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さぬき恋物語  作者: くろくまくん
第二章 オンラインゲームから現実へ

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夜の高松デート

香川かがわのほうまで辿り着いたあと、


まさかのサエからの夜のデートのお誘い。


二人はこれからどうなるのか?



◯登場人物

凰太おうた

39歳

ゲーマー。兵庫県神戸市に住む。


さーちゃん、サエ

42歳 バツイチ子持ち。

香川県に住む。元は神戸市に住んでいたらしい。

「ごめんね、ちょっと子供のご飯作ったり、ちょっと家のことして来てもいい? その後、夜のデートしよ」


 え。夜のデート。


 俺は急にドキドキしてきた。夜のデート、夜のデート。


「あっ、うん。大丈夫! 車で待っとくわ」


 俺は実は、お泊りみたいなのは考えてもいなくて。もちろん全く期待してなかったと言うと嘘になるが、そもそも、さーちゃんと会えるかどうかもわからない流れだったので、まさか……まさか……お泊りデート!!?


 なるべく平静をよそおって返事をしたが、俺は車の中で待っている間も、ドキドキが止まらなかった。


 まだ、さーちゃんの顔を、まじまじ見ることもしてないし。パンケーキを食べる時も、横並びで座ってた感じだったし。


 いや、俺もオタクゲーマーとはいえ、一応この歳になるまでに何回かは女性とお付き合いをしたことはある。と言っても何回と数えるくらいではあるが。


 ただ、ここ数年くらいは、話していた対戦ゲームでの交流だったりもあったし、基本的にリアル世界での人間と、関わりがほとんどなかったのだ。


 ちなみに大勢おおぜいの飲み会なども苦手なのであまり行かない。


 いや、飲み会のことなんていいんだよ。え、今から夜のデートってことは、短時間でいきなりサヨナラってことはないよな?


 じゃあやっぱり……もしかして……うっ……ちょっと想像してしまう……アカン。これはアカン……


「おーくん待ったー?」


「わぁっ!!」


 完全に妄想もうそうモードに突入していて、戻ってきてるのに気づかなかった。


「どしたん、びっくりして。普通にドア開けただけやのに」


「あ、あぁ。ちょっとぼーっとしてたわ。それにしても早かったやんね? 子供さん大丈夫やった?」


「うんうん、全然大丈夫。今、中三なんやけど、むしろ私がおらんほうが伸び伸びしてたわ。お鍋の準備を先にしてたから、それだけ作ってきただけやから。それより夜のデートいこ?」


 え、さっそく? さっそく行っちゃうの? ちょっと心の準備が……


「あ、うんうん、どこ行こっか……?」


「あっ、とりあえずここからこのまま西の方にまっすぐ行くと、高松たかまつっていう街があるから、そこなら色々あるよ〜!」


「い、色々あるんや……えーと。さーちゃんはどんなとこ行きたい?」


 こんな時はガツガツはダメだ。なるべく女性を立てるようにしよう。


「んーと、ガッツリならトンカツ屋さんやし……サクッとならハンバーガー屋さんかな〜」


「え? ガッツリ……」


 あはは……そうだよな。いきなり初めて会って、お泊りはないよな……


「えーと、そうやなぁ〜。俺はハンバーガーとかポテトとかがいいかな?」


「うんっ、じゃあドライブスルーしよ! もう少し行ったらあるよ、ハンバーガー屋さん。私、最近夜に遊びに行くことも、あまりなかったけん、ちょっと嬉しいかも」


 あぁ、まぁ子供さんと二人暮らしだと、家を空けて遊びには行かないよな。


「うんうん、たまにはいいと思うで。そういえばさーちゃん神戸にも住んでたって言ってたっけ?」


「そうやで、結婚する前の話やから十五年よりもっと前。十八年前くらいかな〜? 元旦那とも、神戸の夜の仕事の時、知り合ったんやで」


 そうなんだ……それはあまり聞きたくなかったな……


 ファーストフードのドライブスルーで、ベーコンレタスバーガーとポテトとアイスコーヒーを買った。


「私、あまりハンバーガー食べないんやけどね」


 普段は食べないんかい! 俺は運転をしながら、あーんと口を開けてポテトを食べさせてもらったりして(こういうのが凄く幸せ)、ほどなくして香川かがわの高松という都市部に入っていく。


