表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青い縁の話――韓国宮廷で燃え上がる恋  作者: Kentarou Tou / Kentarou Theater


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/10

第二話「税帳簿の謎」


ハルは、三日続けて文書の間に来た。


一日目は、三十年前の税記録を。

二日目は、二十五年前の記録を。

三日目は、二十年前の記録を調べた。


ミナは黙って記録を出していたが、三日目には、さすがに気づいていた。


「同じ地方の記録を追っておられるのですね」


ハルは、紙面から顔を上げた。


「分かりますか」


「年代と地域に、一定の流れがあります」


ミナは淡々と言った。


「偶然に選ばれた記録ではありません。何かの変化を追っておられるように見えます」


ハルは、しばらくミナを見た。


「鋭い方ですね」


「記録を管理していれば、流れは自然と見えてきます」


「その流れが、尚宮(サングン)には見えているのですか」


「見えます」


ミナは答えた。


「ただし、私は記録を管理するだけです。内容に立ち入ることは、私の役目ではありません」


ハルは、少しだけ考えるように目を伏せた。


「一つだけ、お聞きしてもよろしいでしょうか」


「どうぞ」


「同じ地域の税記録が、ある時期から急に変わっている。尚宮も、そのことには気づいておられますか」


ミナは答えなかった。


しかし、その沈黙そのものが、答えになっていた。


ハルは静かに頷いた。


「ありがとうございます」


ミナは表情を変えなかった。

けれど、その日からハルという官員(かんいん)の名を、少しだけ覚えておくことにした。


(第二話 了)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