入れない様になっている。この建物は軍が女子隊員を募集してから建てられた物だからそうなっている。
二階に上がる。一番奥のドアを開け、入った。フライトジャケットを着る。足や手の紐を縛って止め、それが垂れない様にする。
特に貴重なものは無いのでそのまま外に出る。アラート・ハンガーに向かった。
* * * *
ハンガーの部屋の中には既にシノタキがいた。
立ってこっちに向かってくる。
僕を一瞥。
「また、今日も行く?」
「……?」
「何処か、何か食べに」
「……」
以前ほどではないが狼狽した。つまりそういうのは彼女のイメージに合わない、ということだ。
「……五時に、裏門の前に」
ひらりと体を翻して向こうへ行ってしまった。
僕は時計の針を見た。17時26分20秒。




