なんちゅう殺気飛ばしてきてんの…
アーズとキュナは丸2日間かけてデスペル帝国へと帰ってきた。
「ふぅ……」
「キュナよ。何をそんなに緊張しているのだ。胸を張って凱旋とでも行こうではないか?」
「な、何を仰るのですか!?これから叛逆…しかも私を良くしてもらった実の兄姉に手をかける可能性だってあるんですからね!!!???」
「そちらこそ何を焦っている。それは兄姉の布陣を崩し、立て直しが出来ないくらいの被害を与えられればそれで良いのではないのか?お前がこの帝国から追い出されたのもそういうことであろうよ。だから先程も言ったが少し落ち着け。」
「あっ…そうですね…。私とした事が、アーズ様。申し訳ございません。私が提案したにもかかわらず覚悟が足りてなかったようです。もう一度気を引き締めさせてください。」
そのような話をデスペル帝国の城門前で話していると、上からキラキラと輝いた鎧を纏った漢が降ってきた。
「これはこれは、キュナ様ではございませんか!国から追い出された身で帰ってくるとは余程命知らずのようですねぇ…カイ様にお情けで逃亡でき、命だけは助かったはずなのに…それにその隣の人は…あぁ…雇われた冒険者様でしたね。まさか依頼放棄?それともキュナ様にでも誑かされました?」
「ふむ。よく喋る阿呆だな…。聞くに耐えんな、おいキュナ。私はこやつと闘う前に先にケリを付けておきたい相手がいてな…何とかこの場から離れられんか?」
「この人は私の兄、カイ様の近衛騎士序列第1位のハーデ様です…一騎当千、百戦錬磨の武人で戦場の支配者です…。目をつけられたら逃げるのは厳しいです…アーズ様。この依頼は失敗です。逃げましょう…」
キュナはかなり怯えながらも平静を装い、アーズに話しかけた。
キュナだけは知っている。このハーデが纏っている鎧はただのキラキラ輝く鎧ではない。ダンジョンの最奥にて踏破した報酬にて手に入った絶対防御効果の鎧にその腰に帯刀されているのは、ここから何千キロと離れた僻地に住む神の領域に踏み込んだ鍛冶師のドワーフがハーデの為に造り上げた絶対切断能力が付与された…"神刀・朧"。目をつけられたが最後、キュナは覚悟を振り絞りアーズに逃げるよう叫ぼうとしたその時…
「何度言わせるのだキュナ。まだ焦る時ではない。何せ向こうもこちらに手を出そうとしておらんだろうし殺気すら飛ばしてこん。今はまだ泳がせるのであろう。このまま帝国内へ入るぞ。ほら行くぞ。」
そう聞いたキュナはハッとした…いつもニタニタした顔を貼り付けているハーデの顔はどう考えても引き攣っているということに。怖くて顔を見られなかったハーデの顔は明らかに冷や汗を浮かべ、恐ろしいものでも見るような顔であった。
「きゅ、キュナ様はこの冒険者様の側にいて平気なのですか…?ていうか、キュナ様はなんてやつを引き連れてきたんだよ…Dランク冒険者でしょ?なんちゅう殺気飛ばしてきてんの…」
「震えているのか…当たり前だ。世界の…いや、国ひとつのまたただの側仕えで1番強い程度でイキがるな。そこを通してくれるなら情けはやろう。」
そう。アーズは空から降ってくる前から何者かが急接近する事に気がついていた。ここで戦闘をするのもありだが、アーズには帝国に戻ると決めた時から先に済ませる用があると決まっていたので今回は流そうと考えていた。
「その自身…へし折りたいけど…俺一人じゃ厳しそうだな…一旦引くわ〜!」
そういうとハーデは直ぐにその場から消えてしまった。
「うぅ…ここから地獄が始まるのかぁ…心臓も痛いし胃も痛い〜…」
「キュナ、何を言っている。叛逆とはこういうものだ覚悟しておくのだな。」
「とにかく…助かりましたアーズ様。正直もうダメかと思っていましたが…本当に貴方は何ものなんですか…。」
「何とは何だ。冒険者ランクDのアーズだが…」
「はぁ…もういいです。そんなわけないのは分かってますから。では私からもう1つ質問させてください。アーズ様はこの帝国で先にしたいことって何かあるんですか??」
「あぁ…では、キュナは俺に着いてきてくれるか?もう行き先に目処はついてるからな。」
「し、仕方ありません…ついて行きます…」
こうして2人は帝国の城門をくぐりここから、帝国の崩壊が始まるのであった…
6話目投稿です!
展開はバンバン進んでいきます!
ここから3話ほど急展開?ずっと盛り上がれる!ワクワクできる展開を書いていきたいと思っております!
どうぞ読者様!お楽しみに!
ではでは、また7話目の投稿で〜( ^ω^ )




