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さぬき恋物語  作者: くろくまくん
第四章 合同誕生日パーティー

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24/39

誕生日おめでとう、さーちゃんと俺

小豆島からの帰りのフェリーに乗るときになって、天候が急変。


フェリーの到着が遅れてしまう。


無事帰れるかな……?



◯登場人物

凰太おうた

39歳

ゲーマー。兵庫県神戸市に住む。


沙絵さえ、さーちゃん

42歳

香川県に住む。元は神戸市に住んでいたらしい。

バツイチで、中三の娘がひとりいる。


千沙ちさ

15歳

沙絵の娘。

 土砂降りの雨のあとは、逆にめちゃくちゃ晴れてきて。そしてフェリーも無事に港に到着した。


「今日帰れなかったらどうしようかと思ったよ〜」


「ほんまやんね。とにかくフェリーが無事出れそうでよかったわ……」


 小豆島しょうどしまから高松たかまつまではおよそ一時間くらい。着く頃にはもう夜になってしまう。


「チサちゃんお腹空いたって言うてない? 帰ってすぐ食べれるものとか買ってかえろか? デリバリーピザの持ち帰りとかにする? 誕生日っぽく」


「わっ、ピザいいやん! チサに一度聞いてみるね」


 俺はさーちゃんが電話している間、トイレに行きがてら、高松のあるお店に電話を一本かけた。


「帰りのフェリーが天候のせいで大幅に遅れちゃって……夜の20時までには行けると思うんですけど、なんとか今日受けとれませんか……?」


『あ、お店は19時半なんですけども、どちらにしても片付けとかそういうのがあるので、店は閉めてますけど、近くで連絡いただけたらお渡ししますよ。今日でないと……ですもんね』


「ありがとうございます! フェリーなんで絶対何時ってわからないんですけど、なるべく早くに行きます!」


 電話を切ってさーちゃんのところに戻ると、彼女も電話を終えたところみたいだった。


「おーくんトイレ行ってたん? チサもピザでいいって。フェリーに乗ってる間に持ち帰りの予約しとく? 私はしたことないんやけど」


「おっ、そうしよう。確か志度しどの駅の近くにピザ屋さんあったと思うわ」


 俺は携帯を操作して、ピザのテイクアウトの予約を始める。


 二人でフェリーの休憩所で寝転んでたのだが、横でなんかごそごそしている。


「何してんの? さーちゃん」


「はい、チーズ!!」


 俺がピザの予約してる横で写真を撮っていたみたい。俺、写真撮られるのってホント苦手だったんだ。カッコよくもないし、引きこもりだし、しかもイヤイヤ写真撮られてるのに、そのうつり具合をイジられでもしたら、更に嫌になるんだよ。


 でもね、彼女が撮ってくれる写真はとても嬉しい。俺も不思議なんだけど、俺の顔が笑っていた。俺ってこんなに笑えたんだ。昔から感情を上手く出せない性格だった。


 でも、彼女と居ると、なぜか感情豊かになってるみたい。不思議だな。


「さーちゃん、ありがとう」


「え? どうしたん、急に。わっ! そのピザ美味しそっ! 四種類も乗ってるやつ」


 そうそう、ピザは一枚の上に四種類の具材が乗っているタイプにした。あと、チサちゃんの好きなポテトとナゲットのサイドメニューも頼んだ。


「なんもないよ、旅行楽しかったやんね〜」


「うんっ、めちゃくちゃ楽しかった〜!」


 そう言って、彼女はにっこりと笑った。


 フェリーが高松港たかまつこうに着いた。俺は急いで車を走らせる。


「あ、さーちゃん。ピザ屋さん寄る前に少し行きたいところあって。ごめん少しやけど寄り道するわ」


「えっ。う、うん。わかったよ」


「チサちゃんお腹空かしてるのにごめんな。なるべく急ぐわ」


 目指しているところはそこまで志度からは離れていなかったが、少しだけ遠回りになる。お店の人にも迷惑がかかってしまうから、早くいかなければ。


 お店の駐車場に着いた。


「さーちゃんちょっと待っててな。俺受け取ってくるから」


「え、ここって……ケーキ屋さん?」


 そうなのだ。俺は誕生日ケーキを予約していた。旅行帰りに普通に受け取るつもりがフェリーが遅れてしまったので少し焦っていた。


 お店の人はこころよく片付け中でも対応してくれ、ケーキを受け取った。


「さーちゃん、ケーキひっくり返らんように持っといてくれる?」


「わぁ〜! 誕生日ケーキ嬉しい。ホールのケーキってあまり買うことないもんね」


「そうやんな〜、俺も確か小さい頃以来やと思うわ」


 そのあとピザ屋さんで予約していた商品を受け取り、そこから十分もかからない彼女の自宅に着いた。


「おなか減った〜」


「チサごめんね、遅くなって。先に食べていいよ」


 チサちゃんは運動部をしてるだけあって、凄く食べる。買ってきたピザとポテトやらを美味しそうに食べはじめた。


 さーちゃんはさっきから、ケーキの箱をチラチラと見ている。


「ケーキ気になる? 先に開けてみよっか」


「うんっ、ケーキ見たい」


 こういうとこは素直でいいなと思う。俺はケーキの箱を、倒してしまわないように横から開けて、ケーキをスライドさせて取り出す。


「わっ! 凄い! 美味しそっ! わっ、名前書いてる!」


 合同誕生日なので、ケーキには「おーくん&さーちゃん」の名前を入れてもらった。ケーキの種類はシンプルな昔ながらのバタークリームのホールケーキ。


 フルーツとか具材は乗ってないが、バタークリームで薔薇ばらの花の形にデコレーションされていて、とても見栄みばえがした。ケーキの真ん中にネームプレートが乗せられている。


「先にハッピーバースデーしよか」


 ロウソクを二本立てて、ライターで火を点ける。チサちゃんがピザを食べている横で二人でハッピーバースデーの歌を歌う。


 二人で一緒にロウソクの火を吹き消した。


 子供の前だからイチャイチャはできないけど、とても幸せな時間だった。


「おーくん、いっぱい考えてくれてありがとう。私こんなにしてもらったの初めてかも」


「よかったわ、喜んでもらえて。俺もこんなことしたの初めてかもやわ」


「おーくんひとつお願いがあるんやけど……」


 なんとなくお願いは読めたんだけど、一応聞いてみた。


「ケーキ先に食べていい?」


 誕生日おめでとう、さーちゃん。そして俺。


挿絵(By みてみん)


無事バースデーケーキも受け取ることができ、ほっとする凰太。


今までで一番の、誕生日になったようだ。


ハッピーバースデー、凰太と沙絵。


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― 新着の感想 ―
サプライズのおたんじょうびケーキ素敵ですね。 サーちゃんとお嬢さんの笑顔が眼に浮かびます。 おーちゃんは女性が喜ぶことをよくわかってると思いました。 まさか本物のバースデーケーキの画像迄つくるとは! …
 無事に帰ることが出来て良かったですね。前回凰太が気にしていたのは、誕生日には欠かせない物でしたね。三人で仲良く囲む夕飯も楽しそうです。
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