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リースと光の王太子  作者: 御心
幼少期編
14/20

13話 ジーク


「その前に、殿下。陛下とご一緒に聞いていただいても良いですか?」


キィ


「あの、私もお聞きしてもよろしいのですか?ジークにとって大事なお話しでしょう?」


ラーシェイルは父ヴァンジールに呼ばれていたが、何やら深刻な話しが聞こえて来たので部屋に入るタイミングを失っていたところをジークが気配で察して入室を促す。


「シエル、お前にも聞いておいてほしい。シャラの為にも。その為に呼んだのだ。」


「俺からもお願いします。」


「そうですか。わかりました。」






「では改めまして。俺の名はジークフリート ストリングスと申します。3年ほど前まで隣国、ジャスティル帝国の人間でした。そこで帝国騎士長を務めておりましたが、訳あってこの度(いとま)を頂くことになりました。」


「やはりジークが先代の帝国騎士長であったか。部下から報告を受けた時にまさかとは思ったが…。しかし、帝国騎士長を長年務めたそなたが何故。」


「無様な話ですが、この老いぼれはもう用済みとのことで切り捨てられたのです。」








―――3年前 ジャスティル帝国


帝国の為に尽くし、皇帝陛下を守る為だけに存在する帝国騎士団。

その長を長きに渡り務め上げたジークフリートは誇りをもって日々を過ごしていた。


ある日、急に皇帝に呼び出されたジークフリートは何の疑いもなく、いつものようにただ命令に従う。


「帝国騎士長ジークフリートよ。」


「はっ。」


「貴様、弟子に敗れたそうだな。」


「…左様でございます。」


「恥を知れ!」


「申し訳ございません。皇帝陛下。」


「貴様はまだ使えると思っていたが、そうではなかったようだ。」


「ですが、稽古の手合わせで弟子が勝つのは良いことでございます。」


「黙れ!言い訳など見苦しい。もう、貴様は必要ない。それに色々知り過ぎた。おい!」


皇帝が後ろに向かって呼びかけると…


ビクッ

皇帝の後ろから何かが目にも止まらぬ速さでジークフリート目掛けて飛んでくる。

ただならぬ殺気を携えて。


ビュッ


「ぐっ!」


ジークフリートの頬に鋭い痛みが走る。

しかし、流石帝国騎士長。すぐに剣を抜き反撃する。


ガキンッ


「な、なぜだ!ランドルフ!」


その強い殺気の正体は弟子のランドルフであった。


「………。」


ランドルフは答えない。

それどころか目が虚で純粋な殺気だけをこちらに向けてきている。


「皇帝陛下!ランドルフになにを!」


「無礼な!余はなにもしておらん。唯一の主人を疑うとは何事だ!皆の者、こやつは反逆を企てておる!切れ!」


皇帝の命令に従うしか無い騎士団員は、かつての上司であるジークフリートを討つしか道は残されていない。

ジークフリートはその団員達の思いを汲み取り、傷つけない為にも逃亡するしかなかった。




上手く逃げ切れそれから1年ほどは、顔を隠し名を変え、貴族の用心棒を転々として細々と暮らしていた。

そこでは貴族様の汚い裏の顔を何度も見てきた。

心ない言葉をかけられ、解雇されたことなどザラにある。

人間を奴隷の様に扱う貴族もいた。

この国は腐っている。

よくもまあこんな国を今まで守っていたものだ。

そんな自分に嫌気が差し、屈辱を受ける暮らしに慣れてきたころ、今まで考えたこともないことを考えるようになった。

なんせ戦うことしか知らない俺は商人や農業の真似事なんかもしてみたがもちろん上手くいくはずもなく…

冒険者になろうとしたが大した稼ぎにはならず、高ランクの魔物を倒すと収入は増えるが名を売れ過ぎると顔を知る者も増えて、再び追われることになる。




そういえば、ある日ふと思ったことがあった。隣国ファラリス王国とはなぜ因縁や遺憾があるのだろうかと言うこと。

今までは皇帝の命令に疑うことなくファラリス王国とは何度もぶつかってきた。

そんな敵対しているファラリス王国は自然が豊かで精霊の加護を受け、ジャスティル帝国が剣と武道の国ならば、ファラリス王国は魔法と精霊の国で、全くの正反対ではないか。

もし、俺がファラリス王国で生まれていたのなら今どんな暮らしをしていたのだろうか。

ジャスティル帝国は弱者や裏切り者を決して許さない。帝国騎士長であった頃は皇帝の命令で裏切り者を何人も葬ってきた。

もう明後日にはこの貴族との契約が切れる。そしたら一度ファラリス王国に行ってみよう。


そう思った矢先…


顔を隠していた布をとっていた所を貴族の使用人に見られていたらしく、さらにはその貴族の主人が俺の顔を知っていた様で、密かに帝国騎士団に通報され包囲されていたのだ。


気づいた時には遅く、追い込まれた俺は傷を負いながらも3階の窓から飛び降り、今まで調べておいた道を使い最短コースでなんとかファラリス王国の外れにある小さな集落まで辿り着き、力尽きた俺をファラリス王国の老夫婦が助けてくれたのだ。


そこで優しさに触れて精霊の加護を授かる訳を知った。

帝国とはまるで違う。

夢の様だと何度思ったことだろう。


そんなことを思い、このファラリス王国で暮らしたいと思っていた時出会ったのが、貴方達です。ラーシェイル殿下。ミシャーラ王女殿下。



遅くなって申し訳ありません!頑張りますので応援お願い致します。

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