 ぐるぐる街中をドライブしながら、サンポートという港の近くの方にいって、シンボルタワーという細長い建物を見たり。


 高松の少し南のほうにある、ドンキホーテに行ったりと、夜の街を満喫した。


 彼女は、さっきも言ってたように、子供がいることもあると思うが、普段夜の街に遊びに行くこと自体が少ないようで、とても楽しんでいた。俺はその姿を見るだけでも嬉しかった。


「おーくん、ちょっと眠くなってきた」


 急に言い出したのはもう夜中の三時くらいのことだった。まぁ普段なら絶対寝てる時間だよな。俺もゲームでよっぽど集中してる時でなければ寝てる。


「だいぶ夜中やもんね。どうしよう、家に帰って寝てもいいし、俺は車で寝かせてもらって、明日の朝の高速バスで帰ってもいいで」


 さーちゃんは少し考えてる感じだった。


「おーくん、私のこと好き?」


 え。急にどうしたんだ。


「う、うん。前から言ってるかもやけど、好きやで」


「私、家に今日は帰りたくない。おーくんと一緒に寝たい」


 ここで来たよ、お泊り!! 俺はもう健全なデートモードでいたから、またさっきの出発前のようにドキドキしてきた。


「うん。さーちゃんがいいなら、俺もそうしたい」


 がっつくな凰太おうた。ここは冷静にエスコートするんだ!


 近場ちかばのホテル検索をすると、高松の都市部から少し離れたところに牟礼むれという地域があって、そこに車をそのまま停めて入れるラブホテルがあったので、そこに行くことにした。


 これは後で知ったことだが、さーちゃんの家から車で15分くらいの場所だった。


 向かう途中に、コンビニでお菓子や飲み物を買って、そこで過ごせるようにした。


「眠たいやろうし、明日も休みやけど、ゆっくり寝ようね」


 あくまでも俺は紳士の対応をした。いや、内心ドキドキはしていた。


「うんうん。でもせっかくやから、ちょっとくっつきたい」


 え。くっつくって、どういうことかな。横に並ぶことかな?


 そんな会話をしている間に、ホテルに着いてしまった。ホテルはこぢんまりとした十部屋くらいのところで、先ほど調べたように、それぞれの部屋に駐車場がダイレクトに繋がっている仕組みになっていた。車を停めて、階段で上がってそのまま部屋に入るようになっている。


「おーくん、いこ」


 手を繋いで、中に入る。凄く綺麗な内装のホテルだった。ちょっぴりタバコ臭い気もしたが、空気清浄機が備え付けてあったのでスイッチをいれた。


 大きなベッドがあり、その前に大画面のテレビが設置されている。ベッドの横には座り心地の良さそうなソファがあった。


「お風呂、先に入る?」


「あ、うんうん……一緒に??」


「一緒じゃないよ〜! 恥ずかしいやろ〜!」


 俺の問いに彼女は恥ずかしそうに答える。


「さーちゃん少し座ろう」


 彼女は無言でソファに座った。俺も横に座って少し手を繋いだ。めちゃくちゃドキドキする。さーちゃんも顔を下に向けて黙っている。


「俺、さーちゃんと初めて電話した時から、さーちゃんに恋してたで」


「え……そうなんや」


 下を向いたまま答える彼女。


「少しだけ顔あげてもらっていい?」


 俺はさーちゃんの顔の方に自分の顔を持っていき、優しくさーちゃんにキスをした。


「ん……」



完全に健全なデートモードで行くつもりだった凰太。


でも、でも。女性から誘われて……


断れるわけがない!


頑張れ、凰太!!

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