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その話乗った。

その後は特に何事もなく目的地のジェスタード王国の大きな城門が見える位置まで移動してきた2人。


「この街はとても治安が良い王国として有名です。もちろん、当然ですかま街にはいるためには検問があり、この長い列を並ばなければならないのですが、今はそうも言っていられません。今すぐに貴方を引き抜く交渉をしたいのです。貴族が利用する方へと移動します。ついてきてください。」


「はっはっはっ。潔がいいな、私はそちらの方が好きだぞ。素直が1番だ。」


「ちょっと喋ってないでしっかりと着いてきてくださいよ。」


2人はそんなことを駄べりながら、検問位置までやってきた。


「待て。何処のものだ。場合によっては貴様らを捕らえるぞ。馬車の中のもの、何か証明するものを、そしてそこの冒険者も…」


「私はこういうものです。そしてこの冒険者は私の護衛です。ここを通してください。」


「なっ!?て、帝国の…失礼致しました。どうぞこちらからお進み下さい。」


言うのを遮り少女は帝国の紋章を見せつけこの場をやり過ごした。


「帝国から追い出されたとはいえまだそのようなものに効力があるのだから驚かされたものだ。」


「一時的ですよ。そしてまだ帝国の情報はこちらまでは出回っていないでしょう。しかし途中の宿場町で雇ったあの冒険者達が噂程度でしっかりとした情報を掴んでいたのでは時間の問題でしょう。という事で、腹ごしらえと、交渉をさせてください。」


「了解した。とりあえずはあなたについて行こう。」


「そういえばまだ私は名乗っていませんでしたね。私の名前はキュナとお呼びください。今までは名前を明かすことが出来ず申し訳ございません。」


「良い。理由も理由だ、とにかく適当な店に入り交渉をしてもらおう。どのような内容が来るか次第だがな。」


ようやく軽い自己紹介をした姫様もといキュナは馬車指定置き場に馬車を置き、こちらに走ってきた。


「では、すぐそこに私が小さい頃遣いとしてこの国に足を運んでいた時の行きつけがありますのでそこでお話をしましょう。」


そういうとキュナは足早に移動し、さっさと店内へと入ってしまった。


キュナを追いかけるようにアーズも続いた。


既に席へとついていたキュナはこちらを見て早く座るように促した。アーズは言われた通りに座った。


「では早速ですが、貴方を私の側近、近衛騎士として居てもらいたいのです。」


そう小声で話すとアーズは足元で小さな魔法陣を描き限定空間を作り出した。


「小声で話さずとも良い。ここは今私とキュナ以外に声と姿を見ようとしても阻害されるようになっているのでな、気にするな」


「そんな魔法……貴方は…いえ貴方様は何者?」


「そんなことはどうでも良い。さっさと要件を言うがいい。」


「は、はい。では、貴方を私の側近、近衛騎士として私のそばに居て欲しいのです。」


「無理だな」


「なっ!?まだ途中です!話を遮らないでください!私に付けば得が多いですよ!地位や名誉も貰えます!」


「そんなものにはとうに飽きている。」


「いや、冒険者ランクDのあなたが何を言っているんですか…喉から手が出るほど欲しいものでしょう…」


──いや、この方はここまでお強いのです。確かに何か理由があって冒険者ランクDでいる可能性も考えられますね…──


一瞬で思考を切り替えると、アーズを引きつけることが出来るであろう内容へとシフトチェンジした。


「私が言う側近、近衛騎士というのはあなたがこの報酬内容で快く引き受けてくれるかと思い提案しましたが、そうでは無いようですね。先に私のこれから起こしたい内容を話しますね。」


そういうとキュナは早口で話し始めた。


「もう噂でも聞いているかと思いますが、私は王位継承者であり王位継承戦に参加していた皇女です。しかし、兄妹の力が強力で私では武力の方で手も足も出ませんでした。そもそも兄や姉たちに付いている騎士たちが選りすぐりのエリートで腕っぷしもあります。そのような相手に私は手も足も出ませんでした。そこで帝国から追い出された私ですが、そこでアーズさんに出会えたのです。」


「なるほど、要するに私はキュナと一緒に帝国に行き帝国へと叛逆しに行きたいという訳で、その報酬として、地位や名誉という事だな?」


「はい。そういうことです。幸い、まだ王位継承戦をしている最中で、1番上の兄と姉が闘っているのだと思います。」


「まぁ、私にメリットは無いな。この話は以上だ、私は一人旅でもしよう。」


「アーズさん。まだ報酬があります。」


キュナは不敵な笑みを浮かべてアーズを見つめた。


「そんなに魅力的には思え…」


「武力に優れた敵と手っ取り早く闘うことができます。」


「そいつは本当に強いのか?」


食い付いた!と言わんばかりの顔を隠すことをせずキュナはここで逃しては行けないと一気に畳み掛ける。


「当然です。兄と姉にも側仕えで、最強の騎士が付いています。それは名ばかりの最強ではなく帝国1を誇る栄誉騎士からの選抜で選ばれていますので…強くて当然です。ちなみに今日の襲撃者の何倍も強いですよ。」


「その話乗った。」


キュナは勝った!と内心で大喜びし、まだ未知数であるこの目の前にいる全く強そうには見えない平凡な男に自身の命運を託すことに賭けた。


「では、今日はゆっくりとして、明日、いち早く帝国へと戻ります。そこからは私が全て指示しますので、その通りに動いてください。」


「あぁ。了解した。私はキュナに感謝しよう。こんなにも闘いが満ち溢れているこの世界にも…」


キュナはニヤついたアーズをみて平凡そうな男という評価を改めた。その顔は獰猛で、何者でも狩り尽くす、野性の顔が見え隠れしていた…。

5話目投稿です!

GWかなりのんびりさせて頂きました〜( ^ω^ )

さぁ今から怒涛の展開が始まる…かも…???

次の更新は〜いつになるか分かりませーんが、お楽しみに〜!

ではでは、また6話で…

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