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染まる  作者: 梅子


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6/10

苦痛

 病院に行くと、検査されたが、意外なことに、杏菜にも僕にも特に異常はなかった。タイミングを合わせてする方法をまず試すように言われた。排卵日…。つまり今夜だ…

 帰ると、杏菜は、

「おかえり〜」

と、いつものように迎える。

「お腹減ったな〜」

僕も、いつも通りに応じる。このまま意識せずに進めたい。

「ご飯、できてるよ…。じゃ、食べてから、する?」

分かり切ったことを確認しないでほしい、と内心思いながら頷く。

「う、うん…」 

「お風呂もたててるよ。」 

「お、ありがとう…」 

たどたどしい僕の目を見て、杏菜は、無邪気に言う。

「ご飯、お風呂、ベッドね!」

何でそんなはっきりさせるんだよ。ムードがないよ、杏菜ちゃん…


 寝室に入った。

「あ、あれ?化粧してる?」

「え…すごい、健太くん、よく気付くね。」

「え…何で…化粧?」

「明を作った時もしてたよ…」

「そ、そうなの…?」

「あの時は、健太くん、私の顔とか冷静に見てなかったもんね…」

は、恥ずかしい。てか、今は冷静ってこと…。やっぱり僕、盛り上がってないんだ…

「健太くん…」

杏菜は、僕の顔を覗き込んできた。

「え?」

「すごい、嫌そう…」

「は?」

杏菜は、ベッドから起き上がって、出てしまった。

「杏菜!!」

「もう、やめたいの?お婿さんの立場が苦痛なの?」

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