第11話 最初の商人
オスカー・ベルナーは、荷札を一枚、机の上に置いた。
それから、もう一枚置いた。
さらに、三枚目を置く。
乾燥豆。塩漬け肉。油。針金。布。
冬道を越えるには、どれも軽くない。安くもない。けれど、ヴァルド男爵領とは十年以上の付き合いがある。季節ごとの数量も、道の状態も、支払いの癖も、オスカーはだいたい頭に入れていた。
だから、今朝届いた連絡は、納得できなかった。
「困ります」
オスカーは、できるだけ商人らしく、声を整えた。
怒鳴ってはいけない。
怒鳴る商人は、損をする。
ただし、怒っていることは伝えなければならない。
「来月分から一部を白嶺へ回すとは、どういうことでしょう。こちらにも仕入れの予定があります」
机の向こうで、ガイゼル・ヴァルドは深く頭を下げた。
「ほんとうに申し訳ない」
丁寧な謝罪。
あまりに丁寧だったので、オスカーは少しだけ嫌な予感がした。
こういう謝罪は、決まっている。
言葉は柔らかい。
決定は動かない。
「当面は、白嶺へ物資を優先することになる」
「白嶺」
オスカーは、思わず聞き返した。
「あの、呪われた土地ですか」
ガイゼルは顔を上げた。
「そう呼ぶ者もいる」
「呼ぶ者もいる、ではなく、だいたい皆そう呼びます」
オスカーは帳面を開いた。
「白嶺へ運ぶとなると、山道です。人も少ない。荷を下ろしたところで、支払いはどうなります。そもそも、買う人がいるのですか」
「いる」
「誰です」
「アリア様だ」
オスカーの指が止まった。
名前は聞いている。
聞いているが、詳しくは聞いていない。
ヴァルド男爵家が、何か大事な客人を預かっているらしいこと。白嶺へ物資を送るようになったこと。その程度だ。
「そのアリア様とやらが、私の取引先を減らす理由ですか」
「そうなる」
「では、文句を言っても?」
「言ってよい」
ガイゼルは頷いた。
「私ではなく、白嶺へ行って、卸先のアリア様へ直接言ってもらいたい」
オスカーは、しばらく黙った。
帳面を閉じる。
閉じてから、もう一度開く。
数字は変わらない。予定も変わらない。そして、男爵の目も変わらない。
「……分かりました」
オスカーは言った。
「行きます。言うべきことは言わせていただきます」
「それがよい」
ガイゼルは、もう一度頭を下げた。
オスカーは荷札をまとめ、席を立った。
扉へ向かう途中で、ふと振り返る。
ガイゼルの口元が、ほんの少しだけ緩んでいた。
申し訳なさそうではなかった。むしろ、少しだけ楽しそうに見えた。
オスカーは眉をひそめた。
* * *
白嶺へ向かう山道は、思っていたより悪く、思っていたより途切れていなかった。
そこが、まずおかしかった。
呪われた土地へ向かう道など、もっと荒れているものだとオスカーは考えていた。
もちろん、道は良くない。
轍は固く凍り、ところどころ石が露出している。荷馬車は何度も大きく揺れた。御者が悪態を飲み込む音を、オスカーは三度聞いた。
だが、道には跡があった。
最近、誰かが通った跡。
人が行き来している跡。
「呪われた土地にしては、商売敵がいそうだな」
オスカーが呟くと、御者が振り返った。
「戻りますか」
「まさか」
オスカーは帳面を叩いた。
「道があるなら、荷は通る」
やがて、白い湯気が見えた。
雪の間から、細く立ちのぼっている。
最初は火事かと思った。
けれど、煙ではない。
湯気だ。
町の入口に近づくと、石造りの家が並んでいた。
空き家は多い。
窓板が閉じたままの家もある。
壁の一部が崩れ、補修されていない建物もあった。
それでも、町は死んでいなかった。
煙突から煙が出ている。
水路のそばで女が桶を洗っている。
子供が二人、湯気の向こうを走っていった。
