家系図
「歴史…松原家の?」
「うん…」
「どんな?」
「……。」
「杏菜…?」
「ごめん…眠たくて…」
「ああ…明日にするか…」
次の日、改めて聞くと、妻は、
「見て見て〜」
と家系図を出して来た。手袋とかして、緊張して出してくるのが可愛すぎる。
「ほら…ここに杏菜、明…。あとはね、お母さんがいるでしょ…」
「うん…」
「ほら、この茜さんって言うのが、私のおばあちゃん…」
「ああ…」
「その上も、見てみて。」
「うん…」
「ほら、女の人ばっかり。うちは、娘ばかりが生まれて、しかも、一人っ子の家系なの…。」
僕は、妻の、杏菜の、顔をじっと見て意図を確かめようとした。それと、娘と一緒に暮らさない理由がどう関係してくるのか、全く分からなかった。
「昔はこの家系で苦労したみたい。婿養子を取ると、家が荒れちゃうこともあって…あと、ややこしい関係も増えちゃうでしょ。でも、跡取りは男って決まってるから、婿を取るしかないの。うち、長く商売をやってたから、そういうのも、女性じゃ相手にされないし…それでね、男の子が生まれるようにって…」
「うん?うんうん…」
杏菜が、どんどん話進めるので、僕は、話を見失いそうだった。杏菜は、戸惑う僕の顔をしばらく見て、うん?と言う顔をした。
「えっと…何だっけ…?」
杏菜自身も、話の流れを見失ったらしい。
「え…ほら、何で赤ちゃんをおばあさんが…」
「あっ…そうだ!ほら、赤ちゃんがいると、育てるのにすごく時間も手間もかかるでしょ。そうすると、次の赤ちゃんに集中できないってことみたい。だから、おばあさんに預けるんだって…」




