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どうでもいい話 脱力エッセー  作者: カキヒト・シラズ


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未来になれば令和の常識も非常識か

初出:令和8年6月



 最近、ユーチューブで”昭和の常識”をディスる動画をよく目にする。シリーズ化しているのか。

 「昭和の常識は平成の非常識」といった語があるようだが、時代は平成を飛び越えて令和だ。

 しかし思い出せば昭和の時代には戦前の常識がマスコミからよく非難されていた。

 戦前の軍国主義の日本にくらべ、戦後の今はどれだけ人々は幸福になったか。こういう論調で戦後の昭和末は同時代の人々にとってパラダイスだと当時のオピニオンリーダーたちが唱えたものだ。

 こうしたことから推測すると、現在の令和の常識もまたいつの日か非常識として未来のインフルエンサーからディスられる運命にあるのだろうか。


 現在ではビジネスリュックというのがあり、会社員がスーツ姿でリュックを背負って通勤する姿は珍しくなくなった。

 ところが小生は90年代前半にこの格好で会社に通勤していた。当時、ビジネスリュックというものはなく、山登り用のリュックサック、またはナップザックをスーツ姿で背負っていたのだが、上司や同僚から奇異な目で見られた。あのころ、会社員は手ぶらか手提げバックを持って通勤するのが普通だったので、スーツにリュックサックは異様なファッションだったのだろう。

 もしかしたら――自慢にはならないだろうが――日本ではじめて会社にスーツ姿でリュックサック通勤したリーマンは自分ではないか。そう思うことがある。


 当時、独身だった小生はよくコンビニで買ったクリームシチューのレトルトを温めて、ご飯にかけて食べていた。この話を会社の上司にすると、「カレーではあるまいし、そんな食べ方をする人はいない」と一蹴された。この上司は先ほど小生のリュック通勤を軽蔑した人と同一人物だ。

 ところが21世紀に入り、10年代ぐらいだったか、クリームシチューをカレー感覚でライスにかけて食べるのが流行っているというニュースをミクシーで見つけた。


 してやったり、といったリベンジ感もさることながら、小生は未来を先取りする感覚に優れているのではないか。もしそうだとしたら、未来になって非常識になる令和の常識は何かを当てられるのではないか。

 こうした自負から、未来予測をしてみようと思う。



1.未来の常識はこれだ


①混んでいる場所より、空いている場所に行きたがる

 ショッピングセンター、飲食店、行楽地など、休日は混んでいる。これまでは人々はみんなが行くから行きたいという同調志向があったが、これからは空いている場所や空いている日時を好むようになる。


②相対的に人に会いたがらなくなる

 これまでは他人が周囲にいないと不安だった人が多かったが、これからは不必要に他人に会うことを拒むようになる。このため冠婚葬祭など従来のパーティの件数が減り、かつ小規模になる。


③教育制度が大きく変わるか、大学に進学せず社会人になる若者が増える

 社会人になる年齢が下がれば、結婚や女性の出産の年齢も下がり、相対的に出生率は向上する。このため行政はこれを後押しし、10代で大学を卒業できるなど教育制度も変わる。


④恋愛や結婚で従来の男女の関係が逆転することも

 これまで男女の恋愛では男性が女性に告白したりプロポーズするのが通常だったが、今後は女性が男性に告白したりプロポーズするケースが相対的に増えると思われる。告りの男女平等といったところか。既にこの傾向は顕著ではあるが。

 また年の差カップルではこれまでは男性が年上が主流だったが、女性が年上のケースも増えている。

 さらに収入が女性の方が高いカップルや専業主夫とキャリアウーマンのようなカップルも珍しくなくなる。


⑤エンタメ、アートはアマチュアリズムが主流に

 これまでエンタメやアートはプロの創作した作品を楽しむことが主流だったが、アマチュアが作品を世に発表して楽しむことが相対的に主流になってくる。

 映画やアニメなどAIの発達と低価格化により、アマチュアが一人で作品を作り、ネット動画で発表する時代になる。

 このためプロの作品を販売する市場規模は小さくなり、プロのアーティストはアマチュアに創作指南をするセミナーなどの講師として収入を稼ぐ。

 

⑥①の延長で都会より地方へ人口が移動する

 特に若者は都会より地方の田舎で暮らすようになる。リモートワークで都市部の本社には数か月に1回だけ業務報告に来ればよく、後は自宅のPCで仕事をすればよい。

 地方は相対的に不動産が安く、広い庭付の大きい戸建てに住みやすい。

 

⑦移民が増え、カルチャーがグローバル化する

 あまり個人的には望ましくないが、ヌーハラなどラーメン、そば、うどんは音をたてずに食べるのがマナーになる。これは食事マナーのグローバルスタンダード化だ。

 移民が増えることで日本の常識を世界の常識が上書きし、かつての日本の常識が世界の非常識にされてしまう。

 

⑧スピ系への関心の向上と宗教団体の地位没落

 スピリチャル文化に相対的に関心が向く一方、既存の宗教団体の権威は失墜する。

 シンクロニシティー、占術など、これまで迷信とされてきたものの一部が科学的に解明される。もしくは解明しようとする研究が盛んになる。


⑨行政、大学、専門家など権威が相対的に失墜する

 宗教団体同様、これまで権威とされてきたあらゆる組織や人の社会的信頼度が相対的に下がる。

 人々は自分で知識武装し、権威の意見は必ずしも信じなくなる。


 いかがでしょう。

 以上、希望的観測を述べました。


(つづく)


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