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さぬき恋物語  作者: くろくまくん
第五章 幸せなひととき

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なんでもない日常と、それを望む気持ち

高松商店街をぶらぶらしたあとは、元々一泊して帰るつもりだったから、スーパーで買い物をして帰ることに。


今日の晩ごはんは何かな?



◯登場人物

凰太おうた

39歳

ゲーマー。兵庫県神戸市に住む。


沙絵さえ、さーちゃん

42歳

香川県に住む。元は神戸市に住んでいたらしい。

バツイチで、中三の娘がひとりいる。


千沙ちさ

15歳

沙絵の娘。

 高松商店街をうろうろしたあとは、クレープを食べたり、飲み物を飲んだりして、日が沈む前に早めに帰ることにした。


「おーくん、今日は何食べたい?」


 お、来たな、いつものやつ。


「んーとね、さーちゃんの開きかな〜」


「開いちゃダメでしょ! 晩ごはん何食べたい?」


 あ、今回はホントにご飯のリクエストだったみたいだった。


 前にも話したかもだけど、さーちゃんは料理がめちゃくちゃ上手い。お母さんがちゃんとしていた時は、凄く料理上手だったらしい。その時の記憶もあってか、料理を作るのは好きなのと、給食センターで一時いっとき働いてたのもあって、上手いだけでなく手際が良い。


「俺いつものひじきと、おからと、ハンバーグが食べたい。チサちゃんもハンバーグやったら食べれるやろ?」


 チサちゃんは少しだけ食物しょくもつアレルギーがある。ただの好き嫌いもあったりするが、そのあたりもなるべく気をつけているようだ。


「おーくん、ひじきとおから好きやんね〜! あれそんなに美味しい?」


 俺は元々和食派なのだ。洋食が嫌いってわけじゃないけども、小洒落こじゃれた料理よりも、素朴そぼくな煮物とか焼き魚とか、味も濃くないほうが好みだ。そのあたりさーちゃんの作る料理は抜群ばつぐんに上手いし、俺好みだった。


「うんうん、あれ初めて食べた時、びっくりしたもん! ひじきもできたら生ひじきがいいな。あ、あとできたら野菜も食べたい」


「うんうん、わかったよ。帰りにマルナカで買い物して帰ろ」


 香川県はスーパーのマルナカがまぁまぁ多い。もちろん他にもスーパーはあるんだけど、地域ごとに必ず一店舗はあるんじゃないかと言うくらいマルナカは多い。更に都市部の高松のあたりには、パワーシティと言って、スーパーだけでなく服屋さん、百均、食べ物屋さん、雑貨屋さんなどが集合しているビッグマルナカもあるのだ。


「すっかり俺もマルナカづいてしまった気がするわ〜」


「なんなん、マルナカづいてるって。なんか嫌やわ」


 兵庫県にもマルナカはあるにはあるが、どちらかというとそこまで多くはない。香川に来るようになって、割と行く回数は増えた気がするな。


 そもそも、一人暮らしだと自炊はたまにはするけど、ほとんど買ってきた惣菜だったり、カップ麺やインスタント、冷凍食品に頼ってしまうことが多い。


 だから、尚更さーちゃんがしっかり作ってくれる手料理がめちゃくちゃ美味しいし、栄養もたっぷりで、もの凄くありがたいのだ。


「俺、さーちゃんが作ってくれる料理がこの世で一番好きかもやわ」


「それは凄く嬉しい〜! あ、チサもね、冷凍食品とか惣菜は食べなくて、ママがちゃんと作って! って言う時あるよ〜」


 やっぱ、チサちゃんもよくわかってるんだな。確かにこんな美味しい料理いつも食べさせてもらってたら、出来合いのオカズなんて食べれなくなるはず。あ、マックだけは別らしいけど。


 家の近くのマルナカに着いた。少し前に新しくリニューアルして、凄く綺麗になったらしい。さーちゃんはいつも車にマイカゴを持ち歩いている。カゴに入れたのをそのまま詰め替えなくていいというのと、あとレジ袋削減のためらしい。


