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染まる  作者: 梅子


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3/10

憂鬱

「でもさ、家系図見ると、あれ…全員、婿養子だよ…」

僕は、「次の赤ちゃんに集中」させるという松原家の歴史は、当然、飲み込めていなかった。しかし、それ以上に、その歴史の結果である家系図の異様さを確認せざるを得なかった。

「そうなの…お母さんも、私産んだ後、結局、不妊だったみたい…」

「…。そうなんだ…」

「うん…えっとね、この200年…うちは男の子生まれてないんだって。だから、明の時、最初、男の子かも…ってなったじゃん。あの時、お母さん大喜びで、親戚呼んでお祝いしようって言ってた。」

そういえば言ってたな、と思い出す。検診で、女の子らしいと確定した時の盛り下がり様は、そういうことだったのか…

「200年って…おかしくない?」

僕は、しばらくして、純粋な疑問を口にした。

「うん…何か、遺伝の関係か調べたけど、まだ原因、分かってないんだって。」

「……。この家系図に載ってない人もいるんじゃないの?」

「いないよ…」

「え?でも、一人くらい姉妹とか…」

「えっと…うち、一人目の娘はすんなり生まれるけど、その後が、生まれない家系なの…」

「何それ…」

深刻な顔をする僕に、杏菜は、びびりだなぁ、と言う感じで

「多分、思い込みもあるのかな…家からのプレッシャー?」

と、冗談を言う様に笑った。

「笑い事じゃないよ…。つまり、男の子が生まれたら、というか、性別に関わらずきょうだいが生まれたら、明は、僕たち夫婦で育てられるってこと?」

「そうだよ…」

「じゃあ…作る?」

「いいね…」

 それから1年。妻への愛は変わらないのに、杏菜は、妊娠しない…。今夜も、する約束の日だ。だから、憂鬱なんだ。

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