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さぬき恋物語  作者: くろくまくん
第六章 さぬき恋物語

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38/39

栗林公園に夜桜を見に行くぞ

父親の面会を終え、


そのことをサエに話す凰太。


両親と話したことで、サエやチサとのこれからの事を、更に考えるようになった凰太であった。



◯登場人物

凰太おうた

39歳

ゲーマー。兵庫県神戸市に住む。


沙絵さえ、さーちゃん

42歳

香川県に住む。元は神戸市に住んでいたらしい。

バツイチで、中三の娘がひとりいる。

 結局、父親の面会はそこそこに切り上げ、母親に晩ごはんを食べて帰るようにと言われたが、次の日も仕事があるので軽くお茶だけして、自宅に帰った。


 父親の急な体調不良とか入院は決して良いことではないし、父親にとっては災難なことだ。


 でも、それがあったから実家に帰るキッカケになったし、父と母のなんとなくの思いは聞くことができたのかなと思うから、感謝しないとな。その日の晩、さーちゃんにも父親の症状も含めて話をした。


『お父さん、そこまで重症じゅうしょうではなかったんならよかったね。色々お話できたんや』


「そやねん、割とさーちゃんの話もよく出て来たで」


『え〜、なんか恥ずかしいんやけど……お父さんとお母さんなんて言ってたん?』


 さーちゃんは興味津々だった。


「んー、いい人そうやね、って母さんは言ってたな。あ、あと今度そっち行くときは香川土産かがわみやげを買っとくわ、って言うといた」


『あはは、そうなんやね。なんか……おーくんがお父さんとお母さんに私のこと話してくれてるの、ちょっと嬉しいかも』


 あぁ、会いたいなぁ……と俺は思った。話の途中になんなんだと思うかもだけど、そういうちょっとした言葉が、ぐっとくる時だってあるのだ。


「うんうん、俺もちょっと照れたんやけど、めちゃ聞いてくるから。さーちゃんのこととか、チサちゃんのことも話したで」


『あ、子供がいることも話したんやね。ご両親なんも言ってなかった?』


 もしかしたら……さーちゃんは始めにいきなりなんでもかんでもは言ってほしくなかったのかな……?


「あ、ごめんな……母さんが結婚のこととか、って言ってたりしたから、ある程度さーちゃんのことも話してたほうがいいかな、って勝手に思って。俺だけの時やのに話してしまったわ」


『うん……そっか。ううん、嫌とかじゃないけん。むしろ、おーくんのご両親に私やチサが受け入れられるかな、って少しだけ不安になっちゃったの』


 さーちゃんはホントに謙虚けんきょだ。きっと今までもそうやって過ごしてきたのかもしれない。


 そして、その謙虚さと優しさがあだになってしまうこともあったかもしれない。


「あっ、ウチの父親なんやけどね。お酒飲むのが好きなんやけど、さーちゃんはお酒は飲むのか、って聞いてたわ。もしかしたら一緒に飲みに行きたいとか思ってるのかもやで。香川やし子供もおるから気軽には飲みにいけないで、って言ったけどね」


『そうなんや〜、私も昔はそれなりに飲んだりはしてたんやけどね。もう今は全然ダメ。あ、でもそのうち神戸に引っ越してからなら、お酒は飲まなくても、一緒に食事はお付き合いできるかもだよ』


 やっぱりさーちゃんは優しいな。



◇ ◇ ◇



 一月が終わり、二月も過ぎ、三月は俺の仕事も決算の兼ね合いで少々バタバタしていたこともあって、あっという間に過ぎ去っていった。


 もちろんその間も、何度か香川には行き、観光というよりか、さーちゃんとチサちゃんとゆっくり過ごす時間を作った。


 チサちゃんは前にも話したが部活の卓球の推薦で、高松ではそこそこ有名な私立校に優遇されて入学できることになっていた。なんだか自分の娘のようにほこらしい。学校にもよるみたいだけど、チサちゃんが入る高校は、一応カタチだけの試験を受けるけども、結果は関係なく、入学は確定というなんとも素晴らしい待遇だった。


 まぁそのせいもあってか、チサちゃん自身あまり勉強はしていなかったような……でもそのぶん部活には力を入れていたし、それでいいのかなと思う。


 実家にも何度か香川土産を届けにいったりはした。手打ちうどんのセットとか、母親が言ってた骨付鶏ほねつきどりの真空パックのお土産用のがあったので、それと、あとはお菓子かな。母恵夢ポエムという、これは香川ではなくて愛媛県の名産の和と洋が合体したようなお菓子なんだけども、それを持っていくと喜んでいた。


 あと、一ヶ月に一回くらいだが、近況のメールとかをするようにはなった。大したことは言わないが体調に変わりはないとか、その程度のことだ。


『おーくん、栗林公園りつりんこうえんの夜桜を見に行きたいんやけど』


 出たぞ、さーちゃんのいきなり言ってくるシリーズ。


「栗林公園??」


『そうそう、高松にね、大きな自然公園があるんよ。で、桜の時期に夜桜のライトアップがあるよ、って利用者さんが教えてくれたの』


「へ〜、栗林公園というのはまだ行ってないやんね。夜桜ってなんか雰囲気良さそうやんね。わかった、日にち合わせてまた休み取ろっか」


 というわけで四月のはじめに、栗林公園の夜桜のライトアップを見に行くことになった。


 実はそろそろ一周年だよなあと思いつつ、何か考えていたところだったのだ。



ふとサエから飛び出した、栗林公園の夜桜という言葉。


そういえばそろそろ花見のシーズンだ。


そして凰太と沙絵もそろそろ一周年を迎える。

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