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白磁の皿・6

「・・・あら?あまり驚かないのね?」

「ビュッフェでこっち見てたろ?」

「あら!バレちゃった?」


「アールグレイ。飲んでただろ?」

「あー、あたしも観察されてたって訳ね。やるわねーでもコーヒーの方が良い・・・」

「あーしょうがないなぁ」

俺の持っていたコーヒーとアールグレイを交換する。


「俺は人見雄介、そっちは二見結(ふたみゆい)さんで良いのかな?」

「そうよ、それと(ゆい)って呼んで。よくわかったわね?」

「まぁ両親に似てるし、お父さんの遺品片付けで写真あったしな。あぁ俺の事は雄介っと呼んでくれ」

「ええっと、表向き整理屋さんだっけ」

「ん?何故知ってる?」

「お父さんは浄眼師よ。何か今回のはかなりまずい案件だったらしくて・・・」


「はぁ?おいおいこっちの仕事が原因だったのか!」

「そう、この依頼に入る前にちょっとやばいと思って形上離婚したみたい。ほら銀行口座とか止められちゃうでしょ?お母さんの方に移したみたい」

「確かに・・・俺も親が逝った時しばらく親の口座止められて参ったな。俺の口座に入ってたから良かったけどすっからかんになったな」


「そう言う事よ。でも、私はまさかお父さんが本当に死ぬとは思わなかったけどね」

声を詰まらせる。凄く悔しそうだ。

(ん?っと言う事はもしかして、遺品整理を俺がやったのは偶然では無いと言う事か・・・)

「あっ、皿渡しとくよ」


バルコニーに出て箱を取り結に渡す。

「何でそんな所に?」

「何者かが那覇から尾行されてたんだよ。部屋も探索した跡がある」


「・・・たぶん父の死に関わってる連中ね」

カードを見て箱を開ける。

「これ!?覚えててくれたんだ!」

結は嬉しそうに取り上げた。


「その皿がどうかしたのか?気は感じるが?」

「視えるの?」

「いや、ぼんやり何かを感じるだけだ」

「ふーん・・・じゃあ・・・」

結は皿を箱に入れテーブルに置くと、両手を柏手を打つようにパンと叩いた。

喝破(かっぱ)!」


皿がぼんやり黄色く光っている。

光がゆっくり揺らいでいる。

「どぉ?視える?」

「おおっ!?、視える視える!黄色く光ってゆれてる!」

「浄眼師はこう視えるのよ。色や光の状態でどう言う思いが分かるのよ。これは良い思いだから何もしないで良いわ」

「すごいな結!」

「ふふふっ、他の人に見せる“喝破”は普通は使え無いのよ。めちゃ能力ありありって事よ!」

「すげぇー!」

「ふふふっ、もっともっと褒めて!」

「結は天才かよっ!」


ちょっと照れているようだ。でもこれは本当に凄い。浄眼師の中でも“喝破”はまず使え無いそうだ。まぁこの技を掛けても、相手にも感じる能力が無ければ視え無いとの事だ。


♩〜♫〜


「ん?」

俺の携帯が鳴った。

発信先を確認すると三見室長からだ。

「はい、雄介です。室長何ですか?」

「おう雄介、お前のうちの倉庫に誰か侵入者だ。門扉さんの遺品が入った箱を持ってかれたぞ」

「あぁ、そっちも動きがあったんですか!」

「どうした?」

「那覇空港に着いた途端に付けられました」

「ん、あぁ、それは気にするな」

「はい?」

「それはいいんだ。で、すまんこっちでもお前のうちの倉庫を張ってたんだがやられちまった」


「室長どういう事ですか?」

「あぁ、門扉さんはうちの課の民族資料調査班主任だ。まぁ情報部隊の隊長さんだ」

「あぁ、隣の部屋のいつも居ない人達?」

「そうだ、うちら図書室の資料屋・情報屋さんだな。

通称は資料屋。いゃぁーお前を沖縄にやって敵の動きを見る予定だったがまいったな。糸子さんにそっちに向かってもらうから、明日合流してくれ。詳しくは糸子さんから聞いてくれ」


電話を切る。

(何で糸子さん?)

結のほうにも電話が掛かっている。

室長の後ろで声がしたからあれは糸子さんだろう。

結が電話を切る。

「お母さん明日来るって」

「らしいな、俺はオトリ?だったみたいだな」

「じゃあ明日はうちの店で3人でご飯にしましょう!」

「お皿が3枚あるしね!お父さんの分は雄介でね!お皿は明日店に持って来て!」


名刺を渡される。

すぐ近くの海沿いの店だった。


糸子さんが2時には着くそうなので、そのちょっと前に行く約束をする。

結はすみれの香りを残して部屋を出て行った。










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