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リースと光の王太子  作者: 御心
幼少期編
17/20

16話 刺客


祈りが終わると辺りは静寂に包まれ、月明かりだけが変わらず照らしている。


「では王宮に戻るぞ。」


「はっ。」


再び国王から指示があると、皆が一斉に隊列を組み、聖湖を後にする。


帰りの馬車の中でラーシェイルは祈りの最中に、話かけてきたリース達と何を話していたかを王妃たちに、とても楽しそうに報告していた。

王妃が契約しているリース、フィスリーも久しぶりに他のリースに会えて嬉しかったようでクルクルと回っている。




一方馬車の外で護衛をしているジークとグランジェは…


「遅くなりましたが、紹介しますね。右にいるのがカストル様の専属騎士リンクス。左がルヴェル様の専属騎士シュードです。」


馬車の左右前方にいる二人の紹介を受けた。


「リンクス チカゼ トランハイゼルだ。」


「シュード シスイ クランドールです。よろしくお願い致します。

すみません。リンクスは愛想がないですが、腕は立つんですよ。」


「余計なことを。」


「あ、あぁ。よろしく。腕が立つのならいつか手合わせ願いたい。」


「ふん。望むところだ。」


「もー。リンクスは挑発しないの!」


「まあまあ、三人とも落ち着いてください。」


「すみません。」


「ちなみに二人ともわたくしの遠い親戚にあたるんですよ。家系図を辿れば始祖が同じなんです。」


シュードはまだ若いため気が弱いのか、良い人過ぎるのか謝ってばかりだ。

ジークは気を悪くした様子はないので言い合いにはならなかった。

グランジェと似た服装をしており、刀もグランジェと刀匠が同じようでリンクスは鈴、シュードは(ひいらぎ)のシンボルが描かれている。


「そういえば、グラン。」


「はい、なんでしょう?」


「祈りの時に国王たちの側にいたリース達はみんな契約しているのか?」


「はい。王族はリースと契約することで一人前と認められるので、まだお小さいラーシェイル殿下とミシャーラ王女殿下以外の王家の方々は皆様契約していらっしゃいます。」


ジークは道中、周りの警戒をしつつ、並走しているグランジェに気になっていたことを聞く。


「国王陛下は火属性でBランクのレシオ。王妃様は水属性でCランクのフィスリー。第一王子カストル殿下は風属性でCランクのラルド。第二王子ルヴェル殿下は水属性でCランクのルカと契約しています。」


「なるほど。」


「ちなみに契約者(ファスター)にしかリースは真名(まな)を明かさないようです。レシオ達も真名ではなく愛称を名乗っているみたいなので。」


「リースと言うのは奥が深いな。俺もこの国の事をもっと知らねば。」


「ご協力しますよ!」


「ああ。助かる。」





しばらく順調に進むと何やら隊列の前方が騒がしいのが馬車の中まで伝わってくる。


「どうしたんでしょう?」


「私が様子を見てくる。」


第一王子のカストルが不穏な気配を感じ馬車の外に出て、そのあとをカストルの専属騎士リンクスと数人の護衛が追いかける。


「カストル兄様!」


「大丈夫だ!皆外に出るなよ。」


「はい、お気をつけて!」


「父上、皆を頼みます!」


「任せておけ。」





カストルが向かった先には、最前列にいた兵士達と三人の男が対峙していた。

その男たちの手には、リース達が沢山入っている檻を持っている。

また密猟者か…


聖祭の儀では普段は滅多に出会えない高ランクのリース達がたくさん飛び交っており、さらに夜で人目につかない林の中であったが為に、まさか男たちは見つかるとは思っていなかったのだろう。


「お前たち何をしている!」


「殿下!危険です!」


「その檻の中にいるリース達を離せ!」


「殿下だと?だとすれば王宮の兵士か!」


「まさかこんなところで出くわすとは…」


「お前ら逃げろ!」


「一人も逃がすな!捕らえろ!」


「はっ!」


逃走を図る密猟者達をカストルの指示で兵士達が追いかける。


ガキンッ


「何事だ!」


「殿下!馬車が!」


「なっ!なんだと!」


後方から剣を交える音がして振り返ると大事な家族が乗っている馬車が盗賊の様な格好をした者たちに襲われている。


ふわっ


「っつ!」


突然カストルの目の前に黒いリースが現れ、直ぐに通り過ぎて行く。


「黒い…。闇属性か?ずいぶんと珍しい。」


まだまだ謎の多いリースだ。

これは研究者達が喜ぶだろう。

しかしそれよりも今はあちらが心配だ。

国王や専属騎士たちが応戦しているから無事だと思いたい。

直ぐに駆けつけようとするが、思ったよりも引き離されていたようで、中々に時間がかかってしまった。


「父上!皆は無事ですか?」


「ああ、まだ中にいる。」


「良かった。この者達は何者でしょう?」


「さあな。先程のやつらと無関係ではないのかもしれぬ。」


「まさか奴らは囮?」


「その可能性はあるな。」


盗賊たちを魔法や剣であしらいながら一人、一人と確実に沈めていく。





ファラリス王国の誇る専属騎士たちが四人もいるのだ。

思ったより時間がかかったがようやくひと段落つき、国王は馬車の扉を開ける。


「お前たち、大丈夫か?」


「あなた!ご無事でなによりですわ。」


「父上!私たちは大丈夫です。」


どうやら皆無事なようだ。

兵士達も多少の怪我があるものの、死者はいないようでホッと息をつく。


国王は襲撃を受けた時のことを思い出す。

奴らは馬車の両サイドから襲ってきた。

今日この道を通る事を知っていたようだ。

情報が漏れていた可能性が高い。

警戒せねば…






盗賊たちは王宮まで連行され尋問を受けるが、ただ金で雇われただけだと言い張る。

さらにリース達を捕らえていた密猟者達は見つからず関係性は分からぬままであった。

密猟者を追いかけていた兵士の話によると、突然木が薙ぎ倒されてきたと言うのだ。

その木が邪魔をして見失ったが、木が倒れた拍子に檻を手放したらしくリースは解放できたそうだ。


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