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うっ…うげぇ…。いったぁ…。

様々な事があったその日の夜、アーズは帝王が居座る城へと続く大通りに一人ポツンと立っていた。



アーズはその城へ歩みを進め始めた。何事もないようにゆっくりと…。そこへ突然横から声がかかった。




「お兄さん。こんな時間にこの大通りを真っ直ぐ歩いてどうしたんだい?ここまま真っ直ぐに歩いても城しかないよ?」



アーズは声がした方へと顔を向ける。その顔はこの世界に来て初めての顔であった。



「いやな、色々と考え込んでいるうちにここまで来てしまったようだな。お前こそどうした?こんな時間に1人の私に声をかけるなんてな。」



「白々しいなぁ…。分かってんだろ?お前も。もちろんお前を始末するように言われてんだよ。帝王からな。」



その発言と同時に相手は何も持っていなかったはずの手には細身で長身にしっかりと馴染む、覇気を纏う槍を手にしていた。それだけで隙のない歴戦の威圧というものがその男から生まれていた。



「ほう。お前はかなりマシなようだな。お前の名前を聞いておいてやる。」



「ハッ。聞く前に自分から名乗れよ。どうでもいいか。俺の名前はジャック。今からお前を殺す者だ。」



「私の名前はアーズ。今からあの城に行って様々な事を聞かねばならなくてな、早急にお前との戦いを終わらせるとしよう。」



名乗り終えた2人には構えた。しかしどう考えても間合いは向こうに分がある。こちらは剣で向こうは槍である。その差は一目瞭然だが、ジャックは何も無い空間に突如突きを繰り出した。



危険を察知したアーズは右に避ける。当然下位宇宙の戦いで空間を歪ませて攻撃する敵は居た。



何ッッッ!?



アーズは驚いた。その突かれた槍は右に避ける事で回避したはずだった。しかしその槍はアーズの横腹を穿いていた。



「へぇ!初見でそのダメージだけで済ませたって事はやっぱり中々強いのね?けど、俺にとって脅威じゃないね。」



「ふん。傷一つつけた程度で喜ばぬ事だな。まだ戦いは始まったばかりだろう?」



「その強がり。どこまで持つかなぁ!!!」



アーズはその傷程度では当然驚かない。しかし焦りはあった。普段焦ることの無いアーズには違和感を覚えていた。通常通り身体が動かない。自分の精神に干渉するほどの何かがあると。



「どうした?さっきから顔色が良くないなぁ?」



流石にこのままでは面白くないな。何かしらの能力なのか?それともこいつ1人ではなくて他にも人がいる可能性があるのか?

今は捌くことで手一杯だが、とりあえずは見切りきるか



「あー、流石に良く見えてるな、俺の槍を捌いてやり過ごせるたぁビックリだ。じゃあ1段階ギア上げますか!」



それと同時に槍が1本だったはずが何もない空間から全く違う槍が飛んできた。

堪らずアーズは大きく後ろへ引いた。



「さぁ。お前に捌けるかなぁ???って言っても普通にお前もまだ本気じゃ無さそうだし、捌かれる気しかしないんだが…。」



「1本が2本に増えた所で驚いたはしたが、どうとでもなるのは事実だな。そろそろ私も少しちゃんと戦うとしようか。」



そういった瞬間アーズから光が放たれた。夜が昼の明るさになったのだ。



「へぇ。お前は聖属性か、さっきまでは能力を使ってなかったからやばかったって感じか?つまらねぇことすんなぁ!??」



その言葉と同時にジャックの身体は後ろへと吹き飛ばされていた。運が良かったのはたまたま構え直した槍が前方に向いたからであろう。



「この程度もついて来れんのかお前は。ただ次元から飛ばした槍を攻撃するだけなら誰でも出来るぞ。もっと本気を出してくれんと。」



「うっ…うげぇ…。いったぁ…。野郎調子に乗りやがって。ふぅ…。落ち着け俺…。」



ジャックは飛ばされて痛がりはしたものの何とか体制を戻し落ち着きを取り戻した。


「はぁ…あれ、身体に負荷かかるからやりたくねぇんだけどよ…。しゃーねぇ…。限定解除。第1門」



その瞬間気配が変わった。多少やる程度のジャックの存在値が一気に跳ね上がったのだ。



「あんたも結構やるようだけど、さっさと終わらせちゃいますか?」



軽いステップの瞬間アーズに肉薄していた。


「ハッ!!!!【神速三段突きィ!】」



「【無心・一刀】」



神速三段突きに対して、アーズは上段から下段へと一気に振り下ろした。目に見えぬ程のスピードで迫る槍を1回の振りで潰す荒業の勝負に出た。



軍配はアーズに上がった。1突き目の槍を聖剣で真っ向から受け止めそのまま振り切ってその槍を破壊した。


驚いたジャックは大きく退いた。



「へぇ!?1段階目の解除でこんなに俺がやられるってぇ流石に無理があるっしょ?」



「気づかないのか?お前は」



「え…」



その瞬間ジャックの見ている景色が左右にズレた。


「あら?これはビックリ…俺ごとまっぷた……」



その勝負は呆気なく終わった。先程のアーズの一刀で槍だけに留まらずジャックの身体ごと切り伏せていた。



「ふん。」



それだけ言うとアーズは聖剣を亜空間にしまい、城へと歩き出した。

どうも13話目更新です。だりおです( ^ω^ )

槍使いと戦わせようと思ってたんですが、槍って本当に必殺技っぽいの少ないっすよねぇ…。少し不遇だなと思う今日この頃…。

この調子だと多分後5話位でここの話は終わるかなと思います。


お楽しみくださいましねぇ!


ではまた14話目でお会いしましょうm(_ _)m

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