その後ろから、大人の声が飛ぶ。
「滑るよ!」
子供は返事だけして、少しも遅くならなかった。
オスカーは、馬車の窓から首を出した。
「……呪われているにしては、元気だな」
御者が小さく笑った。
「戻りますか」
「戻らん。さっきから、そればかり聞くな。戻りたいのか?」
「私は、道が悪いところが嫌いなだけです」
「気が合うな。私もだ」
オスカーはそう言いながら、もう一度町を見た。
白嶺。
呪われた土地。
そう聞いていた。
だが、呪いというものは、こんなふうに湯気を立て、桶を洗い、子供を走らせるものだっただろうか。
* * *
「責任者に会わせてください」
オスカーは荷馬車を止めるなり、そう言った。
案内に出てきたのは、若い男。
人当たりの良い顔をしている。服装と立ち方から見て、白嶺の住民ではない。
「ルークス・ヴァルドです」
「ヴァルド男爵家の?」
「次男です。父から話は聞いています」
「それは助かります」
オスカーは外套の襟を直した。
「では、責任者へ。私は抗議に来ました」
「はい。そう聞いています」
ルークスはにこりと笑った。
笑うところではないだろう。
オスカーは、そう思った。
けれど、商人は客先で顔に出しすぎてはいけない。
ルークスに案内された先は、白嶺の小さな家の一つ。
豪華ではない。
むしろ、簡素だ。
それでも掃除はされている。炉には火があり、机には紙と小さな帳面が置かれていた。
その机の前に、少女が立っていた。
小さくて、細い。
白金の髪が、窓から入る白い光を受けて淡く光っている。
雪のように色白で、顔を上げた瞳は、冬空をそのまま閉じ込めたみたいに青かった。
絵に描いたような美少女。
そして、どう見ても、まだ子供。
オスカーは、一瞬、言葉を失った。
ルークスが静かに言う。
「男爵家の取引相手の、アリア様です」
「……え」
オスカーは、商人としてはかなり良くない声を出した。
「この方が?」
少女は、緊張した顔で一礼した。
「アリアです。よろしくお願いします」
丁寧な声。
ただ、どう聞いても子供の声。
オスカーは、自分の怒りの置き場所を見失った。
子供を怒鳴る趣味はない。
だが、子供だからといって、荷の予定は戻らない。
たいへん困った。
「オスカー・ベルナーです。帝都南市場で卸をしております」
オスカーは、いつもの商売用の礼をした。
少女は少しだけ肩をこわばらせ、それでも目をそらさなかった。
「お話は、聞いています」
「でしたら」
オスカーは、机の上に荷札を置いた。
「困っています」
「はい」
「男爵領から仕入れるはずだった荷の一部が、白嶺へ回される。こちらにも約束があります。得意先もあります。運ぶ算段もあります」
「はい」
アリアは一つずつ頷いた。
頷くだけで、言い返さない。
それがかえって、オスカーにはやりにくかった。
しばらく黙っていたアリアが口を開いた。
「でも、必要なものは、必要なのです」
小さな声だった。
それでも、そこだけは引かないという意思の入った言葉だった。
オスカーは、荷札から顔を上げた。
なるほど、この町には、いろいろと足らない物があるだろう。人が暮らしているなら、必要なものは一度の取引では満たされないはずだ。
何を求め、代わりに何を出せる町なのか。
荷札だけを見ていても、それは分からない。
「……なるほど」
「はい?」
「いえ。少し、町を見せていただけますか」
ルークスが目を細めた。
アリアは、ほっとしたように息をついた。
「はい。わたしも、まだ教わっているところです」
* * *
オスカーは、町を歩いた。
最初に見たのは、共同温室。
外は冷たい。
けれど、温室の扉を開けると、湿った空気が顔に当たる。冬の山中で、青い葉が並んでいた。
