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家の歴史
「あなた…」
妻が今朝も、あの可愛い顔で話しかけてくる。ああ…でも憂鬱なんだ…。
「今夜…分かってるよね?」
「え…?あ…ああ、もちろん…」
妻の家には、婿養子で入った。その翌年には、娘の明が生まれた。そこで驚いたのが、妻が全く子育てをする気がない、ということだった。
「お母さん…よろしく…」
と、赤ちゃんを母親(僕にとっての義母)に渡すと、世話の一切をやらせる。最初は、産後の疲れなのかと思っていた。でも、二世帯住宅に戻ってしばらく経っても、赤ちゃんは、義母のところに住んで、僕らは変わらず、夫婦2人暮らしと決まっていた。
僕が、
「赤ちゃんと一緒に暮らさないの?」
と聞くと、妻は、きょとん、としている。可愛すぎる…何の悪意もない、無邪気な顔。さすがお嬢様だ…
「私の家は、こうやって育てるのが普通だから。私も、おばあちゃんに育ててもらったし…」
「えっ何で?寂しくないの?」
「え…別に…お母さんたちとは、行き来あるし…話すし…」
「まあ、そうだけど、なら、夫婦と赤ちゃんで暮らした方が良くない?」
「ああ…何かね、この家の歴史が関係してるって聞いたよ。」