 入口で買い物しながらバーコードを読み取って、最後にそのまま会計が出来る端末を取って、カートに装着する。


「これ出来てからめちゃくちゃ買い物が楽になってん。レジでピッするの遅い人おるやん? セルフレジやったらいいけど、あれ結構時間ロスなんよ〜」


「買い物しながら合計金額もわかるから計算しやすいやんね。いくらまで買おうとか」


 その端末はその都度つど商品のバーコードを読むと端末に情報が入力され、合計金額も出る。最後にそれ専用のレジに、端末をガチャンと置くと、自動的に会計ができる仕組みになっている。


 色々便利な世の中になったものだ。


 晩ごはんの食材意外に、調味料の足りないものやら、だいたい一週間くらいまとめて買うらしい。さーちゃんは一週間単位で食費と雑費ざっぴ、ガソリン代を計算しているらしく、一週間ごとでいくらとか、それ以外で急きょいる費用とか、きちんと分けておくようだ。そういうのを聞くと、しっかりしてるんだなぁと、感心したりする。


「大漁大漁〜! これで一週間くらいは大丈夫やわ」


 家に帰って、ご飯を作っていると、チサちゃんが帰ってくる。


「ただいま〜、お腹空いた。あ、おーたさんこんにちは」


「チサちゃんこんにちは」


 チサちゃん、最近は普通に挨拶してくれるようになった。さーちゃんが日頃から俺のことをきちんと話してくれているからもあるんじゃないかな。


 普通ならいきなり母親が男を連れ込んできていたら、嫌な気持ちになったり、反発したりすると思う。でも、もしかしたら少しは思うところはあるかもだけど、こうやってちゃんと挨拶してくれるのは、ありがたいし、俺も何かしてあげなきゃな、という気持ちになる。


「ママ、今日のご飯なに?」


「ひじきとおからとハンバーグやで」


「わかった」


 チサちゃんは普段は口数は少ない。


 そうこうしてるうち、炊飯器でご飯が炊き上がる時間くらいでオカズが全部出来上がる。


 さーちゃんやっぱ凄い。


「ご飯できたよ〜」


 俺は最近はお酒は飲まなくなったんだけど、こっちに来たときは、一本だけビールをいただくことにしている。ちなみにさーちゃんは夜の仕事をしている時は凄く飲んでたみたいだけど、肝臓を悪くしてからはほとんど飲まないみたい。


「いただきまーす! うんっうまい!!」


 ひじきの煮物は、大豆とカマボコと薄揚げ、ちくわとニンジンが入っている。おからの煮物も同じような感じなんだけど、大豆と枝豆の二種類の豆が入っている。


 ひじきはシャキシャキで美味しいし、おからはスーパーの惣菜で売ってるようなものとは比べものにならないくらい美味しい。あ、スーパーの店員さんには悪いけども。


「おーくん、いつも美味しそうに食べてくれるから、私も作りがいがあるわ」


「いや、美味しいからついつい食べてしまうねん。いつもありがとうな」


 こうやって家でご飯を一緒に食べていると、ふと思うことがある。


 いつか一緒に暮らすことができたら。


 ただ、そうなるとお互いの仕事のことや、子供の学校のことがある。


 すぐには無理かもしれないけど。でも、そのうち一緒に暮らすことができたら。きっと幸せだろうな。俺はその光景を思い浮かべ、ひとりニヤけていた。


「どうしたん、おーくん。なんかニヤニヤして」


「ううん、なんでもないで。ご飯美味しいなーと思って!」



さーちゃんの家で、チサちゃんと三人でご飯を食べながら、ふと物思いにふける凰太。


これが月一回や二回でなく、毎日なら、幸せだろうなと思う。


オンラインゲームがキッカケで知り合った二人は、これからどうなるのか。

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― 新着の感想 ―
凰太の中に、将来のビジョンが浮かんで来ましたね。いきなり年頃の女の子の父親になるのは難しいことかと思いますので、まずは凰太は決してチサちゃんから母親を奪ったり、チサちゃんに危害を加えたりするようなこと…
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