「これは」
オスカーは、思わず畝の前で足を止めた。
葉の色がよいが、量は多くない。だが、冬の帝都でこの青さを出せるなら、欲しがる料理屋はある。金を持つ家も欲しがる。
オスカーの目が、勝手に数量を数え始めた。
畝の幅。収穫までの日数。荷傷みの危険。冬道での輸送。売り先……。
「冬野菜なんぞ、売れんよ」
奥から声がした。
小柄な老婦人が、腕を組んでこちらを見ていた。
ルークスが小声で言う。
「マルタ・ホルンさんです」
「これを育てている方ですか」
「仕切っている方です」
オスカーは、老婦人へ礼をした。
「売れます」
マルタは眉を寄せた。
「どこで」
「帝都で」
「遠い」
「遠いです」
「腐る」
「腐らせない運び方を考えます」
「高くなる」
「高く売ります」
マルタは、しばらく黙っていた。
それから、アリアを見た。
「この男、大丈夫かい」
アリアは困った顔をした。
「まだ、分かりません」
「正直だね」
オスカーは笑いそうになった。
その後、羊毛を見た。
白嶺の羊毛は、細くはない。帝都の貴婦人が喜ぶような柔らかさではない。
だが、厚い。丈夫だ。冬用の敷物、作業用の外套、荷を包む布。使い道はある。
次に、干し肉。
塩が強く、香りも強い。けれど、山道の保存食としては悪くない。
薬草。
種類が多い。束ね方は雑だが、乾きはよい。
温泉の湯気を使っているのだと、近くの老人が言った。
「……違うな」
オスカーは呟いた。
アリアが顔を上げる。
「何がですか」
「ここは、物がない町ではありません」
オスカーは、干された薬草の束を見た。
「売り方を知らない町です」
その言葉に、白嶺の住民が何人か、顔を見合わせた。
怒った顔ではない。ただ、言われた意味が分からない顔だった。
アリアは、ゆっくりと呟いた。
「白嶺の人が知っているものを、外の人は知らないのですね」
「そうです」
オスカーは頷いた。
「そして、外の人が欲しがるものを、白嶺の人はまだ知らない」
アリアは、その言葉を大事そうに聞いていた。
子供の顔だった。
けれど、その目は誰よりも真剣だった。
* * *
仮住まいへ戻ると、アリアは帳面を広げた。
オスカーは、正直に言えば、あまり期待していなかった。
小さな姫様が、きれいな字で覚え書きを作っている。
それくらいだと思っていた。
だが、帳面を覗いた瞬間、考えを改めた。
入った物。使った物。残っている物。誰に渡したか。次に足りなくなりそうな物。
文字は少し幼いが、数字は、丁寧だった。
「これは、アリア様が?」
「はい。ルークスさんに、白嶺で使うものを教えてもらいました」
「足し間違いが少ない」
「少しあります」
アリアはすぐに言った。
「昨日、油の数を一つ間違えました」
ルークスが横で咳払いした。
「すぐ直しました」
「間違えない人間より、直せる人間の方が商売向きです」
オスカーは帳面をめくった。
そこに、白嶺までの荷運びにかかった日数が書いてあった。
道の悪い場所。馬を休ませた場所。荷が揺れた場所。
子供の字で、ぽつぽつと。
「この道は、高くつきます」
オスカーは言った。
アリアが小さく頷く。
「運ぶだけで、ですか」
「はい。道が悪い商売は、品物より先に道代を食います」
「道代」
アリアは、すぐに帳面へ書こうとして、手を止めた。
「書いてもよいですか」
「どうぞ」
オスカーは少し笑った。
アリアは、道代、と書いた。
字は小さい。けれど、妙に真剣だった。
「では、同じ馬車でたくさん運ぶと、少し安くなりますか」
「なります」
「帰りの馬車が空だと、もったいないですか」
オスカーの手が止まった。
「……誰に教わりました」
