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リースと光の王太子  作者: 御心
幼少期編
19/20

18話 契約


「ずっと?アシェリやザイアスさん達と仲良くなった時からですか?」


『いや、お前が生まれる前からだ。』


「そんな、私が生まれる前からなんて予言でもない限り…」


『事実だ。お前の母親の腹の中にいる時からずっと見守ってきた。精霊女王の頼みでな。』


「精霊女王様?何故そんな凄い方が私のことをご存知だったのでしょう?」


『さあな。詳しいことは知らされていなかったが、5年近くお前のことを見て来て…あの時何故見守って欲しいと言われたか、今は理由がなんとなくわかった気がする。』


「ね、ねえシエル、彼は何と言っているの?」


ラーシェイルが突然現れたリースと話をしている様だが周りにいる人間には勿論わからないのでルヴェルが通訳を求めた。


「すみません、ルヴェル兄様!

彼は光のリースのレイル。何でも私のことをずっと見守ってくれていたようです。」


「そ、そうか。」


『覚えていないか?お前の妹を助けてやったこともあるぞ。』


「そうでしたか!すみません、覚えてなくて。」


『力を貸してやる。』


「………あっ!ザイアスさんを助けた時に声がしたのはあなたでしたか。」


『そうじゃ。つい見兼ねてな。』


「あの時はありがとうございました!おかげでシャラは無事でした。」


ぺこりと深々お辞儀をする。






「それにしても珍しい。レイルはBランクに相当する。高ランクのリースが普段は中々姿を見せんはずじゃが…」


レイルに顔を近づけてまじまじと観察している興味深々の元研究者のユリシス。

両手で顔をグイッと押して拒否し、シエルの元にふわりと飛んで行く。


『そろそろ良いかと思ってな。』


「何がですか?」


『シエルよ。わしと一つにならんか?』


「……えっ?」


『何を勘違いしているか知らんが。わしと契約せんかと聞いたのじゃ。』


「そうでしたか!でも良いんですか?私で。」


『このわしが良いと言っている。それにずっと見て来たと言ったであろう。お前のことは気に入っている。』


「ありがとうございます!お願いします。」


『うむ。良い返事じゃ。』





――契約とは、お互いの本当の名前、真名(まな)と力の源である魔力(マナ)を共有すること。真名を知ることは魂に触れることなので、名を縛り支配することもできる為、危険な行為である。

更に契約者(ファスター)とリースは魂が繋がっている為、一方が絶命すればもう一方も死に至る。

契約するとファラリスの王族は一人前と認められる。




ユリシス達に、レイルがラーシェイルとの契約を望んでいると話した時は言葉がでない程驚いていた。




少し離れた所でユリシスやグランジェ達は見守っている。

通常であれば、ユリシス達がラーシェイルに契約の手順を教えるのだが、ラーシェイルはリースと会話できるのでその必要ないだろう。


『良いか。名は一度しか言わんからな。絶対に他の者に言ってはならんぞ。』


「分かりました。神に誓って。」


『うむ、では始めよう。』


「お願いします!」


――スゥ


レイルが精神を集中させると、辺りが聖域のように浄化されたような心地よい空気が漂い始める。


『改めて聞く。お前の真名(まな)は?』


「ラーシェイル フォン ファラリスです。」


『わしの名は、レリオラ カデュス オーヴィリート エルル ラントリュームじゃ。』


「良い名前ですね!」


(なんだか胸の奥が熱い…)


お互いの魔力を込めた両手を合わせて、額をくっつけると体が一瞬黄金色に輝きだす。




光が収まるとパチパチと拍手が起こった。


「おめでとうございます!ラーシェイル殿下。わたくし感無量です!両陛下もお喜びになられるでしょう。」


「ラーシェイル殿下。お祝い申し上げます。」


「ありがとうございます!レイルも私を信じてくれてありがとうございました。」


「『ああ。お前達も宜しく頼むぞ。』」


グランジェ達の方を向きレイルが話しかけたのでシエルが通訳しようとすると、グランジェ達全員が口を開けて固まっている。


「ど、どうしました?」


「い、今、レイルがしゃべって。」


うんうんと全員が頷く。


「皆さん、レイルの言葉が分かるんですか?」


「『バカめ。』」


レイルがペシッと頭をはたく。


「い、痛いです。」


「『わしらの言葉が分かるのはお前以外にいないであろう。』」


「そうですね。では何故?」


「はっ!レイル殿!あまり乱暴なことはお辞めください!」


「グラン、大丈夫ですよ。」


「『光属性の魔法の一種じゃ。魔力を持つ人間の脳から発する微弱な光信号をわしが人間の言葉に変換して、頭に直接話しかけているだけじゃ。わざわざ通訳など面倒じゃからな、わしにとっては造作もないことじゃ。』」


「凄い。さすがレイルです!」


「『当然じゃ!わしは最強じゃからな!』」


胸を張って威張る姿は、本当に強いのか分からない程お調子者に見える。

ともあれこれでレイルの言葉は周りの人間に分かる様になった。





そろそろ帰らないと日が暮れる為、本来の目的である黒いリース探しはまた後日と言うことになった。


リックやリース達と別れ、待機させている部下達と合流するために支度をしていると、ふわっと小さな黒いリースがルヴェルの目の前に現れた。


「なんと、黒いリースじゃ!ルヴェル殿下。動かずじっとなさいませ!」


「……あれ?」


まるで何もなかったかの様に黒いリースは一瞬で消えた。




長い間更新出来なくて申し訳ありません。

ようやくレイルの名前を出せました。

最近なかなか文字にすることが難しくて、自分の語彙力の無さに嫌気がさします。


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