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24話




「……夜中に呼び出されたかと思えば、エステベス子爵令嬢をウーラノスに嫁がせるついでに向こうと友好を結んでこいとだけ説明されて、そのままバラムに乗せられました」


「へぇ~バラムって名前にしたんだ。いいじゃない」


「ティア様、そこではありません。私がどれだけ恐ろしい思いをしたか!」


「あ、うん。そだね」


「ティア、バラムというのは?」


「ああ。リトスの皇帝陛下の使い魔であるドラゴンです」


「………………ドラゴン?」


 三年前に私がリトス帝国へ行った時、野ドラゴンが帝都で暴れていた。騎士や冒険者たちが手こずっていたところを、私が野ドラゴンを宥めて事なきを得たのだ。

 後日、私に興味を持った皇帝イルデフォンソに皇城へと呼び出され、対面するなり斬りかかってきた彼にムカついてやらかした。従魔を総動員してボッコボコのギッタギタにしてしまったのだ。どうやって逃げようか考えていると突然笑い転げ始めた皇帝に、頭がイカれたのかと思った程だ。どういう訳か皇帝に気に入られてしまった。


「それにしても本当にドラゴンを譲ってしまうとは……」


「欲しいって言うし、テイマーの素質もあった。何より、最後まで面倒見るって約束もさせた。なら問題ないよ。話が逸れましたが、陛下はこの提案を受け入れるのですか?」


「ああ、そのつもりだ」


「なら、話は早いですね。リトスと友好を結んでフィデリア嬢に嫁いでもらう。これで解決です」


「そうだな。エステベス子爵令嬢も承諾しているようだし、難しく考える必要はなさそうだ。では、クレマン侯爵そのようにリトス皇帝に伝えてくれ」


「承知しました」




 約一ヶ月後。


「ティア様ーーー!!! フィデリア・エステベス、ただ今到着致しました!」


「お疲れ様」


 皇帝陛下との謁見後、エノックを説得してとりあえずフィーと婚約することを承諾させた。婚約さえさせてしまえば、あとはフィーが何とかするだろう。多分。


 フィーが到着したのは私が学園へ向かう日の朝だった。リトス帝国からウーラノス帝国までは約一ヶ月かかるのだ。ノエがやったみたいにドラゴンで空から来れば話は別だが。なので、挨拶もそこそこに私は学園へ向かうことになったのだ。


 ──申し訳ないけど、あとは本人たちに任せるしかない。


 フィーをエノックに紹介したが、どうやら好感を持ったようだった。フィーは、流石はティア様が選ばれた人ですね! なんて言っていたけど。彼女はエノックに合うと思う。私が言うのも何だが、彼女は私に心酔しているのに男にはあまり興味がないらしい。だけど恋愛対象は男。こっそり聞いてみたが、まあ顔は整っておられますし、いい人そうですね。とこんな感じだった。


 ──まあ、何とかあるでしょ!○あとは2人で頑張って!!!



◇◇◇



「進まないわね」


「そうだね」


 学園に続く馬車の列に並んですでに二時間が過ぎている。馬車には私とメルお兄様の他にフェリも乗っている。一人で行くのも寂しいからとウチの馬車に乗っているのだ。ちなみに、ジュリオ兄様やラルお兄様たち在学生は一足先に学園へ戻っている。

 学園のある浮き島と本土は橋を架けなければ行き来することができない。しかも、橋が架けられるのは入学式、卒業式、長期休暇と緊急時くらいである。もちろん例外もある。


 グラン学園には他国や他大陸からも多く入学して来るので入学や帰省の時期には馬車の列ができて、なかなか進まないのである。


 グラン学園は帝都の西にある大きな湖に浮かぶ浮き島に建てられた全寮制の学園である。試験に合格すれば王侯貴族や裕福層はもちろん、誰でも入学できる実力主義の学園。16歳で入学し18歳で卒業するのが一般的だが、飛び級制度があるため試験に合格すれば16歳未満でも入学できる。最後に飛び級を認められたのは十年程前らしい。


 浮き島には学園以外にも小さいが街がある。お店や飲食店などもある為、休日に買い物をすることはできる。

 また、本土の反対側にはモンスター島と呼ばれる浮き島がある。本土からも行けなくはないが、かなりの悪路なので基本的には学生の実習で使われることが多い。ただし橋はないので自力で行かなければならなず、これはモンスターが学園側の島に来ないようにする為である。空を飛べるモンスターへの対策もばっちりだ。


「歩いた方が早くない? 歩いてる人もチラホラ居るし」


「でも結構距離があるわよ?」


「んー……よし、私は待つのにも飽きたし歩くよ。先に行くから二人は馬車でゆっくり来なよ」


 馬車から降りて扉を閉めようとすると、お兄様とフェリも降りてきた。


「ん? 一緒に歩くの?」


「ええ。(わたくし)も退屈ですもの」


「二人が歩くのに、僕だけ馬車で行く訳には行かないでしょ?」


 御者に馬車を任せ学園へ向かって歩き出す。無限収納を使えば荷物を全部入れられるのだが、無限収納持ちは目立つ。今は使わないでおこう。馬車には荷物が乗っているのでこのまま学園まで行ってもらう。


 私は普通にしてても目立ってしまうらしいので、そのうち無限収納のこととか色々とバレてしまうだろうが、そこは気にしないことにした。普通にしてても目立つならどうしようもない。




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