私の学校生活はラブレターから始まる
高校に上がり一か月の月日が経ち登校に慣れてきた頃、私には二つだけ悩みが出来ていた。
一つ目は注目されていることだ、小さい頃は注目されて嫌な気はしていなかったが中学校に入り、注目されても何もいいことが無く、トラブルだけが降り注ぐと分かってからは注目されることが嫌いになった。
ただ私の場合、目立つより目立たない方が難しいためこれに関しては諦めている。
「おい見ろ、俺が前見かけたつった、超絶美少女だ」
「うお、マジでかわいいな、思わず、おっふするところだったぜ」
「馬鹿、やめろ、それは違う超絶美少女だ」
「ほらあいつだよ、先輩の彼氏NTった奴」
「なんで平気な顔で学校来れるんだろ」
「そりゃ平気で人の彼氏を奪う女だよ、図太いに決まってるでしょ」
「早く転校してほしいわ、うちの彼ぴも取られちゃう」
このように歩いているだけでも噂される、男どもの会話はどうでもいいが女の子達からこうも言われると傷つくので私は校則違反だがイヤホンをして通っている。
そして二つ目の悩み、それは大量のラブレターだ。
一目見ただけでも十枚は入っている、これがもう二週間ほど続いているのだ。
だが幸いと言っていいのかはわからないが十四日かける十枚で百四十人が私にラブレターを送ってるわけではない。
どういうことかと言うと、一日に返事が出来る数が決まっている、なので何人かは予定の日に行けず、また手紙を出しているのだ。
この浜田、健太郎さんは二週間毎日欠かさず出している、そろそろ行ってあげないと可哀そうだ。
普通来なかったら脈なしだと思って諦める人がほとんどだと思うが、私の下駄箱は毎日のように手紙が詰まっているので、ただ抽選に外れただけだと思っているだけでほとんどの人がまた下駄箱に入れてくる。
男に興味がない私は行かないと思う人もいるだろうが、私は毎日放課後になったら誰かしらの手紙の場所に行っている。
もしかしたら女の子からの手紙かもしれないという思いもあるが、男でもこの人たちは勇気を出して私に思いを伝えようとしている、それを聞かずに無視するのは失礼だ。
だから私はこの手紙を全て読み全員の思いを聞くことにしている。
––今日は珍しく朝の時間が書かれていた、七時十五分、四回西階段。
四回西階段は何故か知らないが立ち入り禁止にされてる謎階段だ、ここなら人も誰も来ないし告白にはもってこいの場所だ、私はもう三回も来ている。
誰もいないか左右を確認し、階段を上り折り返し上を見るとそこに金髪のチャラそうな男が待っていた。
「あ奈々子ちゃん、一日で来てくれたんだ、ラブレター出してもすぐには来ないって聞いてたけど嘘だったのかな、それとも俺のことがもともと気になっててすぐ来ちゃったとか」
「いえ、朝だったので」
「もう照れちゃって、素直になっていいんだよ」
「あの、早く要件を言ってください、あまり時間もないので」
「そうだったね、まぁ分てると思うけど俺、奈々子ちゃんのことが好きなんだよね、だから付き合ってほしいんだよね、楽しくさせてあげるから」
こいつ、今までで一番ないな、呼び出しといてヘラヘラ、ヘラヘラ、しかも上から目線で、それに気持ち悪いほど触ってこようとするし。
こういう男が一番嫌いだは、なんなのそのムカつく顔ブスのくせに金髪に染めて、かっこいいと思ってんの? 逆にブスを際立たせてるよ、殴りたいこの顔、生理の時なら殴ってたわ。
こいつに思ったこと全部言ってやりたいけれどここは抑えて。
「ごめんなさい、あなたには一ミリも引かれません」
ヤバい素が少し出ちゃった。
「振られちゃったか、じゃあさ一週間だけお試しで付き合ってよまだ俺のこと分からないから断ったんでしょ」
なんでまだチャンスあると思ってんのこいつ? え、もうないよ私、あなたのこと何なら嫌いになったよ。
「結構です」
「いいじゃん、ちょっとだけ、ね、先っちょだけ」
「いや、ほんと、私あなたのこと生理的に無理なんで」
「え」
「正直視界にも入れたくないんで、それじゃあ」
さすがにこのくらい言えばあきらめるでしょ、諦めるよね?
「はぁーーー」
いつまで続くんだろ?誠実な人ならまだいいけどあんな奴がこれからもいると思うと。
「はぁーーー、憂鬱だな」
女の子からのラブレターはいつ入ってくるんだろ。