「誰にも」
アリアは少し不安そうに言った。
「今、そう思いました」
オスカーは、帳面を閉じた。
十歳ぐらいだろうか。
商売を知っている目ではない。
けれど、空の馬車がもったいないことは分かる。
それは、商人の始まりとしては悪くなかった。
「帰りの馬車に、売るものを積めればよい」
オスカーは言った。
「白嶺へ必要なものを運び、白嶺から売れるものを運び出す。行きと帰り、両方に意味ができる」
「そうすると、道代が少し軽くなりますか」
「少しではなく、かなり」
アリアの顔が明るくなった。
だが、すぐに眉が寄る。
「でも、売れるものを、きちんと作らないといけません」
「その通りです」
「多すぎても、だめですか」
「売れ残ります」
「少なすぎても」
「相手にされません」
アリアは、難しい顔をした。
「商売は、難しいです」
「はい」
オスカーは真面目に頷いた。
「だから、商人がいます」
アリアは顔を上げた。
「では、教えてください」
その言い方が、少し前にマルタへ頭を下げたときと似ていた。
オスカーは知らない。
けれど、ルークスは気づいたようで、少しだけ笑った。
「私が知っている範囲でよければ」
オスカーは言った。
「ただし、甘いことは言いません」
「はい」
「損をする話には、損をすると言います」
「はい」
「売れないものは、売れないと言います」
アリアは少し考えてから、頷いた。
「その方が、助かります」
オスカーは、今度こそ少し笑った。
困ったことに。
この小さな取引相手は、商売の話になると声がぶれない。
* * *
夕方前、オスカーは荷馬車へ戻った。
来たときより、帳面が重い気がした。
実際には、紙が数枚増えただけだ。
けれど、その紙には、冬野菜、羊毛、保存食、薬草、温泉を使った乾燥場のことが書かれている。
そして、空の荷馬車で帰るのはもったいない、という小さな姫様の言葉も。
「では、いったん男爵領へ戻ります」
オスカーは言った。
「父に、ですか」
ルークスが尋ねる。
「ええ」
オスカーは、少しだけ苦い顔をした。
「確認と、抗議と、礼です」
アリアが首を傾げた。
「礼も、ですか」
「はい」
オスカーは答えた。
「面倒な場所へ行かされましたが、面白いものを見ました」
「面白いもの」
アリアは、きょとんとした。
「白嶺ですか」
「白嶺も」
そのとき、仮住まいの扉が少し開いた。
小さな体が、すべるように外へ出てくる。
オスカーは、それを見た。そして、固まった。
龍だった。
小さい。たしかに小さい。
だが、龍だ。角があり、翼があり、尾がある。
しかも、当たり前のようにアリアのそばへ歩いてきて、前足を石の上に置いた。
オスカーは、商人として積み重ねてきた初対面での技術を、人生で初めて全部忘れた。
レクス・ノアは、オスカーを見上げた。
「帰るのか」
「……はい」
返事は勝手に出た。
とても素直だった。
レクス・ノアの尻尾が、ゆっくり動く。
「また来い」
「はい」
二度目も、勝手に出た。
ノアの声が弾んだ。
「すごく素直」
「相手が龍なら、たいていの商人は素直になります」
オスカーは、やっとそれだけ言った。
アリアが慌てる。
「怖がらせてしまいましたか」
「怖くないと言えば嘘になります」
オスカーは正直に言った。
「ですが」
彼は、レクス・ノアをもう一度見た。
小さな龍は、アリアの足元にいる。
脅しているわけではない。
ただ、そこにいる。
「白嶺で見たものの中で、一番、噂になりそうです」
アリアの顔が少し不安になる。
オスカーは手を振った。
「悪い意味とは限りません。商売は、噂から始まることもあります」
「噂」
レクスが短く言った。
「雑だ」
「雑で速いのが噂です」
