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青い縁の話――韓国宮廷で燃え上がる恋  作者: Kentarou Tou / Kentarou Theater


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8/10

第八話「一月の間」


謹慎の一月は、静かだった。


ミナは文書の間の隅にある小部屋に籠もり、記録の整理を続けた。

古い棚札を書き直し、年代ごとに乱れていた記録を並べ直す。


罰として与えられた時間だったが、ミナにとっては、不思議と悪い時間ではなかった。


ハルは時折、様子を見に来た。


「来なくてもよろしいのですよ」


ミナが言うと、ハルは平然と答えた。


「来てはいけないとは言われておりませんので」


「私は謹慎中です」


「私は謹慎しておりません」


そう言って、ハルは小さな包みを差し出した。


「差し入れです」


中に入っていたのは、干し柿だった。


「なぜ干し柿なのですか」


「長く保存できるものが良いと思いまして」


ハルは真面目な顔で言った。


「記録と同じで、残るものを選びました」


ミナは、しばらくハルを見た。


「干し柿を、記録に例えましたか」


「おかしかったでしょうか」


「おかしくはありません」


ミナは包みを受け取った。


「ただ、変わっていると思いました」


二人は干し柿を食べながら話した。


地方の税制のこと。

宮殿に残る古い記録のこと。

ハルが子供の頃、父から聞いた話のこと。

ミナが宮女(クンニョ)として入ったばかりの頃のこと。


話していると、思いのほか時間が過ぎた。


帰り際、ハルが言った。


「また来てもよろしいでしょうか」


「来てはいけないとは言っておりません」


ハルは笑った。


「真似しましたね」


「あなたの言い方が、便利だったので」


ミナはそう言って、また記録へ目を戻した。


けれど、口元にはほんの少しだけ笑みが残っていた。


(第八話 了)


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