たまには、理音は引きヅモしたい
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さもないとあなたの名前が祟殺 鱟翁になる呪いをかけます
参照:https://togetter.com/li/2538429
夜もたけなわ。夏の気配が近いとはいえ、この時刻になると、入りこむ風は涼しさを帯びていた。
やや静かな部室。理音は無言のまま、卓を見つめる。
ツモ番。理音が引く時。
理音は卓を左手でつかみ、右手に力を込め、山に触れた。
右手親指に食い込む模様の感覚。来た。
アガリ牌だ。一発ツモ、面前ホンイツ確定。相当な手が来た。
さあ、アガリを宣言しろ――
「来ました。この鍋、食わずに済みそうです」
いつもはしないトラッシュトークも混ぜて。まあ、お遊びの卓だしよかろ。競技じゃないから。
「ツ――」
「つまらないことやってんじゃないわよーっ!!」
「うお!?」
突然割り込んできた叫び声。引き戸を横にたたきつける音。ガラ、とドアが床を摩擦する。
理音は慌てて手をひっこめる。その手が山にあたる。手にぶつかる衝撃。
ガシャ、という音にかまわず理音は後ろを見た。
ドアの方向。見知った顔があった。
その主は腰に手を当て、眉をこれでもかと言わんばかりに釣りあげていた。
気の強い女の子って可愛いよね、じゃなくて。なんかツンデレ少女って萌えるよね(理音はやや古めの趣味が好きである)、でもなくて。
そこには、かのクラブ連合代表、中崎佳の姿。
「あんたたち何やってんのよ⁉」
あまり慌てず、といった様子で、紗耶香が声を張る。
「何やってんのって、見てわからなーい?」
それに怯まず、佳はいう。
「無許可で学校に泊まり込んで賭博まがいなんて、何様のつもり!?」
賭博じゃない、賭けてない……すくなくとも金銭は……いや違います、金は賭けてないけど不思議な古物商が店の周りに、じゃなくて。
いや違う、これはただのチップで、札はやりとりしていない(チップが換金できないとはいってない)、でもなくて。
「無許可?」
「あれ、そう言ってなかったっけ?」
ことねはあっさりいう。
「いいの?」
きょとんとする理音に、遼子が続けて答える。
「……ま、なんとかなるでしょ」
「現になんとかなってなくないです? てか無許可? えっ? そんな話してたっけ? なんか許可取ってるみたいな、手続したみたいな話が数十行前にあったような?」
行というよりは、話単位といったほうがよさそうだが。
「……そうだったとしても、誰も覚えてないし平気でしょ」
そういう問題じゃないだろう、と心の中で理音は突っ込みを入れた。作者はともかく、原稿まとめて出された出版社の人はその辺気にするんやぞ、と。
そういえば、引きヅモってフリー雀荘ではNGだけど
「倍満以上なら引きヅモ許します」っていう伝説のルール説明がある渋谷のあそこは元気にしてるんだろか