「危険だな」
「はい。だから、扱う人間が要ります」
オスカーは、言ってから自分で少し驚いた。
龍相手に、商売の話をしている。
帝都南市場でも、さすがにこれは初めてだった。
ノアが楽しそうに言った。
「また来る?」
オスカーは、今度は自分で選んで頷いた。
「来ます」
* * *
帰り道の馬車は、来たときよりも揺れた。
少なくとも、オスカーにはそう感じられた。
頭の中で、白嶺の品が並んでいる。
冬野菜。羊毛。干し肉。薬草。温泉の湯気で乾かしたもの。
山道。空の帰り荷。
龍。
龍は商品ではない。当たり前だ。当たり前だが、噂にはなる。
噂になるなら、人も動く。
人が動けば、物も動く。
物が動けば、金も動く。
金が動けば、町は少しだけ息をしやすくなる。
オスカーは額に手を当てた。
「……してやられたなあ」
御者が振り返る。
「何か言いましたか」
「男爵様だ」
「はい?」
「私に見せたかったんだ。白嶺を」
オスカーは、数日前に男爵家で見たガイゼルの顔を思い出した。
ほんの少し緩んだ口元。
申し訳なさそうではない顔。
読みどおりに事が運んでいる顔。
馬車は、長い山道を下っていた。
白嶺から男爵領までは、近くない。
行きは三日。帰りも、天気が崩れれば四日はかかる。
それでも、オスカーの頭は、帝都の店ではなく、あの湯気の町に戻っていた。
「ずいぶん静かですね」
御者が言った。
「考えごとだ」
「儲かる話ですか」
「まだ分からん」
オスカーは帳面を閉じた。
「ただ、放っておくには惜しい」
オスカーは窓の外を見た。
白嶺の湯気は、もう見えない。
山道だけが続いている。
御者は、よく分からないという顔をした。
それでいい。
商人の目に見えるものは、ときどき、商人にしか見えない。
白嶺の人々が、自分たちの価値を知らなかったように。
オスカーもまた、行くまで知らなかったのだ。
あの町が、まだ値のついていない宝を持っていることを。
抗議はする。
礼も言う。
けれど、その前に。
まずは、あの町の値札のつけ方を考えなければならなかった。
* * *
ヴァルド男爵家に戻ったのは、出発から数日後の夕方だった。
オスカーは、ほこりを払うより先に、ガイゼルのいる部屋へ通された。
ガイゼルは何も聞かなかった。
ただ、いつものように座っていた。
それがまた、少し腹立たしい。
オスカーは深く息を吐いた。
「男爵様」
「何かな」
「最初から、そのつもりでしたね」
ガイゼルは穏やかに首を傾げた。
「何のことだろうか」
「私が白嶺へ文句を言いに行き、あの町を見ることです」
ガイゼルの口元が、また少しだけ緩んだ。
今度は、オスカーにもはっきり分かった。
「白嶺はどうだった」
ガイゼルが尋ねる。
オスカーは、少し考えた。
呪われた土地。
湯気の町。
冬の葉。
空の荷馬車。
数字を真剣に書く小さな姫様。
足元にいる龍。
「困った土地です」
オスカーは言った。
「遠い。道が悪い。人が少ない。売り方を知らない。荷をまとめる仕組みもない」
「ですが」
オスカーは帳面を机に置いた。
「品があります。人もいます。信用できそうな目もありました」
「もう一度行きます」
オスカーは言った。
「今度は、文句だけではなく、話をしに」
「助かる」
「まだ助かるとは限りません。私は商人です。損をするためには動きません」
「それでよい」
ガイゼルは頷いた。
「損をし続ける者は、長く味方ではいられない」
「敵いません」
オスカーは頭を掻いた。
「まったく、敵いません」
ガイゼルは何も答えなかった。
ただ、窓の外を見た。
その先には、白嶺へ続く山道がある。
オスカーの荷札には、次に白嶺へ持ってくる品の欄が残った。




