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理解者

 私の名前は 読眼(よめ)心、普通じゃない高校一年生だ。


 何が普通じゃないのかと言うと、私は人の心が読めてしまうことだ。


 この能力は生まれた時からあった、そのため私は口ではなく心で通じ合っていると、最初、勘違いしていた。


 そのせいで親に色々迷惑をかけてしまう事となった。


 今では研究を恐れ誰にも口外しないようにしている。


 私はこの能力が嫌いだった、友達、先生、親戚、他人、顔を見るだけで全ての人の本音を聞けてしまう。


 私は理解した人間は嘘にまみれた生き物だと。


 そして私は前を向いて歩くことをやめた。


 けれど高校に入って初めて、嘘偽りのなく、清い心を持つ人間と出会った。


 そして私はその人間、手温井 清美(きよみ)の親友になった。


 そこからは楽しい日々の連続だった、今までの辛い人生が嘘だったかのように。


 だがこの日々は一人の女の存在のせいで崩壊した。


 その女の名前は、百合神 奈々子だ。


 百合神は高嶺の花だ、勉強、運動はもちろん、圧倒的な顔面が男を虜にし、女たちからは憧れられている(心の中はどす黒いが)


 だがそんな手の届かない存在でも秘密を抱えている。


 この女、レズなのである、それも重度の。


 そしてこの女、寄りにもよって私の親友、清美に手を出してきたのである。


 清美は優しい何の疑いもなく仲良くしている、そんな清美に取り入ってその体を我が物にしようとしている。


 私は親友の純潔を守るため、百合神奈々子を引き剥がす。


*****************


 清美が後ろから肩を叩き私に話しかける。

「心、今日こそ一緒にご飯食べよう」


「やだよ、百合神さんと一緒でしょ」


「なんでそんなに嫌がるの? 奈々子ちゃんいい人だよ、勘違いしてるだけだよ」


「騙されてるんだよ、清美だから忠告するけど、あの女は美少女の皮を被った変態大魔神なんだよ、あいつに近づいたら食われるよ、まだ間に合うからいつも通り私と一緒にご飯食べよう、ね」

 

 顔を見て私は清美が怒っていることに気付く、怒った清美は初めて見た。


「心は奈々子ちゃんと一緒に過ごしたことあるの?」


「ないけど」


「じゃあ、どうやって奈々子ちゃんが変態だってわかるの」


「っ」


「第一印象だけで人を決めつけるのは最低だよ」


 背を向け去っていく清美を止めようとしたが、私のことを話すわけにもいかずただ見つめることしかできなかった。


 清美は悪くない、心が読めないのだから。それに清美は優しい、人を疑うことを知らないのだろう。


 その優しさに付け込んだ百合神が悪いんだ、絶対に許さんぞ百合神奈々子。



 清美の隣でご飯を食べる百合神を私はただ静観することしかできない。


 何かレズである決定的な証拠を見つけなきゃ、私は清美たちの会話を余すことなく聞く。


「私、心ちゃんと喧嘩しちゃったんだ」


 私は百合神の顔をガン見する。


”心ちゃん、あの小っちゃくてかわいいロリっこか、なでなでしたり、抱きしめたり、コショコショしたり、関係が進んだら押し倒して、グフフ”


 あいつ私のことも狙ってるのか、一生近づかないようにしよう。


 怖くなり見るのをやめた。


 鳥肌がヤバい、見たくないものを見てしまった。


 もう、無理だ諦めよう、私も狙われてるんじゃどうしようも・・・・・・はっ!


 私のことも好きなら、私から誘ってあいつがレズだという証拠を作れる。


 また百合神を観察しようと教室に戻るが、ちょうど百合神が出てきてしまい咄嗟に隠れた。


 何隠れてるんだ私、一人になった今がチャンスじゃないか。


 そこから七分足を踏み出せなかった。


 そして昼休みを終えるチャイムが鳴る。


 私を押し倒そうと、考えてる奴に近づけるわけないじゃないか。

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