強くて硬いな
そこはまともに整備もされてない野道だった。
アーズは空を見上げており、身体を起こそうにも反応しない。
「ふむ、今の私がどのような状態か、まぁ考えたら分かるわな」
そう、アーズの身体には人が持てるわけが無い大きな丸太が自分の身体を穿いていたのだ。
───ふん、この身体の持ち主は絶命したようだな、この身体借り受けるぞアーズよ───
そう思い、身体から丸太を引き抜こうとすると奥から少女の叫び声が聞こえてきた。
突如、何も記憶になかったアーズの頭に記憶が流れ出す。私はこの少女の護衛をしていてオークが襲ってきていたのか。ならこの状況も納得できるな。
とにかく、アーズは少女を助けるべく身体を起こして綺麗な状態へと治していく。
顔を上げると豪華な馬車が横転しており、その奥を透過させて見るとあと少しで少女がオークに襲われる寸前であった。
考えている暇はない、ダッシュで駆け寄りオークの振り下ろす棍棒を持っていた鉄の刀で受け止めた。
「……え?はっ?え???」
困惑している少女を他所に、アーズは今の自分の状態を整理した。
転生してから私の身体はかなりの弱体化がされているようだな…
「とは言っても、私の剣術や体術のレベルが下がった訳では無いからなぁ!!!」
アーズはこの世界に来て、確実に心を躍らせていた。まだまだ自身を強化出来ることを確信していたからだ。
「ふむ、心做しかオークの棍棒でさえかなり重く感じるな。流に徹する方が今は得か」
受け止めた棍棒を右に逸らしその刀を返しで右上から左下にかけて流れるように斬撃を与えた。オークは斬られた事に遅れて気づいた。そしてアーズが自分よりも格上であることを本能で感じ取ると、すぐさまアーズに背を向けて森の方へ走り出した。
「これでも相手を袈裟斬りで切り落とす勢いだったのだが、なかなかどうしてこの世界は強いし硬い様だな。」
そのように考えていると、護衛中の少女が息を酷く荒くしてこちらを見ていた。
「おっとすまない。私とした事が周りの人達の配慮に欠けていたようだ。そら、これで大丈夫か?」
アーズが少女に手を向けると、少女の身体に光が纏って落ち着きを取り戻した。
「い、今のは……あ、あのあなたは冒険者のアーズ様で間違いないでしょうか…つい先程までとは全く雰囲気が異なるのですが…」
「あぁ…失礼した、私がアーズで間違いない。このまま2個先の街まで護衛の依頼で良いのだな?もう馬車は使えないようだが、どのようにして向かうかだが…」
「そ、それについては少し先に宿場町があるのでそこで補給出来ると思いますので、そこまでは徒歩で護衛をお願いしたく…」
「了解した。引き続き護衛をしよう。何があっても貴方を護り届けると誓おう。」
そう宣言した2人は宿場町へと歩き始めた。
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2話目投稿です。
まだまだ、細部までは出来ていませんがこの調子でゆっくり書いていきます。
とりあえず構成的にはある程度出来ていますので投稿には2日〜3日に1話ペースで投稿しようと思いますのでよろしくお願いします!




