蹂躙される心の準備は出来たか?
アーズは既に城の入口前まで着いていた。
アーズはしっかりと落胆していた。結局は上位宇宙だとしても自分の方が強い、これは変わらぬ事実だったのだ。多少驚きはしたもののそれだけだ。
さて、どうしたものか…。入口に着いたものの、奴らが居るところまで歩くのはもう面倒だな…。転移でいいだろう。
アーズは1度視界に入れた場所には転移が可能になるのだ。アーズは半日前に訪れた謁見場を頭に浮かべ転移した。
そこは昼とは全く違う風景だった。空間に闇が纏われている。それは夜だからという訳では無い、月明かりすら入らない異様な光景だった。
「バカがのこのこと1人で死にに来たのか?それとも何か、俺たちの事に気づいて1人で止めに来たのか?」
そこには昼に常に焦りを見せていた帝王の姿とキュナの兄であるカイの姿があった。しかし帝王とカイの様子はおかしい。どう考えても昼の帝王とは違う様子であった。
「やはり貴様らも悪魔が憑いているのか。キュナ本人の人格が強すぎて傍には置けないから自分たちから離したというわけか。情けない話だな悪魔たち。」
「ふん、勘が鋭い野郎だな。親父、アイツはどう考えてもおかしいのは間違いないんだよ。人の皮を被った化け物だ。」
「お前が言うのは1番違うだろう?私は普通の人間だ。そしてお前たちが何を企もうと今後、この帝国が平和に導かれるはずはない。ならお節介の私が止めてみせようじゃないか。」
そう、アーズは腐っても聖王であった過去があるのだ。その当時は何かあれば全力で治安維持に努めた過去がある。そんなアーズだからこそ、帝国のトップの人物を見た時、お節介を発動させたのだ。
「本当にお節介な野郎だな。それだけで単身で乗り込んでくるとは流石に命知らずにも程がある。それに関しては俺の知ったことではないがな!」
「ちょっとお兄様!お父様!ていうかアーズ!貴方何してるのよ!」
そこに一触即発であった場所にキュナが突然現れた。転移でもしてきたのだろう。
「おぉ!キュナよ!無事に乗っ取れた様だな。お前には苦労をかけた。」
「本当にこの子はおかしいわよ…。意志が強すぎる…。本当にあなた達家族を救おうとしてるわよ。けど今回でしっかりと抑え込めそうね。そこの私の護衛を殺して見せたらきっと絶望で心を閉ざすでしょう?」
「じゃあ直ぐにでも殺して、私たちの計画を始めようとするか。」
「お待たせしました。キュナ様。それにカイ様にザイン様。」
「どうも!ようやく到着出来ましたって!これどんな状況ですのん?」
そこにはどこから現れたのか、かなり屈強な男と陽気に喋る魔剣が居た。
「おぉ!良きタイミングだモーグよ!地下で拘束した事を謝ろう。申し訳なかった。しかしこれからは我らの時代だ。共にこの世界を乗っ取ろうぞ!」
「ほんとにワテもしんどかったですよ!変な鎖にグルグルに巻かれて苦しい思いしてたんですから!」
「おい、何時までお喋りしている、早く殺ろうでは無いか。」
「ふん、1人と5人で何が出来るというのだ。貴様に勝ち目はない。」
それでもアーズは余裕の顔を崩すことは無かった。なぜならアーズには絶対強者としての自覚とこの状況を打開できる策があったからだ。
「お前たちが何をしようが問題は無い。1対5で戦うほど面倒な事はしない。では、一つ面白い事をしてみようか。さぁ現れろ。召喚サン。」
床に魔法陣を展開させ召喚したのは、白い衣に身を纏わせた。昼間に見た天使だった。
「え?はっ?えっ?あ、貴方が私を召喚したっていうの?そんなデタラメ…。ていうか、ザイン…ではないの?貴方も悪魔だったの…?」
「ふん、天使を召喚したのか、サンが気づかなければもっと利用出来たものを。」
アーズがサンを召喚した事には全く驚いた様子を見せず、たんたんとしていた。
「ではもう1人召喚しようか。召喚キュナ」
そこから現れたのはアーズの対面に居たはずのキュナがその魔法陣から現れたのだ。
「なっ!?何をして…」
「光よ、パージ!」
その瞬間、キュナの気配が変わった。それは本人が表層に出てきたのであろう。そして乗っ取っていた悪魔は外へと追い出されていた。
「あ、アーズ様。私…貴方様にご迷惑を…」
「良い。気にするな、今はすこぶる機嫌が良い。これからお前の家族を蹂躙する。良いな?」
「今、私に決定権は無いのでしょう。全て貴方様に捧げます…。」
「そ、そんな簡単に追い出すなんて…ふざけんじゃないわよ!せっかくもうすぐで完全に支配下におけたはずなのに!」
「ぎゃあぎゃあとやかましい悪魔だな。黙ってこれから私に蹂躙されるがいい。」
「粋がるなよ小僧。数の有利はこちらにある。貴様にこの数の悪魔を相手に───」
その瞬間、そんなはずはないのだが、帝王達は城が大きく揺れたように感じた。
「粋がるな?こちらのセリフだ。人の身体を乗っ取り、挙句の果てには計画??私の世界では悪魔は絶対的生命力と強さを誇ったものだ。そんな女々しいお前たちに私が倒されるとでも…?」
睨み付けられ威圧されザイン達は怯んだ。理解してしまったのだ。数など関係の無い絶対的な力を有している男が目の前にいる。自分が狩られる側ということにに気付かされたのだ。
「さぁ。蹂躙される心の準備は出来たか?では、始めよう!」
ここから、絶対的強者の蹂躙劇が始まったのだ。
どうも、だりおでやんす。14話目更新しましたでやんす。
最近優先座席で横になって寝てる人見かけました。怖いですよね( ^ω^ )
では15話で会いましょ〜m(_ _)m




