男子厨房に入るべからず、の語を作ったのは誰か
初出:令和8年5月21日
コロナ騒動以降、外食を控え、自炊することが増えた。
クックパッドは以前から知っていたが、既存のレシピ本同様、作るのが難しそうだ。その一方で、ユーチューブ動画をさがすと同じ料理でも手抜きのレシピが見つかったりする。
どこまでもおいしいものを作るのでなく、手抜きで作れるもの。まずくて食べられないものはごめんだが、自分が食べる分には問題ないぐらいのおいしさをキープできるもの。
ネットにはこうしたレシピがいくらでも転がっているようだ。
小生が自炊するのもひたすら手抜きレシピが主体である。
1.中国の格言が語源か
ところで「男子厨房に入るべからず」という語がある。
この語はいつ、どこで発生したのだろうか。
もともと古代中国の「君子厨房に入るべからず」が変形したものらしい。
古代中国では、一国の王様やローカル地域の領主様は厨房に入らず、ただ自分たちの召使いが料理した食事を食べるべし、という意味なのだろう。
当時の厨房には料理の材料である豚の死骸が転がっており、身分の高い人がそれを見て気分を害するようなことがあってはならない。だから身分の低い人しか厨房に入ってはいけない。
この「君子」を「男子」に変形したバージョンは明治維新以降、官僚=支配者層が庶民に流行らせたプロパガンダではないかと思われる。
もしかしたら戦前、あるいは戦後に流行らせた言葉である可能性もある。
プロの料理人ならいざしらず、一般の男性が厨房に入って料理することは恥ずかしいことだ。こうしたニュアンスが伝わってくる言い回しだ。
2.国家は国民から自給力を奪って支配する
仮に戦後、60~70年代に流行らせた語だと仮定しよう。
なぜ彼ら支配者層はこのようなプロパガンダを流す必要があったのか。
この時期、サラリーマンと専業主婦の家庭が増えており、夫は職場で仕事に注力すべきであり、家事の一切は妻にまかせ、夫は家事には関わるべきでないという考えが主流だった。
夫に家事をする余力が残っているなら職場でもっと働かせ、家事などできない状態まで疲弊させるべきだ。こうした考えが支配者層にあったのではないか。
男性から家事の能力を奪うことは、とりもなおさず男性から自立力、自給力を奪うことに他ならない。
これは逆に言えば女性に専業主婦以外の選択肢を奪うことは、経済的に女性が自立する力を奪うという意味にもなるが。
とりわけ江戸時代以前、人口の大半は自作農だった。
自分の田畑で農作物を耕し、それを転売するというより、自分や自分の家族が消費した。
資本主義経済は現在のように発展していないので、物を売買することは現在より少なく、生活必需物資の多くは自給自足でまかなっていたと思う。
しかしながら行政としては、意図的に国民から自給力を奪い、国民を支配していったのだと思う。
そもそも国民の人口の多数派が学校を卒業したら、会社に勤めないと生きることができない状態なのは、行政が国民から自給力を奪ったからだ。
江戸時代は自作農だから、家業を継いで農業をやれば生きていくことができた。
ところが多くの若者は明治政府のプロパガンダなどで田舎から都市へ移住し、会社など法人に勤めた。
フリーランスや起業で勤め人にならないで済んだ人もいるが、数的には成功者は少数派で、また行政は大企業優先するので、起業しても早いうちにある程度の規模の会社に成長しないところは淘汰されやすく、長期間、存続することは難しい。
いずれにせよ、国は国民から自給力を奪うことで国民を支配してきた。
同様に国際社会では、覇権国家は属国から自給力を奪うことで軍事力以外に支配力を強化してきた。
3.国内自給率の向上を目指せ
イラン戦争は終わりそうになくホルムズ海峡は閉鎖されたままである。
このままでは原油が輸入されず、ナフサ不足などで日本経済が立ちいかなくなることが懸念される。
それだけではない、農作物の飼料を100%近く輸入しているため、食糧不足が深刻だ。これらの飼料もまた原油の輸入が止まると生産できなくなる。
かてて加えて円安の進行は輸入が相対的に高価になる。
しかし、ここで発想を転換して生活必需物資の国内自給率向上を目指してはどうか。
生活必需物資とは食糧はもとより、エネルギーも含まれる。また工業製品の一部も含めていい。
政府は米国AI産業に投資するのでなく、自給率向上に注力すべきではないか。
またエンタメ産業は後回しにして、そのための費用も自給率向上ために使うべきだろう。
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「男子厨房に入るべからず」という表現は日本人の自給力をそぐような意味にも取れるので、小生はあまり感心しない。
男子は積極的に台所で料理して自立力を高める一方、日本は生活必需物資の国内自給率を高めるべきだと考える、
(つづく)




